16日
月曜日
総長Tバック
親分の服装の趣味だから何も言えねえがちょっとなあ……。
※『文サバ』同人誌ゲラチェック 『アスペクト』原稿
朝8時30分起床。このマンションに引っ越してきた当時は毎朝7時に起きてちゃんと朝飯を食べ、8時25分のバスで渋谷の事務所に通っていたのである。それを思うと何と怠惰な生活になってしまったのか、と思うが、これは自宅のパソ環境が充実して、事務所のものよりよくなってしまったというのが最大原因であろう。
朝食はイチゴ、コーンスープ。服薬、小青竜湯(水代謝のため)、黄連解毒湯(血圧のため)、麻黄附子細辛湯(気力充実のため、しかし最近は頭痛止めのため)。林家正蔵(みんな日記に“こぶ平が”と書くのに笑った)脱税のニュース。私は本音で申せば、芸人へのご祝儀に税金をかけるのは野暮、と思っているのだが、まあ、彼の場合は派手にやりすぎて目立ったということだろう。幕末から明治にかけての名人、6代目桂文治は明治八年、芸人にも税金が課せられるようになったとき、
「やっと芸人も人間として認められるようになった」
と大喜びして、仲間の分まで払ってやって文無しになったが、それでも喜んでいたという話があるが、まあ、今は人間として認められなくていいから税金を払いたくない、という者の方が多いかもしれない。
雨、蕭々。肩がバリバリ。昼は母の室で天ぷら(エビとニンジンの掻揚げ)蕎麦。ミリオン出版Yくんから、メール。『三丁目の猟奇』売り上げが非常にいい数字なので、続編を、という話。以前からそれっぽい企画は出してあるので、じゃあ、と一決、とりあえず打ち合せの日程ツメ。
それと同じく続編の件、廣済堂に渡すデータまとめるうち、ちょっと疑問点出てきたので、問合せメール。そのあと、地下鉄で出勤。車中でミリオン出版のコンビニ本(裏ネタもの)二冊読了。
事務所、オノが今日は休みなので電話は私が取る。『文サバ』同人誌原稿赤入れ。うわ〜、ヤバい裏話を語っているなあ。赤入れるにも限度あり。どうするか?
それから、アスペクト広告誌『アスペクト』用のコラム。アンナ・ニコル・スミスの夫だった大富豪ハワード・マーシャルについて。
雨にもかかわらずいろいろ仕事はした。7時15分、まだ降り続く中、タクシーで参宮橋。某美女とデート。とはいえ、端っから(落ち合って歩き出す間にもう)凄まじいディープなある情報について話しあう。11時半くらいまで、もう、ドツボな話で盛り上がること。どういうんだろう、鬱的な躁病状態というのか。めったに人に話せぬ情報の共有がお互いをハイにするのか。人間はそれにしても弱い動物だ。ちょっと力の強い人間、声の大きい人間に、簡単に服従し、洗脳されてしまう。あんな人間が何も、と思うような相手にも。
仕事の話もちょっとする。他の人にまかせようか、と思っていた仕事に彼女、私の方が適任ですよ、と主張。結婚以来のほほん、かと思ったら意外にハングリー精神を捨ててないのに感心。
で、入った店というのが参宮橋の『でん玉』。寒いのでおでんにしよう、と提案したのだが、これがホルモン焼きの『無愛想』の隣。以前、『無愛想』がまだ居酒屋だった時分に、そこの付属のカラオケボックスだったところ。まだブレイク前の山咲トオルがそこで松田聖子メドレーを歌った記憶もある。
居酒屋がチェーンの方針変更でホルモン焼きになり、なじみだった板前さんがいなくなった後、足を向けていなかったが、この『でん玉』、見たら“おかげさまで十周年”という札がかかっていた。十年、ここらに飲みに来ていないということか、と時間の立つのの早いのに驚く。
雨の中、別れてタクシー。さっきの話が頭の中をグルグル。某人物に心の底から不快感、軽蔑感。とはいえ、あまりにもそいつが人間のある種のアーキタイプ的な“欲望”をストレートに体現していることは、ある意味、私のような惰弱な文化人にとり、すでにして“羨望”まで感じさせるレベルであるところが凄い。ピカレスク小説が書けそうだ。これもおとついの不快感のように、作品に昇華すればいいのかと思い、かろうじて正気を自分の中で保つ感じ。