裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

18日

火曜日

世界丸ごとデスマッチ

「はい、この有刺鉄線電流爆破試合、命のお値段ハウマッチ?」

※アスペクトゲラチェック メディアファクトリー図版受け渡し D社打ち合わせ

変な夢。寝ようと思い寝室に行くが、暑いので扇風機をかける。
だが、扇風機の首振りを止めようとするのだがとまらず、
カンシャクを起していろんなところを押したり引いたりして、
やっと首振りが止まる。季節はいかにも夏らしく、
すだれ、タオルケット、籐のマクラなど、涼しい就寝具が
全部揃っている。……というところで目が覚めたら、
暖房が止まっていて、寒くて布団の上にケットをもう1枚
かけて寝ていたのであった。
体感と、夢の中での感覚が180度違うとは……。

9時半朝食、バナナジュース、コーンスープ。
母、ゆうべの杉ちゃん&鉄平のコンサートになかなか
穿った意見を言う。

自室に戻り、いくつかメール。
ゆうべ聞いた件につき、数人にお願いメールを。
しかし、西手新九郎でSくんが動いていてくれたのには
驚いた。ちょうどこっちが話し合っていた時間に向うも
打ち合わせしていたということだな。

アスペクト単行本のゲラチェック作業。
残りの作業量とそれにかかる時間をざっと算出して、
そろそろバイク便を出してください、とK田くんに指示、
最後の1ページにチェックを入れたとたんにチャイムが
鳴り、バイク便が来る。なんたるタイミング。
メディアファクトリーからもバイク便、これは図版資料受け渡し。

朝日Kトシューから連絡、某会の取りまとめ。
いやに規模が大きくなったのでちと驚く。
それから、国へ出す某書類の文案を考える。
急に憂鬱な気分に陥る。
別に、大したことではなく書き込むべきところに書き込むべき
ことを書けばいいだけなのだが、私は昔から、こういうお役所書類に
“正しく”書き込むのが大の苦手で、20歳のころ、
初めてパスポートを作ったとき、マチガエテハイケナイノダ
という強迫観念で、窓口で書類に書き込みながら緊張して大粒の汗を
ポタポタと落とし、周囲が見て、こいつ、何かやましいところが
あるのではないかと疑られたらどうしよう、と思ってなおさら
アガってしまい、用紙を何枚もダメにした経験を持つのである。

6時、新宿に出て、紀伊國屋前でオノと待ち合わせ、
そこから二人で歌舞伎町の居酒屋『番番』。
D社Mさんと打ち合わせ。
一年も前に企画が通って、それから担当編集が他社に移ったりして
こっちもドタバタで、宙ぶらりんになっていたもの。
営業と取り次ぎが“早く出せ”とせっついてきた、というので
仕切り直し。
営業と取り次ぎに信頼されているのはありがたいことだが。

本の構成を考え直し、文章とK子のイラスト部分の比率も少し変えて、
出来るだけこちら(私)の作業がスムーズに行くように考える。
『番番』、きわめて昭和の匂いを濃厚に残している店で、
打ち合わせに適するかどうかはともかく(笑)、非常に好みの
店であった。ガンコ親父っぽい主人が案外親切に、小皿に料理を
分けてくれたり、じゃがバタをスプーンで割ってくれたりしていた。

そこを出て、コマ劇場脇のショット・バーへ。
ここも前から入りたかったのだが、チャンスがなかった。
常連さんばかりで敷居が高そうということもあり。
親切に隅の席を空けてくれて、1時間ばかり三人で馬鹿話。
常連さんの鉄板焼き屋さんのご主人からタコ飯差し入れ。
お礼言って、帰ろうとしたらお客さんに声をかけられる。
「『ぴあ』のガンダム論争のころからのファンです」
と。うわっ、それはちょっと古過ぎと驚く。
その方と握手し、写真撮り、火曜担当というカウンターのお姉さん
(色っぽい美人なのでオノが大喜び)とも握手、写真撮影。

出て、タクシーで帰宅。
急に酔いが回って、そのままベッドへ倒れ込む。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa