裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

20日

金曜日

cockの品格

さすがウタマロが描くとあれまで品格がある!

※社会派くん号外(完成せず)

朝、かなりの二日酔い。このまま寝ていたかったが、9時に朝食だし、と苦しみながら8時半に起き出して、シャワー使い、朝食を知らせる電話を待つが、9時半近くなってもいっかな来ない。電話をこちらからかけても通じず。そこでハッと思い出した。今日は母は用事で早朝から出かけるから、と言われていた。なら、早起きするんじゃなかった、と思うが、起きられただけいいか。朝食にはサンドイッチが玄関前に届けられていた。

その朝食(ローストビーフのサンドイッチ、ミルクコーヒー、ミカン)食べながらメールチェックなど。創出版Kさんからメール、岡田さんとの共著『オタク論!』、予約注文がかなり来ていて、まだ発売前で増刷が決定しそうなイキオイだとか。景気がよくて結構である。このところ、出した本がみな好調なのは喜ばしい。

景気よくない話も電話で。連絡がまたとれなくなった某氏、別のプロダクションとも連絡がとれなくなっているらしい。あちこちにこれで不義理することになる。心苦しい、というか、いい大人のくせにどういうつもりなんだかな。釈尊会のジャバ・ザ・ハット会長、小野兼弘急死の報をネットで知り驚く。やはりダイエットは大事か。

80年代のレトロ映像で、81〜83のCMの録画をずっと見る。懐かしいものあり、まったく記憶にないものもあり。大鵬製薬のソルマック工場を三波伸介が見学して、
「スカーッと満天パパ!」
というCMがあってよく記憶しているが、その年の年末に流れた正月バージョンのCMは渡辺文雄になっており、しかもスタジオ撮りの、ずいぶん簡単なもの。三波伸介は82年12月8日、心臓発作で亡くなっている。たぶん、正月バージョンももう既に撮影済みだったのが、急逝で、大慌てで差し替えになったのだろう。関西地区のCMもだいぶ収録されているが、震災前の神戸のレトロな街並みに涙が出る。

昼は新宿に出るが、朝のサンドイッチがかなり分量が多く食欲なし。新宿メトロ食堂街で立ち食い蕎麦ですます。事務所に出て、『社会派くん』銃撃事件号外を書くが、電話いろいろかかってきて、なかなか進まず。週刊新潮から、鈴木美潮さんのタクシー乗車拒否コラム騒動についてコメント求めらる。

8時、ついに放棄して帰宅。ピーター・カッシングとクリストファー・リーがナレーションを務める、『ハマーホラー&SF大全』のDVDを見る。これはナレーション収録時既に癌に冒されていたカッシングの遺作で、テレビ特番だったのだが、放映時にはカッシングはすでに亡くなっている。収録時の写真を石田一氏の本で見て、カッシングがもう、椅子にすっぽり体がはまってしまうくらい体が小さくなってしまっていたのにショックを受けたのだが、実際にナレーションを聞いてみると、まるでシェイクスピア俳優のような堂々としたイントネーションで、見事なナレーションを聞かせてくれている。プロだったのだな、と感服。もっとも、そこで紹介されるハマー・フィルムの内情は、こりゃどうしようもないね、と言いたくなる、典型的弱小プロダクションの経営苦労話。流行ればグロでもエロでも、というミもフタもないところが身上、という感じ。

酒は黒ビールとホッピー。エビのカクテル(風)と、鴨肉とモヤシの蒸し物をジンギスカンのたれで。

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