裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

26日

日曜日

恋スル痔持チ

いつもと変わらないトイレのはずがズキズキしてる。

※某社原稿書き ルナティック演劇祭最終日 打ち上げ〜2次会(朝まで)

早朝の夢。
明け方まで業界仲間と飲んで、さて帰ろうというときに
そのうちの1人が、
「カラサワさん、中華々々」
と言って随園別館みたいな中華料理屋に連れていかれる。
朝なのでめん類くらいしかないよと言われ、帰ろうとするが
すでに街は通勤通学の一般人で一杯で、気恥ずかしくて
帰れず、無理に頼んで北京ダックを注文し、よし、昼まで
ここで飲むぞ、と宣言する。

9時半起床。
朝食、バナナジュースとちょっと変えて、イチゴニンジンジュース。
いろいろとバラエティを考えて飽きないようにしないといけないが、
しかしそもそもダイエットという目的でバナナジュースを
飲み始めた目的からはだいぶ外れてないか?

自室で原稿書き。
なかなか進まず。
昼は握り飯弁当。味噌のと昆布のと。
漬物代わりに茄子、ミョウガ、青唐辛子の酒粕漬け。

資料本を何度も何度も読み返す。
読み返すたびにこれじゃアカンというところが原稿に見つかる。
数回の改稿の後、ついに時間切れ、かなり不満の残るものなれど
一応、形にまとまったものということで送付することにす。

悶々としたまま家を出て、下北沢。
来ると、今日の演劇祭の最後の劇団、Space Noidの芝居が観られる
のでウキウキしてしまう。
昨日の激しい雨とはうって代わり、初夏を思わせるいい気候。
お客さんも陸続。

今日も調光ブースで。昨日はパイプ椅子の背のところに腰をかける
形で観て、“尻が横に割れた”と悲鳴をあげていたテリー、
今日はブースの柵のところ(客席にセリ出しているところ)に、
カラスかガーゴイルのような格好で座っている。

他にミヤッキー、ヨッシー(この二人はもちろん)、NC赤英、
龍場舞ちゃんも。しら〜さんは今日は調光室への通路(ここは案外
穴場)で観られた。で、『夜のサカナたち』観劇。

昨日の『SMILES』とは一八〇度違った芝居。
音響や音楽などもほとんど使わず(携帯の音くらい)、
灯も場面転換の暗転くらい、セリフだけで渋く展開する、
千葉のホストクラブのホストたちの物語。ホストクラブの話なので
役者全員が男、というのも渋い。

最初はさして期待もしていなかったのだが、これが半ば頃から、
ぐんぐん話に引き込まれていく。別段、取り立てて演劇的な展開が
あるわけではない。店の代表の誕生日を一大イベントにしようと
みんながドタバタしているが、その当日、代表が暴行罪で捕まって
しまう。オーナーは店をたたむと言い、ホストたちはそれに逆らって
何とか解決策を講じようとするが……。
という話。ホストクラブに興味があるわけではないし、そもそも
水商売業界ばなしはどちらかというと苦手である。
なのに、こんなに引き込まれてしまうのは、やはり脚本が練りに
練られ、演技陣がそれをきちんと受け止めて演技しているのだろう。
アドリブ部分もよくまとまっていた。
こういうものに当たるから、演劇祭というものは嬉しい。

見終わったあと、本多劇場の倉庫を会議室代わりにして、
審査委員会議。ハッシー、私、本多慎一郎さん。
ハッシー曰く
「第一回からこんな凄いのばかり集まるとは」
と。しかし、やはり今回はMILESとSpace Noidの決戦となる。
審査委員票、ルナティックスタッフ票、そしてお客さん(入場者一人に
つき一票)票を合計し、優勝確定。最後の最後でMILESが
逃げ切った、という感じ。
やはり、課題である“舞台上の花”の使い方がポイントに
なった。

そして各賞選定。これらはかなりスムーズに最優秀俳優賞を
MILESの藤木吾呂さん、最優秀脚本賞を清水洋介さん、そして最優秀
さらに、H・I・Aの校長先生、豊嶋任世さんに、急遽審査員
特別賞を差し上げよう、と意見が一致する。
あと、唐沢俊一賞を母性本能プロラクチンの中澤隆範さんに
差し上げたいと主張。ハッシーに受ける。
表彰状、ハッシーがMILESを間違えてMILSと書いてしまった。

授賞式、8時45分から。三人で舞台にあがり挨拶。
優勝したMILESはじめ、参加4劇団全ての盛り上がり、非常に
自分としては嬉しく、喜ばしい。
MILESのこぶしのぶゆきさんは何か理由があるのか坊主頭にしていて
(後で聞いたら普段はこれで、舞台のために延ばしていたのだとか)
驚く。

バラシが始まる中、ひと足先に打ち上げ会場に。
参加劇団のみなさんと本当に楽しく会話が出来た。
自分の中にこれほど演劇要素があるとは。
最優秀俳優賞の藤木さん、唐沢俊一賞の中澤さんとはぜひ、
自分の芝居でご一緒したいもの。
ルナの若手の子に、某劇団の男優がかなり親しげに話をしていて、
「おお、かなり露骨にナンパしているな」
と思っていたのだが、後から彼女に訊いたら“このまま演劇を続けて
いいのだろうか”的な人生相談だったそうな。若手に訊いてもねえ。

2時間半でお開き、会費にしてはちょっと時間が短いか(料理は
おいしかったけど)という感じ。もっとも日曜にいきなり
30人引き受けてくれただけでも。店からのサービススイーツ
には祝・演劇祭の文字も入り、サービスワインもあった
(ジャンケン大会でオールイン中西さんがゲットした)
豊嶋さんに挨拶を頼み、私の一本締めでお開き。

出て、30人くらいで三宅くんの
発案で庄屋で2次会。ハッシーは『クイズショー』の出演が
決まったそうで、セリフ覚えます、とのことで先に帰る。
仕方ない、場の責任者として居残り、MILESの演出の秋葉さん、
じゅんじゅん、菊ちゃんなどとバカ話。
「普通の言葉なのにじっくり聞くといやらしい言葉」
という菊ちゃんのお題にみんな、“筋子”“なめろう”
“ぬるまゆ”などと考えるが、じゅんじゅんが何気ない顔で
“つゆだく”と言ったのに爆笑。まあ、ノリですがね。

他にH・I・Aのれむちゃん、東大理工学部出という
コメディアン、オールイン中西氏などと話す。
ふと気がつくと、もう朝の5次近く。
かなりテンション高かったミヤッキーがバテていたので
(まあ仕方ない。今回は四劇団の音響効果全てを担当して大活躍
だった)、かつぐ感じでタクシー乗せて途中まで保護者代わりに
送っていく。岡っちが例により酔ってキレて、そっちの
方も気になるが、まあ仕方あるまい。

5時の白々明けの道、好天でさわやか。
状況から行けばさわやかなどではとてもないが。
帰宅して、猛スピードでフトンにもぐり込む。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa