18日
日曜日
木村・カエラ・キングギドラ大怪獣総攻撃
彼女こそ護国聖女だ!
※『モウラ』原稿、『幻の南湖』於両国
8時起床、入浴、洗顔。まだ後頭部の痛みと首の凝り、とれず。病院に行くべきか?
9時朝食、コーンスープと伊予柑、リンゴ。朝からずっと雨、しかも雨足繁し。東京マラソンの日にこれ。もっとも、こういう日にあえて走った、ということで走る人には意味があるかもしれない。マラソンなんてものは体に悪いに決まっているスポーツで(なにしろその元祖のフェイディビデスがマラトン〜アテネ間を完走直後に死んでいるのである)それを敢えて走ろうというからには何か、それを超える心的なモチベーションがなくてはならない。我に七難八苦を与えたまえ的なマゾ心がそれであれば、出来るだけ苦難の多い方が満足感は高いだろう。それに雨の日の方が紫外線を浴びなくてすむ。
http://tinyurl.com/ytj4kv
↑ここの先生の言に以前、大変感銘を受けたことがある。この先生は自らもギリシアのスパルタスロンを7回も完走しているという走りマニアであるが、
「ウルトラマラソンをやることは、体によくないんだ〜という控えめな謙虚な気持ちを持つ必要があります。常に多くのランナーは、ウルトラも走るんだ〜えらいだろう〜という気持ちを持ってるんですね。だから、何でもしていいんだ〜みたいな間違ったおごりの気持ちを持ってしまうんです」
という認識がすごい。医師でありながら“人間は体に悪いことでもやりたがる、また体に悪いことでもやりたくなる魅力があるものがある”と認識している人というのはえらい。
スポーツに限らない。私のようなモノカキだって、極めて不健康な職業である。歌手、演劇人、芸人、みんな考えてみれば健康にはよくないばかりか、明日絶滅したって人類はなんら困らぬ、不必要な職業である。そんな、役にも立たぬことをずっと続けてやっている理由は、楽しいから好きだからという理由以外にない。自分がやって楽しいことというのは、あまり他人様に自慢したりしない方がいい。ネットを徘徊していると、ときおり楽しいあまり、上記“何でもしていいんだ”的なおごりの心を持っている連中がまま、いるように思う。そういう奴は本当に、鼻持ちならない。
今日は1時から両国で南湖さんの会『幻の南湖』。それまでにモウラ原稿を片づけてしまわないといけない。9時45分から書き出して、11時にアゲ。日記もそのイキオイで片づける。12時、家を出て新宿、そこから中央線お茶の水乗り換えで総武線、両国駅。蕭条たる雨の中、途中で磐梯山ラーメンなるもの一杯啜りこんで、お江戸両国亭。
「前売りが少ない」
と南湖さん日記で嘆いていたが、50席ほどのイスが最終的にはほぼぎっしり。あやさん、しら〜さんも。
藤本和也さんの原画と、これまでの『幻の南湖』のチラシコピーが展示してあった。見てみると、大分作風の変化はあったようだが、どれも魅力的で、この人の才能の奥深さが見てとれる。
で、南湖さんの講談、最初は『新作講談・妖怪ゴキブリ』、『探偵講談・夢の世界』、『講談紙芝居・原子怪物ガニラ完結編(?)』を連続で。妖怪ゴキブリは沖縄旅行をしたときに見た巨大ゴキブリをネタにしたもの。話は他愛ないが、この人の地の話の面白さがたっぷり味わえる。『探偵講談・夢の世界』はいかにも明治色豊かなバラバラ殺人実録物。なんで“夢の世界”などというロマンチックな題名かというと、“あまりに奇々怪々な話で、聞き(読み)終わったとき、観客(読者)が“夢から覚めたような心持ち”になる”からだそうである。
で、『原子怪物ガニラ』。……やっぱり完結しなかった(笑)。これでガニラは三年越しに聞いているのか、もう。こういうのを聞いて楽しむことこそ、まさに不要の楽しみというか、人に自慢できない楽しみの最たるもの、と思う。
休息を挟んで、受付やっている石川さんと『幻影城』同人誌が完売したという話、芦辺さんの××の話など。後半は古典講談『楠正成と泣き男』。途中で携帯が鳴ったのにあわてる。どうも芦辺さんだった模様。
終って、藤本さんの原画一点買い、今年の夏コミの『猫津波選書』のネタに困っているというあやさんに、藤本さんの本を作んなさいよ、と勧める。これまでのイラスト集に私、南湖さん、芦辺さんが寄稿して、描き下ろし漫画が一本入れば、売れると思う。
雨あがり、外は晴れ。傘がこうなると邪魔になる。いつも打ち上げで行っていた両国駅の『江戸和食・隅田』(エドワショクスミダ、と読むと日本料理なんだか韓国料理なんだかわかんない、というギャグを毎回言っていたが)が無くなったそうで、『日本海』で打ち上げ。今回はワセダ・ミステリクラブとかの面々がいないので、10人ほどのこじんまりした打ち上げになるが、おかげでお互い話しやすく、まとまりのいい打ち上げになる。来ていた女性の方、高円寺で『エリア51』という反応せざるを得ない名前の店をやっている人がいた。
藤本さんと南湖さん(大阪芸大出身コンビ)を東京で何とか売り出そうという計画を立てる。とりあえず、この8月からの『幻の南湖』プロデュースは東文研仕切りでやろうと決議。さらに藤本さん画で、連載企画を立てよう、など。
かなりみんな飲む。途中でオノから電話、われわれの居所を芦辺さんが探しているらしい。石川さん迎えに出て、ほどなく芦辺さん到着。××の件でみな、拍手、祝福。もう一軒、と、もと『江戸和食隅田』の後の場所に出来た、『花の舞』というちゃんこダイニングの店。なんと、店の真ん中に巨大な(と、いうか1/1の大きさの)土俵がしつらえられている。これって、店の損益からするとかなりの無駄スペースのように思えるが、どうだろうか? いや、こういう異様な雰囲気は好きだが。
なんかもう、ここらでも盛り上がったみたいだがかなり酔いが回っていて、何を話したかよく覚えておらず。あやさんが私のパーパーと出す企画ばなしを丁寧にメモしてくれていた。誰かをプロデュースするというのは楽し。丸ノ内線で帰る。私の頭痛をしら〜もあやさんもちょっと心配してくれていた。雨上がったせいで果然、傘どこかに忘れる。