裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

金曜日

吐逆会

 よーし、全員、吐くまで飲むぞー! 朝7時45分起床。やや曇。朝食はサツマイモとスープ。黄連解毒湯、小青竜湯、百草胃腸薬が最近の朝の定番薬。今日はそれにアリナミンを足す。十錠くらいイッキにのむと、胸がムカつくが、テンションはぐんと上がる。ビタミンB系には興奮剤的作用があるらしい。寒いが体調は極めてよろしく、バテもなし。夏のあのダルさ不快さとは雲泥の相違である。やはり北国生まれは寒い方が調子がよろしいのか? 日記つけ、フロ入り、仕事。年末進行ラッシュ、あと一息である。

 海拓舎H社長から電話。昨日の『週刊ビジュアル日本の歴史』編集プロダクションの女性から電話。まだお仕事になるかどうかは不明。ご協力を、という感じ。しかも急ぐらしい。年末進行の身にこういうことは正直いって大負担になるのだが、根が好きなこと故つい、安請け合いする。で、多忙でつい、ゴタついて相手に迷惑をかけるのである。それがわかっていながら引き受けるのは一種の精神の弱さである。イカンと思いつつ、矯正ができない。

 SFマガジン連載コラム『猿たちの迷い道』、書き進める。アリナミンのせいか、筆はノるノる。ただし文章は散漫になっているかもしれない。学陽書房Hくんから久しぶり(一年以上か?)に電話。部署が変わっておカタい本ばかり作っていたとか。また元にもどりましたんで是非一冊、出させてくださいとのこと。取りあえず来週、打ち合わせ。昼は冷凍讃岐うどん。あげ玉と卵、青ネギをたっぷりかけて。このところ、昼はこういうものばかり。昨日は御飯に生卵とカツブシをかけてかっこんだ。原稿、どんどん書くが、途中でヤマト運輸が居間のソファーを運びに来たり、光文社から『FLASH!』の資料が返ってきたり、その中の一冊をすぐイラストの井の頭こうすけさんにバイク便で出したりと、無限と思われるほど雑用がある。竹書房まんがライフ編集部から電話、『フリテンくん』復活単行本へのエールコメント依頼。これは喜んで。

 2時、時間割。元メディアワークスのTくん。オルタブックス解散後フリーになって、私の本の企画を持っていろいろ回り、結局メディアファクトリーで今、本を作っているとか。オルタで出した『トンデモ本・女の世界』の続編の企画が通ったので、その打ち合わせ。メディアファクトリーからの注文は、“あまりアラ探し的なツッコミでなく、トンデモ本に愛情を持った取り上げ方をお願いします”とのこと。切り口の差別化はこちらも望むところである。メディア社では柳田理科雄の空想科学読本を出しており、同じところでと学会(山本会長の柳田批判本が今度太田出版から出る)の本を出していいのか、と思ったが、Tくんによると、柳田本の担当編集者にその旨をたずねたら、むしろ歓迎で、出たら書店に頼んで、隣に柳田本を並べて置いてもらうつもり、とのこと。商魂、尊敬すべし。

 あと、かねてより懸案のオタク史本、道新の連載コラムを基調にしてふくらまして講演し、それをオコす、ということでまとめる。どんな風な感じになるか、Tくんを前にして30分ほど述べる。これは刊行時期などが決定してから、具体的な編集方法などを、ブレーン依頼のことなども含めてまた打ち合わせすることに。1時間のつもりの打ち合わせが、ほとんど2時間になってしまう。時間割のマスター、もう半年近く来ていなかったTくんの顔を見て、領収書をメディアワークスとちゃんと書いたのに驚く。記憶力がいいなあ。ただし、会社が変わっているので書き直してもらったのは気の毒だった。帰宅、コミケの告知の原稿を平塚くんにメールし、ほとんどトンボ返りでまた時間割。

 4時、時間割連チャンで世界文化社、DさんとKさん。原稿遅れているお詫びと、Kさんの本(『ナンプレ』連載をまとめる本)の掲載原稿の件。あたまクラクラ。以前『創健』で連載していた原稿があった筈なので、それも載せましょうと話す。テレコムのSさんが持ってきてくれたお菓子、K子がコンナ甘そうなモノ家に置くな、と厳命したので、編集部のミナサンでどうぞ、と進呈する。Dさん一目見て、あら、これ高級なお菓子ですよ、と言った。もっとも彼女は左党で甘いものは苦手。

 帰宅、今度こそ、と馬力かけてSFマガジン。K子が途中帰宅して、ネコに予防注射受けさせに動物病院へ連れていく。6時、やっと完成させて編集部と井の頭さんにメール。折り返しでS編集長から電話がきて、書評の方もよろしくとのこと。徳間のSFジャパンの手塚治虫スペシャル。私の他にも何名か評者がいるので、カチ合わないよう確認を、と思い、“『コミック伝説マガジン』のこと、どなたか書いていますか”と訊いたら、S編集長苦笑して、“実はまだ誰も出してくれてません”と言う。やった、トップ入稿じゃん、と少しホッとする。てっきり私でオーラスだと思った。S編集長への“申し訳ないゲージ”の目盛りがぐーんと下がって、肩が軽くなる。書評900文字、30分で書き上げてメール。イキオイのみで書評にもなんにもなっていないが、読んだときの迫力重視。

 テレコムから電話、月曜のVTR収録のダンドリが決まったとのこと。神田へ行って撮影、という案もあったのだが、結局自宅の書庫の中だけとなったそうで、面倒な移動とかが無くなったのはありがたい。中でとりあげる本の他に、新刊で『凄いけど変な人』も紹介で書影映してくれるそうだ。その旨をサンマークのTさんにメールしたら、速攻で感涙歓喜の返事が来た。『社会派くん』はゴールデンタイムにどうか?こちらもアスペクトK田くんから電話あり、月末26日あたりに再開の対談予定を仮で入れておく。

 ロフトプラスワンにメール(1月2月のライブのタイトルの件)したが、何故か不正アドレスとかで返ってくる。調べようとしたがメンドくさいので放棄。タクシーで下北沢。K子と待ち合わせて『虎の子』でメシ。豚とホウレンソウの常夜鍋。具が豚肉とホウレンソウのみ、という潔さがいい。後でしゃぶしゃぶ用のモチを入れる。萩原さんとダベりつつ。なんとかいう日本酒と、黒龍を飲みくらべるが、やはり黒龍がうまい。帰宅したら井の頭さんから電話。バイク便が行ったらルスだったので、会社に持って帰られてしまったらしい。井の頭さんのところとバイク便の双方に電話何回か繰り返し、明日の午前中に再配送してくれるよう手配。

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