3日
水曜日
うまくタージマハール
インド人ってなかなか油断できんよ。昨日、なにもかも忘れて早寝をしたのが効果あったか、目覚め快適。ただし夢はヘンなもので、鈴木光司さんの講演会に行くと、“人間はうっかりやったオナラをごまかすために想像力を発達させてきた”と話していて、そんな落語みたいなことはねえだろう、と呆れる、というものだった。なんで鈴木光司なのか。朝食、私はイチジクとヨーグルト、黄桃。少し遅れてK子も起き出して食べる。なにやら豪貴の診たてで神経痛ではなく脳血管の充血ではないか、といわれてビビって、バタや肉はもう食べない、などと困ったことを言い出している。
気圧が私の体に影響を与えていることは確かだが、それは別に天気が晴だとか雨だとかというレベルではないらしい。昨日は天気だったが心身共にタルく、今日は朝から快適そのもので、アスペクトの対談チェック、13本をイッキに片付ける。送り終えてから、葉書を一本書き、コンビニでK子の描いたイラストを講談社へ送付。それからカウンターのカレー屋さんサラームで、ナンとマトンカレー。K子にはおにぎりを買って帰る。
とって返して西永福。佐々木歯科で左右の奥歯の型取り。2時間ほどかかり、治療台の上で足がつって参った。横になると眠くなり、歯を削られながら眠りそうになって弱る。治療受けながら中沢新一の著書のことをずっと思い浮かべていて、ふと気がつくと、いつの間にか『子連れ狼』の金田龍之介が演じた阿部怪異のことを思い浮かべている。どこでどう、連想をたどれば中沢新一と阿部怪異がつながるのか、思考の道筋をいくら逆にたどって検証してみようとしてもわからない。
治療終わって(今日は四本も型をとったのでちと高い)渋谷駅前の八百屋で買い物して帰宅。K子は知人のお医者さんにもいろいろ頭痛のことを訊ねている。彼の見立てではやはり神経痛でしょう、とのこと。仰向けに寝ているよりうつぶせの方が痛みが少ない、と、妙てけれんな格好で床に臥せっている。痛みはひどいらしいが、元気なことはいつも以上なので困る。いろいろこき使われる。
先日のきらら博関係でメールやりとり、いろいろ内輪ばなしを聞く。あと、講談社新担当のYくんともメール。単行本2巻は無事出ることが決定したらしいので、その構成なども考えなくてはいけない。北海道新聞社にゲラチェック。それから今夜のK子の食事にと実だくさんの野菜スープをこしらえる。
6時半、ロフトプラスワン。やまけん氏プロデュースの『オタクジェネレーションギャップ』第二回。私の著作を一冊も読まず、私の活動にも一切興味がない、と明言する人が私をゲストに呼ぶ、また平和ならずや。前回のラストで対立点を強調して幾分盛り上がりを見せていたので、今回のテーマは“対立”だったようだが、理解を拒否することを対立と彼らは考えているようで、これでは話にもコンニャクにもなったものにあらず。久々に不愉快な思いが出来て、非常にうれしかった(この感情、理解できない人も多いと思うが)。鶴岡は完全に客層をつかみそこねてスベりであった。私に毒づくいつものパターンも全部ハズし。やまけん氏後で楽屋で曰く、“コドモですね”と。呵々。
ロフトの斎藤さんから、今後の対談の候補相手を出される。一番候補の東浩紀氏がいろいろあって難しいらしいので、宮台慎司、斎藤環という名前があがるが、サテ、今この方々と緊急に話すテーマが果してあるかどうか。中島かずき氏と時代劇について話すのはどうですか、と斎藤さん提案。これはいいかもしれない。1時、帰宅。夕食を食い損ね、K子の晩飯に作っておいたスープも全部平らげられていたので、仕方なくカップラーメンを啜る。2時、就寝。