裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

8日

水曜日

さよなら尖閣

またきて四角(「また来たよ、あの中国人」)

※『社会派くん』テープ起しチェック

朝5時目覚め、トイレ。
寝床で『ベルツの日記』拾い読みしていたら、読書灯の
電球が切れて、仕方なくまた寝る。

9時40分、朝食。
例によりバナナリンゴニンジンジュース、青豆スープ、
コーヒー。

映画音楽作曲家、モーリス・ジャール3月29日に死去。84歳。
幅の広い作曲家というのはいくらもいるが、この人は中でも別格。
いったい、わが家にもどれくらい、この人が音楽を担当した
作品があることか。
『アラビアのロレンス』『ドクトル・ジバゴ』『史上最大の作戦』
といった、“映画”そのものを代表する大作から
『顔のない眼』、『シベールの日曜日』といった佳作、
『マッキントッシュの男』『将軍たちの夜』『コレクター』
それに『危険な情事』のようなサスペンス、
『レッド・サン』『ロイ・ビーン』などの西部劇、
『ザ・メッセージ』『砂漠のライオン』のような中近東もの、
『地球の頂上の島』『第五惑星』のようなSF、
『病院狂時代』『トップシークレット』のようなおバカコメディまで
あらゆるジャンルをこなす多芸多才超多作な作曲家だった。
紫式部複数説ではないが、モーリス・ジャールという作曲家グループ
がいるんじゃないか? と疑いたくなったほどだった。
実際は、オーケストレーションまで自分で必ずやるほどだったそうで、
映画音楽が好きで好きでたまらなかったのだろう。

何故か『レッド・サン』『将軍』と、日本の出てくる映画に
関連が深く、そのせいかバブル期に日本の映画にも何本か曲を
提供している。それがまあ『首都消失』、『落陽』、それに
『クライシス2050』と、どれもこれも関係者が無かったことに
したがるような作品ばかりで、仕事を選ばない人だったんだなあ、と、
逆にある種の感動すら生む。最後までアルチザンだったのだ。

お気に入りは何と言っても極初期(1959)の作品である、
ジョルジュ・フランジュのスリラー『顔のない眼』。陰惨なホラー
のオープニングを妙に陽気でかつ不気味な変調のワルツで飾り、
グラン・ギニョール風のブラックな味付けで強烈な印象を
残している。
http://www.youtube.com/watch?v=k6uUQIJzLxU

『007/私を愛したスパイ』で、ソ連のスパイのオルゴール
式通信機の音に『ドクトル・ジバゴ』が、砂漠のシーンで
『アラビアのロレンス』が、と、モーリス・ジャールの
曲が二曲も使われていたのを思い出した。パロディの元ネタ
としてこれほど使い安い、世間に認知されている曲もなかった
からだろう。映画音楽、というものをまさに体現した存在であった。
ご冥福をお祈りする。

昼は焼肉弁当。雑仕事いろいろ。
4時ころ、『社会派くん』テープ起しが送られてくるので、それに
手を入れる。7時までかかって何とか完成。
しかし、そろそろ仕事量を従来の分量にもどさないとな。

サントクに出て、買い物。市場の関係か、今日は品数極端に(特に
鮮魚類)少なし。銀ダラを買ってバタ煮にする。
タマネギ半個とニンニク一片を微塵切りにし、
銀ダラ二切れに塩コショウをして、薄力粉をまぶす。
フライパンにオリーブオイルを熱し、タマネギとニンニクを炒め、
そこに銀ダラを入れて表面をよく焼く。
日本酒(あるいは調理用ワイン)を注ぎ、さらに水を注ぐ。
コンソメ一キューブを入れ、煮立てる。
今回は他の料理の余りの豆乳もちょっと入れた。
煮詰まってきたあたりでバタひとかけを投入。
溶けて銀ダラの身にからまったのを見計らって皿に移し、微塵切りのパセリを散らす。
ソースをパンにひたして食べると最高。

もう一品、タラモサラダ。ジャガイモの皮を剥いてレンジで
蒸かし、ボウルの中でマッシュしながら、豆乳を加えてのばす。
タマネギをちょっと茹でて辛味を飛ばしたものを微塵切りにし、
まぜる。他に胡椒、おろしニンニク、マヨネーズを加え、
たらこスパゲッティのソースを加えてまぜる。
最後に、季節ものでソラマメを茹でて皮を剥いたものを混ぜ込む。
ギリシア料理のタラモサラータはタラマス(塩漬けの魚卵)と
茹でジャガイモのマッシュをオリーブオイル、レモン汁でのばして
作ったディップだが、わが家のはジャガイモサラダにタラコを
足したもの、という感じなのでタラモ(タラコ+イモ)サラダ。

送られてきた私の出演番組のDVDなど見ながら12時半まで。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa