11日
木曜日
アーラファット出前一丁
へい、パレスチナ和平交渉お待ち! 朝8時起床。天気晴朗である。朝食、ピタパンにホタテのマリネと味付け卵をはさんだサンドイッチ。それとオレンジ。午前中、Web現代原稿にカンナかけ、北海道新聞新企画『こだわり読書館』もやる。
電話数本、いずれも仕事がらみ。こないだ取り上げた某ネット有名人女史の『沙粧妙子最後の事件』のラスト・ケース問題、案外あちこちで話題になっているらしく、本人にもそれが伝わったとみえ、後追いでの言い訳が書き込まれ、それがまったく意味をなさぬもので、ますます墓穴を掘っている。期待を裏切らないところ、実にもって見事なネットヒロインぶり。
道新原稿に案外手間取り、半に千歳烏山で待ち合わせという予定なのに2時にやっと家を出る。江戸一で回転寿司、5分で食って飛び出し、井の頭線で明大前まで行って乗り換え、京王線でなんとか40分に到着。アスペクトの村崎百郎氏との対談集の中に使う写真撮影。カメラマン氏の車に乗って、世田谷一家惨殺事件の現場で記念撮影というキチクな計画。ところが、現場に来てみると、あたり一面にまだ立ち入り禁止の黄色いテープがはりめぐらされ、パトカーが警備にあたっている。車を降りて、回りをブラつくが、露骨に警官たち、こちらをアヤしいと思っている風である。
あたりを見回って、それとなく撮影できるポイントを探すが、格好なところが見つからず、裏手の公園で、とりあえず家をバックに撮影終了。カメラマン氏、“じゃあ車、持ってきます”と駐車場の方へ。編集者二名と私、村崎さんが待っていると、何か公園の向こうの方で、カメラマン氏、警察につかまって職務質問を受けているようである。“あれ、つかまってますよ”“ヤバいな、逃げますか”“逃げたらかえってマズいでしょう、別に悪いことしているわけじゃないから、かまいませんよ”“法律的には悪いことじゃないけど、道義的には悪いことだよな”などと会話していたら、初老の警官と若いのが二人、“こんにちはー。何か、出版関係ですって?”と声をかけてくる。村崎さん、“かんべんしてくださいよー、手にケガしてませんから”などとギャグとばす。怖いもの知らずだねえ、この人ぁ。
とりあえず、名刺渡し、いろいろ質問される。住所や職業の他、携帯の番号や生年月日まで書きとめられたのには驚いた。“われわれも早く犯人を見つけたいんですがねえ、何か知りませんか”と訊かれる。被害者とアニドウで一緒だったとか、余計なこと言ってカンぐられるのもナンなので黙っていた。唐沢俊一と村崎百郎取調べられの図、というのは案外オモシロイので、カメラマンさんがその様子を撮影しようとしたら、さすがにそれはダメと言われる。後で聞いたら、“なに、取材なの? みなさん鬼畜系?”などと言われてオドロイたそうだ。警察もバカじゃない。ちゃんとそれ系のライターの掲示板や2ちゃんねるとかまでチェックして、犯人らしき書き込みがないかなど、毎日調べているとらしい。この日記もチェックされているかもしれないので、これ以上余計なことは書かない。呵々。
それから近くの公園でさらにポートレート撮影。渋谷まで戻る。車中でやはり、大江健三郎はじめとする平和ボケ文化人のコキおろし。実はこの対談、『ウルトラグラフィックス』の中で一番の人気連載だったそうだ。そりゃ、つぶれるわと思う。5時に渋谷駅前で解散。銀行寄り、西武で買い物して帰る。
原稿ちょこちょこ書いているうちに時間になり、またタクシーで後楽園へ。トラッシュポップフェスティバルのスタッフ打ち上げ。後楽園のベースボールカフェ。K子が料理のジャンクフードっぽさに怒りの声をあげていた。まあまあ、無事に笑顔で打ち上げが出来てよござんした。このベースボールカフェにはショータイムがあり、ステージ上に店員の男の子たちが上がって踊る。ゲイバーみたいである。しかも踊っているのが『ロッキー・ホラー・ショー』のタイム・ウォープだったりするし。ハローミュージックKさん、来年はぜひ長野に行きたい、と言う。彼はなんと、花火師の資格を持っている花火ファンなのである。
ほどよいところで引き上げ、開田夫妻、談之助師匠と、新宿南口の『鳥茂』へ行き三次会。ここは豚の内臓刺しが名物。コブクロ、タン、ハツ、レバなど美味。焼酎がメローコヅルで、これがバカうまであり、ロックでかなりいって、K子に叱られる。11時ころ、帰宅。