裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

2日

土曜日

恵方ッ! いい男

くわえないか。

※アンドナウの会打ち合せ

朝8時45分、目が覚めるがまだ眠くて眠くて。
1時間朝食を遅らせてもらい、10時に起床。
朝食、コーンスープ、モンキーバナナ2本、Yくんの奥さんが
焼いた小型トーストに、バンペイユのマーマレード。

ゆうべイワシの丸干しを三尾焼いて食ったが、
翌朝部屋中がイワシ臭いのに閉口。
魚ではイワシが一等美味いと思うが、しかしこの臭いを
なんとかしないと、現代の家庭には受け入れられまいなあ。

某企画に手を入れる作業、すすまず。
ああでないこうでないと。
1月がこうもあっと言う間に過ぎるとは思ってもいなかったので
あせりが先に立つ。
メモをもういちど取り直すところからはじめる。

日記つけ、腹が空かないので昼は延ばして、3時ころ。
レトルトのカレーライスに目玉焼きを載せて。
倖田來未の“35過ぎると羊水が腐る”発言、元ネタはどこなのか。
彼女は『水は答えを知っている』信者で、キンスマなどでそれについて
発言している。トンデモであることはどちらも同じだが、
前者は糾弾され、後者は“さすが言葉を大事にする倖田來未さんらしい
発言で、ますます好きになりました”などと、番組を見た人のサイトで
書かれていた。同じトンデモ説でもこの差別がある。

そう言えば文部科学省が日本人の6割が科学技術に興味を
持っている、というデータを出してきたが、この倖田來未の
『水は答えを』発言がテレビでされたとたんに、ネットでの
この本の売り上げが急増したというような話を聞くと、
その、一般大衆が興味を持っている科学技術の中には疑似科学も
だいぶ入っているとしか思えない。

トンデモというのは詐欺と同じで、心の隙間に入り込む。
科学的知識はその完璧な防御壁にはなり得ない。
科学者でトンデモの世界にはまりこんだ人間はいくらもいる。
詐欺師(ホンモノ)に聞いたことがあるが、
「自分は頭がいいから絶対正しい」
と思い込んでいる人間ほど、だましやすいものはないし、
そういう人間はプライドが高いから、自分がトンデモにはまっている
とは決して認めず、そのトンデモを正当化するそうだ。
つい至近にその手の典型的な例を目にしたばかりなので、思いだして
げにもと膝を叩きたくなる。

4時、バスで渋谷。子供連れで大混み。
しかし今の子供はおとなしい。
われわれの子供のころというのは大勢でバスなどに乗ろうものなら
泣くわ喚くわ、それはうるさかったものである。

渋谷について、まず東急ハンズで買い物いろいろ。
やっと寝室の灯の麦球を買う。
麦球なんて切れても別にどうでもいいのだが、
何故かこれが切れているとリモコンによる消灯が利かなくなる
のである。

事務所で仕事少し、と思ったが雑用で時間過ぎてしまう。
あわててタクシーに飛び乗って、東新宿、幸永。
アンドナウの会打ち合せ。
IPPANさん、しら〜さんに談之助さん夫妻も。
ユウトくんがぐっすり寝込んでいる。
よくこんな騒がしいところで寝られるね、と言ったら
「焼肉屋にはなれてますから」
まあ、八起寄席などやっていればそうだろう。
乾杯したあたりのところで、背中合わせのところに座って
いた家族連れの奥さんが挨拶してきて、
「Mの家内でございます」
と。驚く。偶然だったらしい。挨拶して、
「ああ、危ないこと話してなくてよかった」
と言ったら吹きだしていた。
いや、まったく、顔が変に知られているので、外で滅多な
ことはしゃべれなくなってしまった。

極ホルモン、豚骨たたき、桜ロースにスライステールといった
定番モノ。ついこないだもネイキッド近辺の幸永で食べたばかり
だが、しかし、やはり幸永は本店に限る。
肉の味があきらかに違う。切り方などのせいか。
IPPANさん言うには、支店だとスライステールも厚切りに
なってしまうとのことだし、談之助さん曰くには、豚骨たたきの
たたき方も本店がベスト、とのこと。

打ち合せ事項は主にロフトでのイベントのこと。
なんと先月は私はロフトには本店・支店含めて四回も出演している。
これでは来るお客さんもたまらんだろうということで、
せめて月二回くらいをペースにしようと。
とは言い条、次から次へと“あれやったらいいのではないか”的な
アイデアが出る。
談之助さんのやっている新橋の方とも、いろいろジョイント
してみたい。

さんざ食って飲んで、〆の冷麺まで食べて、ホッピー三本も
やって、お開き。IPPANさん、談之助さん夫妻は帰ったが、
しら〜さんが“もう一軒行きましょう”と言うので、
下北沢へ。虎の子に電話したらまだお客がいっぱいというので、
近くのバーで、ということで、茶沢通り近辺のあたりを
うろつく。そしたら、またしても
「カラサワ先生!」
との声。顔は記憶していなかったがアーバンフォレスト関係の
人らしい。
「これから大友恵理と、いくどんで肉食べようってことになって」
とのこと。合流したかったが、なにしろさっき焼肉しこたま
食べてきたところだったので、よろしくとのみ伝えておく。
しら〜さんと
「まったく、これじゃ浮気も出来ませんわな」
と笑う。まあ、芝居やっているものがシモキタでは、こそこそした
ことをやる方が馬鹿である。

こじゃれた感じではあるがそこは下北沢で、大衆的なバーで、
レッドアイなど飲みつついろいろと雑談。
酔っているからいいや、と気を大きくして、
「今のままでと学会はあと10年はやっていけるだろう。
問題はその後だよね」
と、少し妄想も混じった構想を話す。

タクシー相乗りで帰宅、遅いと思ったらまだ11時半。
しかしさすがにこれ以上はアルコール入れず、
ベッドにもぐりこんで読書。
トリビアものの洋書。テーマが面白いので酔眼でも案外すらすら読めて、
コラムのネタ拾いが出来た。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa