18日
火曜日
ツァラトゥストラ郭語りき
「いやあ、郭がいた頃のドラゴンズの勢いってのはさ……」(ツァラトゥストラ・談)
※朝日新聞書評&コラム 企画原稿
寝床の中で読書、8時半起床。
入浴して、9時朝食。
母にYくんのDVDと、『白い巨塔』のDVDを貸し、
ついでに某氏へのお歳暮を見つくろって送っておいてください
と頼んでおく。
自室に戻って日記つけなど。
正月の飲み料の黒ホッピーが箱で届く。
焼酎はいつものファンのMさんから届いたものがあるが、
これをホッピー割にするのは流石にもったいないので
別に仕入れる。
某AVメーカーのパーティお誘い。
AVギャルに囲まれてヤニ下がるのもたまには悪くないか、と
思って出席の返事を出したが、AVメーカーだからてっきり
夜(もしくは夜中)の開催だと思っていたら、2時から4時まで
という超健全な時間であった。
ラジオの出演とカチ合うし、その日は(こないだテレビ収録で
ご一緒した)清水崇監督の新作試写のお誘いもあり。
たまにしか無いことなのに、つくづく女に縁がないなあ、と嘆じる。
昼はゆうべの鴨鍋の汁でうどんを茹で、釜揚げにして食べる。
鴨の脂がうどんにからんで、コクがあって美味。
ニュース見るに、佐世保の銃撃事件、アメリカ並の無差別乱射時代
到来かと思っていたら、いかにも日本風な無理心中の疑いが
濃くなってきた。そう言えば大島渚に『無理心中・日本の夏』って
わけのわからない映画があったな。あの映画にも無差別乱射事件が
ストーリィにからんで出てくるが、犯人は白人青年だった。
大島の先鋭を以てしても、1967年当時に日本人が銃を乱射するのは
リアリティがなかったのであろう。
事務所へ行こうと思ったが、風呂の湯を沸かしっぱなしにしてしまい、
捨てるのがもったいなくなって、足湯につかってマンガ読んでたら
眠くなってしまって、昼寝。結局、タイミングを逃す。
足湯読書はコンビニで買ったハローバイバイの関暁夫のコミック
『都市伝説―信じるか信じないかはあなた次第』(竹書房)。
ブッ翔んでるなあ。ブルネイの国王が、マドンナとマイケル・
ジャクソンとプリンセス・テンコーを呼んでたった一人のための
コンサートを開き、ギャラとしてマドンナには宝石、テンコーには油田、
マイケルには鉱山を与えた、とか。マドンナだけ安過ぎないか?
昼寝から起きて原稿書き。
書評原稿、行数調整したものと、一本、インパクト考えて書き直し
したもの。あと、すでに通っているものも、ちょっと単語を
わかりやすくして。
途中、NIFTYがつながらなくなり、あせるが、やがて重いが回復、
順次軽くなって通常に戻った。
他の書きため原稿、カリカリ。
8時過ぎ、サントクで買い物し、9時半ころ切り上げ。
アサリ(なかったので小ハマグリ)と豚肉のワイン蒸し。
パクチー入れてアジア風に仕立ててみる。
ワインの酸味がかってしまって、ちと不出来。日本酒の方が
よかったな。
DVDで刑事コロンボ『二つの顔』。
(以下、ネタバレなので未見の方、用心を)
しかしマーティン・ランドーというのは濃い顔である。
レナード・ニモイも濃い顔だが、ランドーはさらに濃い。
こんな濃い顔の二人が共に『スパイ大作戦』でどちらも変装の名人役を
やっている(ランドーが降りたのでニモイが代役に抜擢されたのだが、
ニモイは友人の役をとったようでイヤだったそうだ)のがテレビのウソ、
である。誰が見てもランドー、もしくはニモイなのがご愛嬌なのだが、
一目で変装とわかる濃い顔だからこそ、テレビではそれで見分けが
つくのである。
そんな役で人気の出たランドーだからか、今回は双子でありながら
まったく性格の違う二人、を演じ分けている。
双子の兄弟のどちらが犯人か、コロンボシリーズにおける
初めてのフーダニット作品ということだったが、
フーダニット式の演出にもうちょっと力を入れて欲しかった。
容疑者が双子なので、犯行時に視聴者に顔を見せていてもどちらが
犯人か決め手がない、とはいえ殺人の凶器が電気泡立て器。
料理評論家の方が犯人(実行者)、と視聴者には丸わかりである。
しかも、解説の石上三登志氏が原語版をおすすめしているように、
この二人をランドーはかなり演技を変えて演じている。
視聴者にとってはまるで“フー”の意味がない(日本語版の
滝田裕介がそれほど声を使い分けていないのは、そこらの
謎を強調しようとしてのことだろうか?)。
せっかく、ミステリとしてはアンフェアぎりぎりな双子ネタを
使っているんだから、コロンボがもう少し、二人を顔がそっくり
なのでとっちがえる、というような演出があれば、“フー”の
興味がもう少し増したと思うのだが。
しかし、コロンボには老人が若いかみさんを持つ話が多い。
『ヒッチコック劇場』もそんな話が多かった気がする。
ミステリにしやすい状況なのか、アメリカ人の男性の願望なのか。
今回、若いかみさんを持ったが故に殺された被害者役はポール・
スチュワート。『キッスで殺せ』で、カリスマ的なギャングのボス
をやっていた俳優。パッケージ裏の石上氏の解説によれば
オースン・ウェルズの一派だそうで、調べてみたら確かに、
マーキュリー劇団の最初期からのメンバーであった。
名悪役俳優として6〜70年代には数え切れないほどのテレビ番組
(『鬼警部アイアンサイド』、『スパイ大作戦』、『署長マクミラン』、
『探偵キャノン』、『エラリー・クイーン』、『鬼探偵マニックス』、
『ロックフォード氏の事件メモ』……)に出演、ハンナ&バーベラの
アニメの声までやっているという多忙ぶり。ウェルズゆずりの
多才で、これらのシリーズのうちには彼の監督作品も多い。
働きすぎか、86年に心臓麻痺で死去。
実際のスチュワートは、若いかみさんを持つこともなく、
劇団がラジオ番組(例の超有名な火星人襲来事件を起こした
『マーキュリー・シアター』)を持った時に知り合った、
声優で歌手のペグ・ラセントラと、彼の死去まで40年以上、
おしどり夫婦で連れ添っている。
ニュースで町村官房長官のUFO存在論力説を読んで笑う。
この民主党の山根議員は以前にも麻生大臣にUFOの存在を
質問しており、その模様は『新・UFO入門』でも紹介
している。町村氏の“絶対あると思う”発言はなかなかGJ。
これでなくては面白いトンデモ説を楽しめない。
K子に明後日の忘年会兼あのつくん上京歓迎会の待合わせ
場所等確認、1時ころ就寝。