裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

16日

日曜日

新めくらじま

手塚治虫デザインのあの幻の盲縞、完全復刻!(和服業界ニュース)

※体調不良

地味めな夢。
海底から採取された泥から、ある新物質が発見される。
無色透明なゼリー状の物質だが、これを二枚のガラス板に
はさみ、近くで電波を発する機器(テレビ、ラジオ、電話など。
どうも1960年代の夢らしく機械類もクラシック)を
つけると、反応して形が変化し、色も七色に発光する。
その実験を見て、商品化を考えるというもの。

9時半起床、その前に何回か目覚めてベッド読書。
起きるが気分悶々。
朝食(バナナジュース、コーンスープ、コーヒー)
摂ったあと部屋で睦月さんにメール。

熊倉一雄さんからメッセージあり、朝日新聞読みました! 
とのこと。書評欄はお読みになっていないのかな。
昨日日記に書いた『Who Killed Who?』を見ていたら、
殺人予告の時刻を告げる鳩時計に『BOOooLOVA』の
文字が書かれていた。当時アメリカで最も有名だった
時計メーカー、ブローバ(BLOVA)のパロディである。
細かいねえ。

昼は弁当、焼き鳥と目玉焼きがお菜。
仕事場整理をしたときにコンパクト裁縫セットを見つけたので
これでちょうどとれていた上着のボタンをつける。
小学校のときの家庭科で習ったボタンつけだが、この歳になっても
役にたつ。しかし、やはり眼が弱っているのか、昔に比べ
糸通しのお世話になること数倍。
この糸通しの持ち手にはずいぶんおざなりな人の顔がついている。
ネットで検索するとすべり止めのためにスタンプされているのだ
そうで、ある説では昔輸入された製品についていたのをそのまま
模倣したので誰の顔かわからない、とのこと、また別の説では
この製品は日本製で、海外輸出用に何となく西洋人ぽい顔を
デザインした、と書いてある。どうも要領を得ない。
“Needle threader”でウィキペディアの海外版を引いてみたら
「現在最も普及している針通しのデザインはビクトリア朝のイギリスの
もので、プレート部分にスタンプされているのはビクトリア女王」
とあった。しかし、これもどうも全てにおいて正解ではないようで、
インディアン風のものとか、ローマ兵みたいなものもいっぱい
出てくる。まあ、ただ日本で流通しているのはそれらの劣化した
デザインであることは確かなようである。

夕方、また気圧のせいで神経が不安定になる。
『幽』原稿のネタ本を読んだり、同人誌用原稿を書いたり、
ルナティック用書類の文章の原案を書いたり。

サントクで買い物して帰宅、調べものそれからずっと。
7時半からNHKニュースを見て、8時から『篤姫』見て、
9時からNHKスペシャル『病の起源』を見るというNHK漬。
『篤姫』を見ていると江戸城の主が篤姫であったような感じになる。
徳川慶喜も勝海舟も篤姫のために動いている。
そんなわけあるかい、と思うが、こういう描き方だからこそ
高視聴率がとれるのだろう。

昨日の残りのビーフシチューでまたフーフーもどき、
それからイワシの山椒煮などの惣菜。
今日は料理せず。
ビデオで『不知火検校』、斎藤一郎の音楽を聞くため。
これが現代音楽にも聞こえるシュールっぽい傑作。
この人、とにかく多作な人で、生涯(1909〜1979)に
330本以上の映画に音楽をつけている。1955年には一年に
22本(!)の映画に音楽をつけているんだから、人間わざではない
(まあ、弟子に作曲させて名前貸し、などということもあるかも
しれないが、しかしそれにしては傑作が多すぎる)。
加藤泰や三隅研次、それにこの作品の森一生などとのコンビで
有名だが、一方小津安二郎や溝口健二のような文芸派とも
仕事をしているという、間口の広さは凄いものがある。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa