時を越え、ギョウザにメタミドホスを混入させに……。（作・横山光輝）

※アスペクト仕事場撮影　週刊朝日取材　大和書房打ち合せ　書評委員会（ふう）

例により夢。オノ、岡っちを連れて取材仕事。
湖畔のホテルで長澤まさみ主演のドラマの撮影が行われている
のだが、行ってみると演出家のご機嫌がすこぶる悪く、
長澤まさみに悪口雑言の限りをつくしている。
ホテルのロビーには、長澤ファンらしい三人組のデブオタクが
いて、何かわれわれを関係者と思って話しかけてきてウザい。
困っていると、ホテルのスタッフがやってきて、三人組が
撮影隊のＴシャツを盗んで入り込んでいる、と言って、
グズグズわめく三人を追い出し、ホッとするというもの。

朝、９時ころクリーニングのご用聞きで起こされる。
９時１５分、朝食、伊予柑、イチゴ。イチゴ凄まじく甘し。
それとニンジンスープ。

１１時半ころ、家を出てタクシーで事務所。
１２時１０分前にころに到着するが、もうすでに入口で
アスペクトのＫ瀬さん、来ていた。
アスペクトの仕事本のオビ写真撮影。オノとちょっと仕事場を
整理する。

カメラマンさん、装丁のデザイナーさん来て打ち合せ。
いまはバーバラに仕事場として使わせている第二書庫で、
本棚と本棚のスキマにカメラマンさん、はさみこまれるような
格好で苦労しながら撮影してくださった。
ちょっと動くたびに本の山が崩れたり、棚からボサボサと
本が落ちたりで、大変。
カメラマンさんは若い人だが、最近珍しい、デジカメでない
フィルム撮影。デザイナーさんの指示かもしれないが。

１時に東武ホテルでインタビューなのだが、五分遅れくらいで
終了し、あわてて駆けつける。
週刊朝日Ｙさん。
『スパモニ！』で私が発言した“ピュア信仰”という言葉が、
Yahoo!検索ランキングの急上昇ワードに取り上げられているという。
Ｊ−ＣＡＳＴニュースで引用されたということが大きいようだ。
“ピュア”の現代的定義、自己啓発にハマるアーティストたちの
ピュア指向と、その広がり、７０年代のヒッピームーブメントや
８０年代のニューサイエンスブーム等からの影響について、なぜ
“きれいな結晶を水に作らせるきれいな言葉”にこだわる彼女が
“羊水が腐る”という、最も汚い言葉を使ってしまったのかという理由、
最後に、実はネットで倖田來未を叩いている人々もピュア信仰の
無意識な信奉者であろうということなどを話す。
「家にあった倖田來未のＣＤを全て壊して捨てた」
という、某ネット日記にあった発言に代表される過剰な反応
（それが事実であるにせよないにせよ）は、単なるモラルによる
怒りではない。あきらかに、自分にかかった穢れを払いたい、
というピュア信仰のなせる業なのである。

Ｙさんが言うには、先日、某カリスマダンスグループのメンバーを
取材した折りにも、やはり彼（自己啓発セミナーハマリ）が、
呆れるほどピュアピュアピュアピュア繰り返していたそうだ。
私曰く
「ヒヨコ化現象ですねえ」
と。話はずんで、一時間みっちりインタビューされた。

一旦事務所に戻り、３時、マンション下のベラミまで。
大和書房Ｎさん。いま進んでいる（いや、遅れている）本の原稿の
アガリ予定について、それから、次の段階での本の話など。
Ｎさんがヘッドハンティングされた出版社というのが意外も意外な
ところ。本人も
「何で私を」
と言っていた。そこと私の関係などを話す。

雪が、小雨になったりまた雪に戻ったりという感じで
降り続く。事務所に帰ってオノとスケジュール等打ち合せしているうち、
今日が朝日新聞の書評委員会の日だと気づく。てっきり明日だとばかり
思っていた。あわてて５時半、タクシーで京王プラザホテル。
大江戸線都庁前駅から乗って、築地市場前。
朝日新聞書評委員会。今の時期はみなさん忙しいようで、
出席者の数がこれまで私が見た中では一番少なかった。
会議室の机が五角形に並んでいるのに笑う。
にも関わらず、希望本の落札はかなりの乱戦模様。
半分くらいの収得に終わる。
担当のＫ藤くんにチェックしたゲラ渡す。

終わった後、書評担当スタッフの皆さんたちと『アラスカ』で雑談。
巽孝之氏と業界の有名人（いろいろな意味で）について話す。
こないだ巽夫妻とは芦辺拓夫人のピアノ演奏会で会ってちょっと
挨拶交わしたが、その後巽夫妻に知らないおばさん連れが声をかけ
「ちょっと、アナタがいま話していた人、テレビ出ていた人じゃない？」
と詰問されたそうな。

１０時、ハイヤーで送られ帰宅。
サントクで焼酎類を仕入れる。
マンションの通路で母に会い、
「あまり飲みなさんな」
と注意されて苦笑。ホッピー飲みつつ、メモ類、メール類整理。
ＢＧＭがわりにＤＶＤで『２００１年宇宙の旅』を流しているうち、
気になって『怪獣ゴルゴ』に替える。『２００１年』でフロイド博士
を演じているウィリアム・シルベスターは、『怪獣ゴルゴ』で、
ビル・トラヴァースと共に、ゴルゴを捕らえてロンドンに連れてくる
主役二人組を演じているのである。言われないとちょっと気づかないが。
その後もいろいろＤＶＤやビデオ類をザッピングして、就寝１時半。