裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

27日

金曜日

こっくりショー

こっくりさんこっくりさん、私はキムタクに似ていますか?

※『社会派くんがゆく!』収録

朝8時起床。入浴、9時朝食。アオマメのスープ、イチゴ。自室に帰り、気の重い連絡事項。連絡といっても、ただひたすらそれがとれないというだけ。会社に電話するが、他の社員もあぐねている感じ。結果として、向うの立場がその会社で悪くなるという状況にしかならない、と思うのだが、不思議でしかたない。

昼前に、やっと当人につながる。状況の説明は聞く。最悪の事態ではないらしいが、確認のため今日会いたいというと、明日以降にしてくれという。夕方に連絡するというが、果たしてどうか。心もとなし。

昼は母の室で鶏そば。そう言えば昨日言った中国飯店(ずいぶんストレートな店名だね)の昼の隠れメニューの鶏そばがまさにこの味。一杯1500円並の味なわけ。食べている最中に開田さんから母に電話、一乃谷から送ってきた蕗の薹味噌の唐沢家分を届けてくださるとか。聞いただけでノドがぐびりとなる。

『ピンポン!』で、マツコ・デラックスがいいことを言っていた。丸の内ビルディングを取材した後で
「まあ、取材させてもらってこのようなことを言うのもなんなんですけどォ」
と前置きして、
「六本木ヒルズも六本木のミッドタウンもそうだけど、どうしてこう、再開発したビルディングってのはどこも同じ作りになっちゃうのかしら。ファッションの店があって高級レストランがあってホテルと
マンションがついてて、みーんな同じ。再開発というくらいだから、いろんな企業がアイデア出しあっていると思うのにハッキリ言ってどこも区別がつかない。これからはもう少し個性を出すようにしてくれないと、みんなすぐ飽きてしまうわよ!」
と。まったく同意見。渋谷も、新楽飯店、キッチンハチローなどといった個性ある店を再開発でつぶした後は、まったく個性の感じられない、ただキレイな店、にしかなっていない。こういう店は十年もたないだろう。日本の都会は、どんどん“つまらない”町になっていっている。

某社の原稿でちょっと考えることあり、一部の表現を直して送り直す。いい歳をして、変にトンガルこともあるまいと思ったのだが、担当編集から、“しかしあの指摘はもっともな部分もある”との返事。では、出きるだけ元のバージョンで行くことにして、どこかからケンツクを食ったとき用に、改訂版は押さえで置いておくことにする。

3時半、事務所へ。小学館クリエイティブから、楳図かずお先生の復刊単行本解説依頼。送り先がわからずにK子のところにマンガのゲラ原稿とかを送ってしまったらしい。小学館クリエイティブには知りあいもいるのだが、違う部所なのかな。

4時、時間割。GWで休みかと思ったら開いていた。今年はカレンダー通りだとか。村崎さんと『社会派くん』対談、もう、今回は二人とも鬼畜度がさえ渡り、神が降臨したかと思うほど。担当のK田くんが何度も体を痙攣させて笑っていた。店の奥の方に、おばさまたちの団体がいて、その中の一人が“悪いのは絶対アメリカなのよ!”とか
おっしゃっていて、気になること。

6時15分、事務所に帰る。朝の例の人物、連絡やはりなし。会社に電話、かなり抑えてはいたが、状況を話して善処を訴える。某社某くん来ている。仕事ではなく、彼の叔母さんが私のファンなのだそうである。色紙にサインをして渡す。いろいろと雑談。例の話なども。

用事があるというオノを置いて、バーバラとTくんとメシ食いに出る。金曜なので混みあっているところ多い。『駒形どぜう』でドジョウ鍋、鯉のあらいなど。初がつおのたたき、初夏を感じる。雑談続き。弱いものいじめすると、ちゃんと別のところでカタキをとられるという実例を聞いて、苦い笑い。バカな親分の下にいると仕事を失う。私もいろんな人間の親分になっている立場上、考えることあり。河岸を変えて、英寿司、本店の方にいき、寿司をバクバク。11時半ころ、タクシーで帰宅。みんな、バカばっかりだ、と口にしながら布団にもぐる。

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