2日
日曜日
G線上のうぉりゃー!
「作曲魂が燃えてきたぜーっ!」(バッハ・談)
※『アストロ劇団ワールドエンド』千秋楽
朝9時27分起床。
案外軽く目覚められた。まだ若いわい、といい気になったが
しかし喉はガラガラである。
熱い湯に入浴して、湯気をたっぷり吸い込んで吸入がわり。
10時、朝食。
長野のヒコク氏から到来のリンゴ、ブドー。
メールで某マイミクさんから、パンパンこと八幡薫が
うわの空一座を退団したことを知らされる。
彼女が以前所属していた(渾名の由来になった)劇団、
パンパンピストルズは非常に完成度の高い、いい作品をかけてくれる
劇団だったのだが、その完成度にこだわったせいか、
主催者がスランプに陥ったとかで活動を休止してしまった。
またパンパンピストルズの芝居が観たいなあ、と(真剣に)思う。
簡単な日記のみアップし、11時半、出宅。
丸ノ内線で東京まで。昨日の財布に引き続き、今日は定期入れの
中にsuicaが見つからず、あせる。財布の名刺入れの中に
あった。酔うとホントにこれである。
楽日にして初めて東海道線に乗る。
なるほど、さすがに早い。17分で川崎、劇場(こや)入り。
キオスクで朝日新聞買い、私の書評を確認。
眠くて、舞台上のセットの段の上で買った新聞をかぶって
寝ていたらハッシーに
「えらい人なのにルンペンにしか見えない」
と言われた。
私だけではなくみんな公演中はオマツリらしく、午前様人間
続出、かなりナオシのときはグダグダ。
従業員用休息室で塩カルビ焼きそばをまた食っていたら
テリーが入ってきて、
「唐沢さんと社食って似合わねー!」
と言われる。実は好きだったりするのだが。
楽屋で祐季のお母さんが、
「『Qさま』見ました」
と言ってくる。
「あれはもう、扱いに腹が立って超いいかげんにやって帰ったんです」
と言うと、それが逆に面白かった、と。祐季は普段会っている人間が
テレビに出ている、というのでちょっと混乱していたらしい。
あと、廊下でハッシーとちょっと来年の話。
3時半、いよいよ最後の舞台。
さすがに、満席である。
袖にスタンバイしていたとき、一緒にスタンバっていた
テリーに、ちょっとセリフのアドバイス受ける。
それに従ってやったら、これまでで一番大きい受けが来た。
効果あらたかなのに驚く。
プロは違ったものだなあ、と思う。
と、いうより、それを的確にアドバイスできるテリーの能力か。
人のアラは素人でも気付く。
じゃ、それをどうすればいいか、のアドバイスはプロにしか出来ない。
他の場面もみんなバンバン受ける。
特にお肉くんが前身タイツで出たら、そのタイツのチャックが壊れて
お腹の部分がパックリ開いたときは、さしものハッシーが吹いて
芝居が中断してしまった。
maimちゃんと乾ちゃんのデュエット、次第に乾ちゃんが
上手くなっていって、最初の“ドヘタな歌”というインパクトが
薄れるのではないかと心配。
ゲストは久保広宣。
その爆発力といいインパクトといい気の抜け方といい
全回のゲスト中最高。
オノも受付仕事を放棄して見に行ったらしい。
満場爆笑の渦というか、われわれ袖で見ていてもひっくり返りそう。
悪いが今回の芝居、この回に来なかった人は凄まじくソンをしたと思う。
最後もバッチリと決まった(気がする)。
最終回が一番出来がいいのは嬉しいが悔しくもある。
なぜこれが最初から出来ないか、と。
最後の客出しの挨拶で、ハッシー、祐季がもやしの弟であることを
バクロ。場内の女性が“え〜っ、カワイイ〜”と声をあげる中、
“カワイソ〜”と言った人がおり、もやし、それをひろって
「誰だ! かわいそうと言ったのは!」
と突っ込んで笑いをとっていた。
終わって、舞台上でみんなと写真撮影など。
握手を求めてきたファンもあり。
あやさん、バーバラと京香ちゃん、それと名雪さんも来てくれていた。
しら〜さん、rikiさんも。
rikiさんに至ってはこれで三回目である。
目的はmaimちゃんだが。
バラシに入る。見たら、芝居に使ったストレッチャーの上に、
鶴岡くんが、背中に氷を当てて横たわっている。
今回、激しいダンスのシーンがあり、それで腰を痛めたようだ。
柱のセットの移動などを手伝って、台車に乗せて地下の駐車場まで行く。
テリーや岡っちたちがトラックに積み込んでいる。
トラックのリフトにみんな乗って、子供みたいにはしゃいでいる。
私も乗せてもらった。テリーが台車の上に乗って、リフトを
おろし、“♪ちゃっちゃかちゃー、ちゃかちゃっちゃちゃっちゃか
ちゃっちゃっちゃー”と、サンダーバードのテーマを口ずさみ
ながら、地上に着くとリフトがちょっと斜めになって、自動的に
台車が路上にすべりだす。子供時代だったらもう、狂喜する
仕掛けであろう。
人数が多いので、途中でバラシ抜けて、オノと公演後のスケジュール
打ち合わせ。12月中盤までが凄まじいつまり方。
ハッシーは舞台の途中で転んだ足がかなり痛むらしいのと、
喉をやって、声がひどいことになっていた。
はれつ氏も来て、オノ・マド、しら〜さんらと、第一陣で
打ち上げ会場の北の家族へ。
しばらく雑談で待つうち、みんな三々五々。
鶴岡くんも元気になってやってきたので安心。
やがてハッシーも来て、乾杯の音頭。
受付をいつもやってくれる舞ちゃんのかわいらしさにオノが
ごきげん。舞ちゃんの方もオノを気に入ったらしく、
何度もハグしているのを、ハッシーがうらやましそうに見ていた。
大村琴重ちゃん、乾ちゃんなどと話が盛り上がるうち、
正月にうちに来たい、というような話になる。
体力がかなり消耗。最初はこの打ち上げも、明日がつらいので
終電(1時半ころ)で帰ろうと言っていたが、岡っちたち
荷物搬出組が帰ってこないと、と思い、マドまで強硬にそれを
主張して、結局この店で夜明かしということになる。
岡っちたちが店に来た時点までは覚えており、乾杯もしたが、
その後前後不覚になって、会場の隅に言って、寝てしまった。
この段階で4時。目が覚めたのが6時。
驚いたことにハッシーの声がだいぶ回復していた。
役者は化け物であるな。
一本締めでお開き。
まだ暗い中、表へ出る。
ハッシーの足をいたわって、オノマドと四人でタクシー乗りあい
で帰ることに。府中のあたりで、競馬馬が暗闇の中、散歩して
いる(いや、もちろん調教師つきだが)のを見て驚いた。
車中、オノとハッシーのやり合い面白し。
ハッシー、あんまりオノのツッコミが激しいので運転手さんに
「運転手さん、後ろの席だけ切り離してください」
と言う。オノが真ん中の席だったので
「真ん中の席だけ切り離してください」
私が面白がって何か言うと
「すいません、訂正です、やはり後ろ全部切り離してください」
揚げ句がトドメにハンドルのあたりのぞきこんで
「ボタン、あるんでしょ?」
と。運転手さん、笑いをかみ殺すのに苦労していた。
オノたちを吉祥寺で、ハッシーを阿佐ケ谷でおろし、
新中野まで。私一人になったら運転手さん、
「さっきの人たちはお芝居の人たちですか」
と訊いてくる。彼は川崎の地域振興委員もやっているらしく、
いろいろ川崎へのグチも聞く。
「結局、最終的に人は横浜に行ってしまって、川崎は通り過ぎる街、
になってしまっているんです。もう少しお芝居とか音楽とか、
川崎でしか見られないものを定着させるのに力を注がないと」
などと真面目な話を。
帰宅してベッドに入る。
すでに7時半過ぎ。
考えてみれば、今日乗ったタクシーが値上げ前最後のタクシーだった。
※写真は舞ちゃんと仲良くなって嬉しそうなおっさんのオノ。