12日
水曜日
君はオナニーいま見つめているの
飛び出せ変態。朝7時半起床。晴れやかな天気。朝食はスープスパゲッティ。果物は富有柿。田代まさしの覚醒剤逮捕、実は当の風呂に入っていたのは女性で、追いかけた男性とは夫婦ではなくて、という事情があるらしいなどという話。いやもう、ひさびさの芸能界らしい大ネタ。田代まさしエライ、という気にさえなってくる。何かあげたいくらいだ。そう言えば彼とは芸能プロダクション時代、一度仕事したことがあったな。NHKの番組で、占い師を何人かプロデュースして、彼の司会の番組に連れていったのだった。初対面の占い師にも非常にフランクに、“いや〜センセイ、派手じゃないですか〜”という感じで話しかけて、その場を明るくしてしまう名人だった。こういうタイプの人物ほどストレスがたまるということか。
猫の保温寝床をK子がしつらえる。買ったのかと思ったら、ペットショップの主催する飼い猫の写真コンテストに応募して、見事2位を獲得した賞品だとか。雑用仕事いっぱい。と学会年刊用のトンデモ本大賞授賞式記録に赤入れ。これが案外時間くって、午前中いっぱいかかってしまう。永瀬唯がSF大会でやった女装は、一体何のコスプレか? という件をネットで検索したりして調べて、結局わからず。本人に電話して聞きゃ一番早いのだが、長電話となる危険性あり。昼飯はレトルトのカレーですます。目玉焼き一ヶ乗せて。それから新宿へ出て、昨日磁気が薄れていて記帳できなかった通帳をきちんとしてもらう。こちらの請求ミスで3ケ月、振り込みのなかったコラムの原稿料が入っていてホッとする。
無生物にも意志がある、とか言うとライアル・ワトソンの本じみるが、昨日、一年以上前に無くした腕時計を偶然みつけた。テレコムの人と打ち合わせ中、話しながら何の気なしに背広の胸ポケット(内ポケットでなく、ハンカチを差し込むところ)に手をやったら、思いがけず、そこから一年以上前になくして、どう探しても出て来なかった腕時計が出てきた。インタビュー中にもかかわらず、へえ、と声をあげてしまう。私は酔うと腕時計をはずすクセがあり、たいていは脇のポケットに入れるのであるが、どうした理由か、このときは胸ポケットの方に入れたものと思われる。で、翌朝になって、そんなところにしまったとはツユも覚えていないので、てっきり落としたものと思い、諦めていたのだ。それはいいのだが、そのインタビューの最中、私は腕時計を三つ持っていたことになるのである。と、言うのも、家を出るとき、いつもはめている(前の腕時計をなくした後に買った)腕時計が見当たらず、仕方なく、パソコンの脇で置き時計代わりにしている、古い安物の腕時計をはめて外へ出た。そうしたら、コートのポケットの中に、いつもの腕時計が入っていたことに気がついた。やはりゆうべ、酔ってはずしてコートのポケットに入れっぱなしになっていたのだろう。引き返して戻しておくのも面倒臭いので、それも腕にはめ、試写を観て、そのまま待ち合わせ場所に行った。二個の腕時計をはめるなどというのは滅多にしない経験であるが、そのとき、三個目の腕時計がポケットから姿を現したのである。仲間の二個の呼びかけに応えて出てきたように思えて、何か不思議な感じであった。
午後はずっと、立川流座談会のテープ起こし。いや、ヤバ記事が多くて苦労する苦労する。面白い部分は全カットってくらい。それでも、作業が楽しい。3時、時間割にて『ザ・ベスト・オリジナル』インタビュー。“マンガに教えられるセックス”というトホホな記事にインタビュー。いや、トホホなどとは言ってはいけない。仕事に貴賎も高低もない。ギャラくれればみんな生活の基。それにしゃべってみるとトホホな仕事ほど面白かったりする。マンガがセックスを“教えて”くれるようになったのは『高校生無頼控』が嚆矢、という自説を述べ、それから『俺の空』、『東京大学物語』と時代にあわせて進化し、『ふたりエッチ』に行き着く、という主流の道筋を話す。その周囲にロリコンマンガやエロマンガ、山上たつひこなどがからまる。話していて思い出したが、このベストのインタビュー、インタビュアーも同じKくんで、去年だったか一昨年だったかも確か年末のこの時期に海外のエロマンガにつき、インタビュー受けたのを思い出した。同じ時間割店内にゲーム関係の人のインタビューが行われており、『社会派くんがゆく!』の坂本カメラマンが撮影していた。挨拶。
インタビュー終えて青山まで出て、買い物。ここのところ買い物をしていないので油や野菜やなんやかやが切れている。帰宅、テープ起こし続き。ページ調整をいろいろやっているうちに夜になってしまう。K子と待ち合わせてレイトショーへ行く予定だったが、シネパトスとシネパレスを間違えていたことが判明、明日のことにして、宇の里でメシ食って帰る。突き出しのゴマ豆腐が美味。あと和風コロッケ、スズキの刺身と焼きナス、じゃこ飯。