裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

火曜日

タジオ仏心

 藤代信之みたいな悟り(開き直り?)をアッシェンバッハも持てばね。朝、5時頃目が覚める。一時間ほどパソいじり、6時ころまた寝て、7時半起床。朝食、タラコスパゲッティにカブのコンソメ煮。これは即興で作ったものだが、メインの一品になる出来。何、カンヅメのコンソメで、切ったカブをさっと煮ただけですが。

 日記つけ、薬局新聞一回分アゲ。原稿書きをシコシコはじめる。はかどるような、はかどらぬような。ゆうべエンターブレインから電話あり、鶴岡との対談、分量 のこともあり、あまり手を入れるなと言われる。ううん、そうすると単なるヨタ話だけになりそうな気がするが。K子に弁当を作る。オカズは見晴さんからパックに詰めても らった鯉の塩焼の残り。

 母から電話。子供のころから近所にあったホテル(その前は旅館)が閉じることになり、積み立て金の一部が帰ってくるという。何の積み立てかというと、今から二十年くらい前に、私の結婚費用として積み立てていたもの(ホテルがそういうサービスをやっていた)なのだそうである。一応、私名義になっているので私の口座を教えておく。あの当時は、母も私にごくフツーの結婚をさせ、ごくフツーの家庭を営ませるつもりだったのであろう。生憎だった。

 昼飯はミソ卵。K子のファンが送ってきたレアチーズケーキ。LDデッキ、こないだから不調で、たぶん接続をちょっと直せばすぐ正常になるであろう、ということはわかっていたが、ほぼひと月以上、ほったらかしにしてあった。いじって、もし直らなかった場合、そのときに不快感を味わうのが、なんとなくイヤだったのである。八割以上そんなことはない、すぐ直るとわかっていても、残り二割の不快の予感で、LDが見られない不便(仕事上差し支えることも多い)をダラダラ忍んでいたことになる。何とも情けない。今日こそは調べてみなくては、と、昼飯を食った後で、ちょこちょこいじっていたら、一分もかからずに直ってしまった。こんなことのために一カ月も、とは思わない。ああ、直ってよかった、とホッとして、見られなかった間のことはすっかり忘れる。

 トラブルか、送れてなかった週アス送り直し、メディアワークス本の書き足し原稿を、これはアリモノを用いるのだが、文体と内容の一部を単行本用に変更して四本、送る。折り返し、編集Tくんから電話。図版キャプションの件。快楽亭の師匠からも電話。12月9日の中野芸能小劇場での大宮イチ氏招いての公演、『鬼畜大変態マル秘ビデオ上映会』というタイトルにした、という。談生との二人会『鬼畜大変態』で客が大入りになって以降、こういうタイトルがクセになっているな。それにしても、こういう一般人が逃げ出すようなタイトルで寄ってくる客というのも・・・・・・。

 6時、買い物に出かけ、7時半ごろから夕食の用意。シイタケと鶏の鍋、鯉塩焼の残り。なにしろ巨大な鯉の半身が詰まっているので、弁当に使って、まだかなり余っている。LDでヒトラーの映像資料など見ながら、日本酒を燗して二合半、チビチビ啜る。体がポカポカと、汗をかくくらい暖まった。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa