6日
火曜日
アラビアのありんす
戦雲うずまく中東に単身乗り込んだ吉原の花魁の冒険。朝、7時15分起床。起きるのは7時半にしようと思うのだが、この15分を目が覚めるとじっとしていられない。夢で、原稿をひたすらに書いていた。東京に戻ったとたんに正月気分が覚めたかと思うと可笑しい。昨日の夢は黒人のような顔をした人面のフグや、“リアルなウナギに足が生えた”ウナギイヌ、などというきびの悪いものがぞろぞろ出てきたシュー ルなものだったが。
朝食はソバ粉薄焼き。食べてさて仕事にかかる。年明けに、パイデザの平塚くんがパソコンのメンテを行ってくれた。プリンタがカラーになって、なかなか仕事机周りも機能的(な感じ)になってカッコいい。とはいえ、まだまだ使いこなせぬ感じがある。例えば開田さんや井上くんのような職種だと、使用マシンの性能向上はそのまま仕事の質の向上につながるが、われわれ文章書きは、どんな最上機器を使ったところで、文章が上達するわけではない。ネットにつなぐのが楽になれば執筆作業も向上する、という意見もあるだろうが、特撮評論業界の大御所、T氏からの年賀状に、
「平成15年初夏、遅まきながらパソコンを導入しました。研究対象を調べてみますと、90%以上がカス情報なのには驚きました」
とある。氏くらい濃くなると、ネットの情報など頼りにはもうしないのである。
「ホームページを開く気はハナから無く、原稿をパソコンで書く気も無く、Eメールも無精であまりやりません(アドレスは公開しません)」
これでも何ら、不便はない。なにせそれまでずっと、パソコンなどないままにモノカキたちは原稿、それも優れた原稿を書いてきたのである。とはいえ、今日びそれを貫くというのにはかなりの度胸を必要とはするだろうが。
他の年賀状もチェック。お仕事関係がらみで、“今年こそはよろしく”という文面のものが多い。要するに去年、トリビア騒ぎでいかに予定が狂ったかの証左である。一方で、新しいお仕事を是非、というものにおもしろそうなものがいくつか来ているのがうれしい。古書コレクターのK氏がコレクションを全て始末したというのが、ち とショック。
NHK打ち合わせ、13日に決める。“NHKに来ていただくか、ご自宅の近くで打ち合わせを”というメールだったので、“私、NHKがどこの打ち合わせ場所より近いのです”と返信。昼は表に出て、近くの焼肉屋で石焼きビビンバ。他の焼肉定食が800円、ビビンバだけ900円だが、肉がカケラ一片も入ってない。
原稿書くが進まず。6時、途中放棄して新宿へ出、初マッサージ。脱衣場の体重計で測るが、正月の風邪と食欲不振でもう少し痩せているかと思っていたのに、大して変わらない。4日の日の暴飲暴食で、ちゃんと取り戻したらしい。とはいえ、顔はかなりスッキリとした。親父の遺伝で、頬が垂れてくるのが気になる。今度はマッサージに、顔面エステも加えてもらうか。先生、初めての人。サエない容貌の人だが、技 術は高し。
一旦家に帰って仕事続き、まだ本調子とは言えず完成させられず。チャイムがピンポンと鳴ったので出てみたら、ワニマガジンK氏。仕事の進行具合はどうですか、と確認に来たそうな。遅延を詫びて、現状を説明。冷や汗をかいた。そのまま仕事続けるが結局完成せず、無念のまま10時、中目黒すし好。今年初のポーランド語教室から帰ってきたK子と食事。ヒラメ、ネギトロ、つまみでシャコなど。K子のとったエビ碗に甘エビの頭がぎっしりと入っていた。ワカメサラダなど食べてあまり飲まず食べず、いつもの七割程度のお値段。暮れは暖冬だったが、年を越してから風が寒いこ と寒いこと。