31日
火曜日
いやん八幡
それは倭冦なの。朝6時ころ目が覚め、ベッドの中で某氏著の薬物中毒克服の本を読む。この本、出した出版社は内容がカタ過ぎて売れないよ、とあきらめていたらしいが、出版直後に絶妙のタイミングで例の三田佳子の息子の再逮捕騒ぎがあり、著者(自身薬物中毒経験がある)にもインタビューが殺到し、好調な売れ行きを示しているという。担当編集者は“神風が吹いてくれました”と言っていた。人間、最後まで希望を捨ててはいけないというお話(違う)。7時過ぎ起床。朝食、例のサツマイモとスープ。K子には豆もやし炒めとフライド・エッグ。スープ(葱花湯)にも豆もやしを刻んで入れるが、濃厚なるダシが出る。
好美のぼる夫人に、先日の蔵書寄贈のお礼の手紙。その他、メール数通に返事など書く。某医薬品メーカーの企業PR誌、コラムの仕事を二回ほどして以来お呼びがなく、切られたかと思っていたら連絡がきて、これまでのはプレで会議にかけていたものだったとのこと。企画が通って動き出したので、連載でよろしくとのこと。ここ、季刊ではあるが原稿料がバカ高なので、無くなってなくてよかったとホッとする。
12時、どどいつ文庫伊藤氏行商に来宅。今回はビデオ中心に、インドの吸血鬼もの、タイのファンタジー・ホラーなど。買ったあと、雑談。こないだ彼はビルの地下室だったかに入るとき、コンクリに頭をイヤというほど打ちつけて、しばらく体調を崩していたので、その後どうですか、と訊いたら、いや、頭を打ったのがキッカケで石に興味を持ちました、と言う。文章の前後にミャクラクがない。なんで頭で石なんです? と訊くと、いや、やはり固いモノにあれから興味を持ったんです、という。どうもトリトメない。鉱物とかですか、と言うと、いや、河原に行って気に入った石を拾います、と、ほとんどつげ義春の世界。やはり知人友人中、第一の奇人である。コスプレの写真を撮るのが趣味のお得意先のじいさんを案内してコミケに行く話などを聞いて笑う。
オタアミ用のビデオを探して見ながら、レトルトのカレーで昼飯。鶴岡との対談原稿に手を入れていたら、当人から電話。山本竜二が唐沢さんのものまねがうまいんですよ、と言う。口調とかのことかと訊くと、イエ、ビッコ引きながら早足で歩く形態模写です、もうソックリですよ! と大喜びしている。それにしても、早く山本竜二本を企画通さねば。やはり、スカトロ系の話は嫌がるところが多いのだ。AVの記録は(中田秀夫がロマンポルノのドキュメンタリーを残したように)風俗資料として絶対残しておかねばならないものだし、かつ、彼の場合は映画とAVのどちらも最末端を知っている、貴重な人材なのだが。
青山まで行き、銀行で入金確認。覚えのない名称の会社から一件、入金(ちょっと多めのもの)あり。首をひねる。買い物して帰宅し、すぐまた出て、新宿でサウナとマッサージ。今日の先生は例のエスパー伊東にソックリの人で、鼻はしょっちゅう鳴らすしつまらん世間話はしてくるし、“エート、次はどうしようかな”などとダンドリも極めて悪いが、腕は一番いい。かなり体がほぐれる。
帰って夕食。豚バラと豆モヤシの鍋。キリタンポを入れてみる。餅のようにねばり気があったやす幸のに比べ、市販のものはやはりすぐ煮くずれる。K子がドコモのシグマリオンを買ってきた。少しいじってみるが、起動と読み込みの早いこと(その代わり画像は設定しないと見られない)に驚く。ビデオでサウスパーク。食べている最中に牧場由美のおっさんから電話、某カルト映画をDVDで発売する企画があるが、ついてはそれにタダ協力をしろ、とのこと。タダはヤだな、と思いつつも、カルト好きとしては引き受けてしまうのが悲しい。食後にどどいつ文庫から買った解剖ビデオを見る。これがなんと、フィンランド製で、K子が大喜び。缶ビール大一本、日本酒熱燗二合半。これで熟睡できること妙。