裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

8日

金曜日

とりあえずBLね!

リバ属性で二本、急いでね!

※パチスロ必勝ガイドNEOコラム 清流出版打ち合せ

朝8時半目覚める。
“寝疲れ”を感じるようになった。
さすがに長寝にも飽きてきたか。
寝床で書評用の本、読み始める。
まだ前半三分の一しか読んでないので予断を下したくは
ないが、何か既にして“?”な感じ紛々。

9時15分、朝食。
イチゴと伊予柑、カブのスープ。
自室で日記つけ、それからパチスロ必勝ガイドNEO原稿。
『マッハGoGoGo』について。
パチスロ誌ということで私が書くことを意外に思う読者もいると
思うが、何か私家版『アニメ夜話』をやっているような、そんな
感じの仕事で楽しい。

昼食、母の弁当。牡蛎佃煮。
2時半、原稿書き上げてメール。
ひさびさにストレッチやったら、全身が賦活されたみたいに
汗が吹き出てきて、気分がハイになったのに驚く。
タオル使いながら意味なく笑いだしたり、この
狂騒的興奮は何だ?

3時半、家を出て地下鉄で九段下。
俎板橋の清流出版打ち合せ。
ストップしていた梅田佳声自伝の執筆再開の打ち合せ。
こちらの勝手な多忙で一年以上執筆を引き伸ばしていたので
叱責受けるかという覚悟で行ったが、温かく理解して
いただいたのにホッとする。
「なにしろ、書き下ろしより原稿料仕事をとれと社長がうるさく……」
「東文研の社長さんってどういう方なんですか」
「家内ですが」
と言ったら、ここの社長が手を打って大笑いして
「いや、同じ社長業としてよくわかります」
とのこと。バーバラと打ち合わせてスケジュールを再確認する
ことにする。

出て、バーバラの出版に関する個人的な相談で喫茶店でしばらく話す。
こっちの相談もする。企画二つ、どちらも“いいのでは”という
感触がある、と言われる。特に一本はタイトルだけで読みたくなる、と。
内容は非常に意地悪、というかブラックなものであるが。
某雑誌見せてもらい、某女性の老けたことに驚く。

5時過ぎ、靖国通り沿いの『ランチョン』でオノも加わり、
打ち合せ兼食事会。今月はもうスケジュールギチギチ状態だが、
さらにそこにもう一本、緊急に詰め込むのである。
まあ、どんなキツキツな仕事も、予定段階では
「ま、大丈夫じゃないっすか」
になるわけで……。

オノはこのランチョン初めてだそうだが、牡蛎のチーズ焼きの
美味さに驚嘆していた。話題尽きず、あの人の話、この人の話。
アレは実はなかなかいいタマである、というようなこと。
7時ころ、マドも来て、ビール、ワイン、日本酒とテーブル上に
乱立。ビーフシチューで飲む日本酒熱燗、最高。
洋食には実はワインより熱燗が合うというのが私の持論。

さんざ温まって店を出たが、外は凄まじい寒さ。
驚く。もう一軒、〆はソバだ、と知っている店に案内するが、
何と跡形もなくなっていた。油断できないなあ。
仕方なく、へぎそばのこんごう庵へと向かうが、ここは案外広い
店内がいっぱいの満員。じゃあ、と、初めてだったが
その斜向かいの『満る賀』へ入る。
一階の奥の席が空いていた。
店構えからランチ中心の店で、酒は期待出来ないだろうと
思っていたのだが……焼酎の蕎麦湯割を頼んだら、
「熱いの? 冷たいの?」
とお母さんが訊いてくる。
「蕎麦湯割で冷たいのってあるの?」
と訊き返すと、なんと、ウチは蕎麦湯で氷を作っている、
という。へえ、と驚いてココロミてみる。
最初は普通の水割りぽかったが、次第に氷が溶けてくると
甘く香ばしい蕎麦粉の香りがほのかにただよってきて……美味い!
こういうのに、偶然入った店で当たると嬉しくなる。
ネットではこの店、蕎麦は平均点というあたりらしいが、
〆にざる蕎麦を頼んで啜ってみるに、うちのマンションの蕎麦屋の
蕎麦に蕎麦粉は使われているのだろうか、と思うくらい、蕎麦の
香りも出汁も濃厚で、涙が出た。

出て9時45分、もうみんなこの時点でかなりの酔い方で、
万歳三唱に送られて私は都営新宿線、新宿から丸ノ内線。
まだ帰宅したときで10時半という時間。
ベッドに寝転がって、小幡欣治『評伝 菊田一夫』(岩波書店)
読みだす。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa