裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

26日

土曜日

ホセ・ハヤシラス

受けは省略。“ホセ・カレーライス”ってのは検索すると山のように出てくるので。

※ミリオン出版原作

朝9時起き。さして寝不足感はなし。入浴、朝食。ブドウとキウイ。昨日とは打って変わった好天。
今朝はテレビで例の光市母子殺人事件についての報道が多いので、『ぶらり途中下車』見ず。やはり弁護団ケチョンケチョン。庶民を守るはずの人権派弁護士がいかに庶民感情からかけ離れているか、という証明。所詮、彼らはナロードニキなのである。

部屋に戻り仕事、のつもりがやはりまず、YouTube。
http://www.youtube.com/watch?v=f2XQ97XHjVw&mode=related&search=
↑コーンスターチ・プール・ショー。難しく言うと“非ニュートン流体”と言う。

http://www.youtube.com/watch?v=PUWFpZ7DksI
↑女王様タイプ美人研究員によるゲーム機強度実験。

マイミクさんの日記に、加藤善博が死去していた、という報。驚く。
4月に亡くなっていたらしい。どうも、自殺である、らしい。ヨシヒロヨシヒロと読んでいたが、プロフィールサイトを見たところではゼンパクである、らしい。
http://saipro.net/profile_kato.html

顔と名前が一致しない、という方でも、伊丹十三の『お葬式』で、献花が終ったあとの棺桶の蓋を、一瞬にしてカンカンカンカン、と見事なカナヅチさばきで釘を打って閉じてしまう、あのシーンは思い出すのではないか。あそこで釘を打っていた、葬儀屋の助手役を演じていた人が加藤善博である。

死者と最後の別れをする家族・親族たちの感情の昂ぶりと、まったく対照的なプロとしての葬儀屋の技術。この映画のテーマでもある、祭儀の二面性を表わす重要なシーン。しかも、失敗は許されない、役者として大変緊張するだろう場面を見事にこなし、これ以来伊丹十三映画の常連となった。

ぬめっとした、どちらかというとハチュウ類的な役を得意としていた人だと思うのだが(『母娘監禁・牝』とか)、エッと思ったのは三谷幸喜・作(監督・中原俊)のディスカッション・コメディ『12人の優しい日本人』における、陪審員12号。

珍しく口ヒゲを生やした、軽薄な課長補佐。決して頭は悪くない(重要な証拠に気がつくのも彼)し、リーダーシップもある(逆に仕切り屋になってしまう悪癖があるが、本人もそれに気付いている)のに、なぜか重要視されないのは、ものごとに対し、必ずどこか覚めた目を持ち、あまり親身になってそれを考えることが出来ないという性格による。必死になって無罪・有罪を争うメンバーの中で、最もある意味客観的な立場をとっていた“現代日本的”人物を、加藤善博は見事に演じて、この映画の中で私的には最も印象に残ったキャラクターだった。1958年生まれ、私と同い年。こういう人の死は本当にこたえる。

昨日完成させられなかったミリオン出版原作、書き上げる。今回のテーマは“泣ける”猟奇なのだが、しかしシチュエーションは確かにお涙もの、とはいえ、殺人者になるには、やはりどこかで人間的に“ちょっとズレた”性質をみな、有していることを痛感。

昼は弁当。シャケの漬け焼きとキャベツ炒め。原稿完成して送ってもう3時半。新宿に出る。ハルクその他で食料の買い出し。

渋谷の事務所でいくつか雑用。メールで昨日の懸念事項をご相談。かなり素早く問題ナシとの返答あり、感謝々々。ネットニュースで、怪談話で中学生が過呼吸になり、病院にかつぎこまれたという記事が。
「京都府警宇治署などによると、堺市立三国丘中学校の教師と生徒計77人がバス2台で工場に到着(唐沢注・見学授業のため)したところ、男女11人が過呼吸の症状を訴え、救急車で病院に運ばれた。いずれも意識はあり、症状は軽い。生徒はバスの中で怪談話をしていたといい、不安感などで過呼吸になった可能性がある」
……これもかなり特異なニュースだが、ミクシィでこのニュースにコメントつけていたある主婦の方の体験がまたすごい。
※※
去年の秋、長女が学校で除霊活動して救急車で運ばれたのと一緒。
最近多い、って、救急隊の人はおっしゃってたらしいけど。
「気分が悪い」ならまだマシだと思うけど
ウチは
「まなさんが、霊にとり憑かれて救急車で運ばれました」
って電話が学校からかかってきたんだもんなぁ。やれんかったなぁ(遠い目)。
※※
“学校での除霊活動”というのが気になる。

6時半にマッサージ予約したら、7時15分からでないとベッドが空かないと言われ、ちょうど都合がいいので東急ハンズとパルコブックセンターで買い物。目的としていたものをほぼ全部、揃えられたのは流石。で、時間ピッタリにタントンへ。こないだ揉んでもらったときよりはるかにマシな状態。先生に“DSでゲームとかも出してるんですね”と言われる。それが肩凝りの原因で、とか言えばよかったか。

9時帰宅、料理の仕込み。岩塩を加えた湯にセロリ、長ネギ、ニンニク、ショウガも加え、ラムチョップの固まりを放り込んで一時間ちょっと、茹でる。ただそれだけ。その間に仕事しばし。

茹で上がったら、腐乳醤油、トウガラシペースト、ジンギスカンのたれなど、好きな調味料を用意して、小ナイフで肉をそぎ取りながら喰う。ビールが進むこと。香菜を用意し忘れたのが残念。

肉に飽きたら、残ったスープに味覇ちょっと、タモギタケを入れて、茹でたラーメンを投入して羊ダシラーメン。ンまいンまい。

ビデオで、『アテレコ〜テレビの黄金時代を創った「吹き替え」50年〜』を見る。博多の獅子児さんに頼んで録画してもらったもの。今朝見なかった『ぶらり途中下車』の滝口順平による吹き込みスタジオの様子が映った。声優が最初、ひどい待遇下での仕事だった、というエピソードはいっぱい出てくるのに、その待遇改善を訴えてのストライキ(1973年)の話がなかったのがちょっと不満。やはり制作が東北新社である故か。

過去の原稿など読みつつ、1時半就寝。昼寝もしなかったし、寝不足の割にはいろいろ動き回った一日だった。日ごろ寝だめが効いているからか。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa