裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

金曜日

アダプタと駆け付ける

 ベイシック駄洒落。朝7時45分起床。目が覚めてしばらくの間、寝床で谷田和一郎『立花先生、かなりヘンですよ』を読む。言及されているポイントについては尤もだと思うが、ツッコミがまだ技術として確立されていないので、各ポイントごとに、その有効無効の落差が激しすぎる。基本的に“いい人”のツッコミというのはまあ、こんなものか。朝食、タラコスパゲッティ。腹が減っていたせいか大変おいしい。果物はリンゴ。ワイドショーは野村沙知代一色。野村沙知代もイヤだが、それが逮捕されたとか言うので大ハシャギの十勝花子や浅香光代を見るのもイヤだね。

 朝から原稿、SFマガジン。50枚の枚数を足りない、と感じるのはいいことなのか悪いことなのか。S編集長からは、小説・コラムに加え、さらに書評の依頼まで来た。脳内アドレナリン出ずっぱり。昼飯食い損ねる。

 2時、外出。寒い々々。タクシーの運転手と寒さ談義。寒い勝負に関しては北海道出身故に人にヒケをとったことは滅多にないのだが、この運転手さんの田舎の寒さばなしには完敗。ご出身どこですかと訊いたら“満州です”。満州にはかなわんか。満州の味の思い出というと、キジだそうだ。“まあ、ホント、いたるところにいくらでもキジがいましてね。それでスキヤキするんです。うまかったなあ”と、舌なめずりする。空腹のことでもあり、ヨダレが出た。

 結局メシ食えないまま、井上デザイン。ノーザンクロスIさんと2月発売の単行本『笑うクスリ指』デザイン打ち合わせ。Iさん、昨日幻冬舎(発売元)のSくんと打ち合わせの帰りにフクラハギの肉離れを起こしたとかで、足を引きずっている。装丁についての打ち合わせなので、発言はほとんどK子にまかせて私は疑問点が付箋で貼られているところのチェック。井上くんに他の出版社の景気などの極秘情報を聞き出したりする。帰り際、なんと平塚くんが独立、という話を聞く。この状況のなか、大変だろうがガンバってもらいたいものである。官能倶楽部含めて、応援するから。

 とにかく腹が減ったので、ソバかうどんでもたぐろうと曙橋でいくつか店を探すがどこも3時ころは昼休み。ウェンディーズで味気なくホットドッグなど齧って、帰宅する。SFマガジン続き。それから飛び込みのコラムなどもやる。ううう。

 8時半、東新宿に出て『幸永』。旧店鋪はほぼ満席。新店鋪も半数の座席は埋まっている。向かいの席に座った若い女の子がホルモンを一口食べて、“おいしぃぃぃぃぃぃぃ!”と体を揺らして喜んでいた。テールスープ、寒いのでうまい。K子はフィンランド語で“ヒュバ! ヒュバ!”と言う。

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