26日
月曜日
知らざァ言って機関車車掌。
SL小僧鉄之介たァ、俺のことだ。朝7時10分。朝食、例によってソバ粉焼き。フジリンゴ半個。このフジリンゴは西武地下で買ったもの。伊勢丹のフジリンゴと、全く味や噛み応えが違うのが面白い。テレビで岸和田の長男栄養失調虐待事件、岸和田と言えばイメージはだんじりと少年愚連隊くらいなのだが、さすが荒っぽい気性の街よと感心(感心するこっちゃないか)。中場利一や井筒和彦のコメントを聞いてみたいもんである。その長男も、なぜ中学生にもなって自力で逃げ出さなかったか、と思うが、それよりも、たった2LDKのマンションに、トイレに立つ体力もなくなり糞便垂れ流しのままの人間をシートの上にずっと放置しておいて、この夫婦はその臭気に平気だったのか。さすが、鬼畜は違うと、変なところでまた感心。
ちくま書房Mくんから電話で、山田風太郎の短編全集について、筑摩書房PR誌の原稿依頼。……思えば、単行本は別にして、山風について原稿料貰って何か書くのというのは、意外にも初めてであった。さて、どれについて書きますか。あと講談社Yくんからメール、このあいだの企画、編集部内でも反応良好、あと予算など具体的な詰めに入るとのこと。連載開始は3月末か4月アタマになるそうだが、2月後半から3月前半は中野への引っ越し(と、言っても仕事場はこの宇田川町のまま)があって ドタバタすると思うので、それも丁度いい。
アスペクト『社会派くんがゆく!(3)』のコラム原稿ジャクジャクと書く。一本の文字数は400と少ないが、11ヶ月分をまとめたものなので、要するに原稿用紙11枚分。ほぼ一日仕事になるので、昼もどこへも出ず、ボンカレーですます。順次原稿集め用MLに送っているのだが、何故かアップされず。編集のKくんに電話したが、やはり届いていないという。困ったもの。やむなく個人メールで送る。トラブル 自体は3時ころ解決。
IVSから出演料の件で電話。“深夜番組ですので……”と、些少なことに恐縮していたが、聞いてみると、これまで他の番組で“粘って”出して貰っていた額と同額であった。さすが爆笑問題の番組は違ったもの、と思う。この番組について、出演が決まったときにネットで過去の出演者がどんなことを言っているのか、検索してみたら、平野啓一郎のこんな言葉が引用されていた。
「 無知であることがどんどん自己を肥大化させる。私たちは自分たちの問題を特別視したがるから。受験勉強にしても、実は科挙など大昔からあったものだし、 戦争を起 こす理由にしても今回は特別なんだという言い方が毎回される」
これは東浩紀周辺の一派に向けられた言葉、なのか、やっぱり?
籠もるようにして原稿ダコダコ書き、完成させて5時、メール。やれ、これで一時は5冊同時進行(『トンデモ本の世界S』『トンデモ本の世界T』『こんな猟奇でよかったら』『かべ耳劇場』、それにこれ)というキチガイじみた状況だった修羅場から、ひとまず解放された。ふうと息をつき、仮眠少し。山の中の川のほとりででウレタンマットを洗っていたら虫の卵がぎっしりつまっていて、気味の悪いのを我慢してそれを取り捨てていたら、黒い大蜂に襲われるという悪夢を見る。いや、虫の卵は今 の仕事、蜂は次に来る大きい仕事、とか考えれば吉夢か?
7時家を出て、田町で待ち合わせ。夜は田町。と学会04年東京大会スタッフ打ち合わせ。田町でやるのは、次回と学会例会の二次会をここでやろうという案があるので、その下見も兼ねて。集うもの植木不等式氏、I矢氏、S井氏、IPPAN氏、ここの紹介者S山氏、私ら夫婦、それに太田出版H氏。用意してきたチェック項目リストを元に、入場料設定や前売りの時期、宣伝媒体などについて話し合う。話し合いながら、なのでメンドくさくないよう、料理をコースで頼んだが、非常に庶民的というか気取らないというか、まず普通の味。ギョウザのみが汁気たっぷりで皮はパリッと しており、美味なこと懸絶。
IPPANさんがさすが本業がおかたい業種の人らしく、会場の図面、レンタル危機のカタログなどを用意してきてくれて、周到に下調べもしてくれるので、テキパキと進む。また、某メディア展開の得意な出版社の社員であるS山さんが、前売りと当日の割合や宣伝開始の適当な期日、当日の人員配備などに意見を述べてくれるので、サクサクと進む。私と植木さんは最初こそ議長的に打ち合わせを進行させていっていたが、お父さんが白酒などをどんどん持ってきてくれて、それをクイクイやっているうちに、次第にヘベになっていき、役にあまり立たなくなる。それでもまあ、ダレ場となったラストの座談会を半分の時間に削減し、その分をと学会エクストラの発表者を増やすことにし、前回の、会誌をコミケ前倒し販売するやり方はやめて、オリジナルパンフを制作して販売することなどを提案、快諾を得る。追加で頼んだ蒸しギョウ ザと汁ギョウザ、それに牛のハチノスの炒めなどが美味だった。
あとはお定まりの雑談となって、10時過ぎ解散。山手線で大阪・神戸旅行のことを話し、K子が“一緒に来る?”とからかったら、S山さんとI矢くん、本気で一緒に神戸に来るという。二人とも会社勤めのはずだが、そんなことができるのか、と、言ってみたK子がかえって驚いていた。