裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

18日

水曜日

進めイウォーク火の玉だ

帝国軍討ちてしやまん。

※『an-an』取材

朝8時起床。寒いこと。長崎市長死去。ご冥福をお祈りする。が、各新聞で
「テロは許さない」
といろんな人が言っているのに、ちょっと首をかしげる。報道を見る限り、この事件はキレた老人の起こした単なる怨恨犯罪で、“たまたま”その犯人が山口組系で、“たまたま”恨みをかった被害者が選挙活動中の政治家だったというだけの話で、テロではないだろう。

9時朝食、イチゴ、オレンジ、リンゴのヨーグルトサラダ、コーンスープ。母はいま、TBSのドラマ『砂時計』に大ハマリ中らしい。マンガをネットで全巻注文して、と頼まれる。

自室に戻り、いろいろネット、仕事。日記を書く。あたかも日本とアメリカの狙撃事件のことを書いていたら、『社会派くん』から号外原稿依頼。そっちの方に回すことにする。昼は焼きそば。

オノから、5月の東大での講義の打ち合せですが、とメール来るので驚く。まったく覚えていないというか、そういう話があったことも、何を話せばいいのかも、記憶からスポッと抜け落ちていた。メール数回やりとりして、やっと、そうか、去年やった講義の続きで、昭和30年代の諸文化につき話すのだった、と思い出す。能登旅行の前で目の前の原稿にテンパっていたときに来た仕事だったしな。

3時半、急いで家を出る。時間割で『an-an』編集部Nさん、ライターのIさん。
「私とan-anは似合いませんねえ」
と冒頭からフッたら笑っていた。

注文は恋愛特集の中の“世界の恋愛トリビア”ということだったが、話しているうちに(またお二人の反応がすごくいいので)ノってきて、文化人類学的というかデズモンド・モリス的というか、そういう
「人間と恋愛」
の話になり、世界の恋愛・結婚の慣習は狩猟民族型と農耕民族型に分かれる、なんて話を。あと、携帯というツールの発明で世界の恋愛・不倫の形が劇的に変わりつつある、という話。1時間半くらい、話している方も楽しくてつい、しゃべりまくってしまったが向うの満足する内容ではあったか?

インタビュー終って事務所に向かう途中、公会堂前の選挙公示ポスターを見たら、ちょっとピエール&ジル風味入ったというか、変なテイスト(ゲイっぽい?)のポスターを使っている人がいた。何年か前の都知事選のときも、似たようなポスターで話題になった人物がいたな、と思ったが、思い出した、宮崎喜文。このポスターは後で知ったが、『ラブ☆コン』のアートディレクターをやった飯田かずながデザインしたものだったようだ。今回のは誰か?(下参照)

事務所に帰り、メモつけなどいろいろ雑務。8時、雨の中を渋谷109前へ。某美女(こればっか)と待ち合わせて、前から行ってみたかった道玄坂の『老湯火鍋房』へ。同じ渋谷の火鍋でも『小肥羊』に比べるとオーソドックスな、まずまず上等の火鍋であった。

しかし、火鍋などはどうでもよく、その某美女の話、いや、彼女にとっては大事件だったのだろうが、あまりにアホらしくてのけぞって笑う。人生いろいろ、夫婦いろいろ。紹興酒大瓶、二人で二本あけてベロ。二件目は新宿に行ったが携帯忘れてきて、新中野までタクシー相乗りで行って、鍋横あたりで気がついてとってかえす無駄をした。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa