裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

日曜日

ぱんぱん物語

ウォルト・ディズニー、進駐時代の日本を描く。

※原稿不捗 週刊新潮インタビュー

夢・その1 地方の古文書展示館のようなところに、
平将門の資料を見になをきと一緒に訪れる。
そこで展示されている、輝く石に埋まった状態の文書を見つけ、
何とか読むことが出来ないだろうかと館長に申し出て許諾を
得る。私が助手(茶髪でバリバリ大阪弁の若い女の子。なをきでは
地味だというので途中でキャスティング変更になったらしい)と
その文書を取り出そうとすると、政府の役人が突如立ち入ってきて
文書を取り上げようとする。どうも政府は、時の政府を転覆させる
力がこの将門文書にあると考えているようだ、というもの。

夢・その2 さっきの夢で途中降板させて悪いと思ったのか、
こっちにもなをき出演。熱海の古い温泉宿泊施設で、SF大会の
ような宿泊イベントが開かれている。なをきもそこに参加して
おり、私と一緒にトークをすることになっている。私は仕事の関係
で宿泊せず、二日目の朝に直接会場入りすると、なをきが顔を
洗っているところで、ヒゲソリを忘れたという。じゃあ買ってきて
やるよ、と、隣の売店に行くが売り切れ。その隣に古道具屋が
あり、そこのお婆さんにヒゲソリがないか、と訪ねると、
なにしろ古道具屋なので、大正時代のヒゲソリセットなどを
持ち出してきて話にならない。やりとりをしていたら、
婆さんの孫娘らしき子が奥から店に出てきて、私の顔を見て、
「あ、この人知ってる! 雑誌に奥さんとコンビでグロなマンガ描いて
いる人だ!」
と言う。

朝8時起床。
9時15分朝食、リンゴ、イチゴ、カブのスープ。
日記つける。
庭につもった昨日の雪、日記つけている間にもみるみる
消えていく。

ちょっとモヤモヤ気味の体調。
ベッドに寝転がり、『評伝・菊田一夫』読了。
小林一三が生前、ロンドン視察以降目標としていて、
菊田一夫もその実現を模索していながら、ついに実現しなかったのが
ミステリ・ドラマであったというのが興味深い。
芸術座のこけら落としはミステリ劇になるはずで、
某作家に脚本を依頼したが出来が悪く、いろいろあった結果、
山崎豊子の『暖簾』になって、それが当たったために、
日本の演劇界にミステリ劇が根付くチャンスは失われてしまった。
この某作家とは誰か、たぶん江戸川乱歩あたりだと思うが、
芸術座こけら落としのその年に菊田は乱歩の『パノラマ島奇譚』を
日劇でミュージカル化して上演している。
これは、ミステリ・ドラマを芸術座にかけられなかった、
その埋め合わせであったのだろうか。

昼はウナギ弁当を食う。
オバマ氏がニュースでしょっちゅう出てくる。
つい、海原オバマ、コバマなどと口走るが、
ネットで検索しても、さすが元ネタが古過ぎるのか300件くらい
しか出てこない(オバマ利得だともっと出てこない)。
もしオバマが大統領になれば、私の人生で初めて、
アメリカ大統領が自分の年齢を下回る、ということになる。
初の黒人大統領というより、個人的にはそちらの方が
感慨深いような気がする。

書かねばならぬ原稿多々だが、どうもその気が乗らない。
私は仕事モードの中でしか仕事の出来ない男で、
多忙な中を割かないと新しい仕事にもかかれない質なのだろう。
ここらへん、自分自身に超多忙を課していた菊田一夫も、
そんなタイプなのじゃないかと思われる。
忙しい、忙しいと口にするのは、自分への叱咤なのである。
人はそういう人間をさして“多忙を誇っている”と陰口を
言うが、実は暇を利用するのが下手だというだけの話なのである。
いや、菊田天皇とわが非才を比較するのはお恐れ多いと判ってはいるが。

サントクに買い物に出た程度で、今日は一日中籠りモード。
夕刻から何とか原稿にかかる。
コチコチという感じで進むことは進む。
実際、面白いものにはなるという目算は立つ。
ただし、まだテンション上がるという感じではなし。
8時、『篤姫』見るともなく見ていたら電話、週刊新潮。
これも“ピュア信仰”の件で。
ツバをつけたのは週刊朝日であるが、あれからいろいろメモなど
するうちに、さらにいろいろ語りたいことが出てきたので、
1時間ほど説明して。かなり興味持ってもらう。
こっちも新しい情報を得られた。へえー!
原稿執筆はそこで機鋒を折られた感じだが、しかし、この
電話のおかげで、今日という日にあったダラダラ感が払拭された
感じがして、嬉しかった。

明日朝が早いので、急いで夕食の用意。
イノシシ鍋、カニの酢の物。
蕎麦湯氷割、濃くすればうまいだろうとかなり濃いめの氷を
作ったら、酒が濁ってしまい、ちょっと失敗。
まだ試行錯誤状態だな。
12時過ぎ、就寝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa