裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

4日

土曜日

潜水艦『おぐしお』

これにだったらぶつかりたい。

※原稿不捗(体調により)、東京中低域440ライブ

朝、目が覚めると8時。
あらなんともなや、ゴホゴホもゼイゼイもなし(完治した
わけではなく、まだ心臓はバクバク気味であるが、
あの呼吸困難はウソのよう。
やはり小青竜湯か?
あるいはルミン多めにのんだせいか?

9時、朝食。ちょっと早いのは母がこれから出かけるため。
バナナリンゴニンジンジュース、ブロッコリだったかのスープ。
自室にもどってからまた少し横になる。
寝られる状態のうちに寝ておかないと、また咳がぶり返したら
大変である。体力温存。

『幕末の将軍』が、今読んでいる本の中では一番面白い。
松平春嶽など、司馬遼太郎の『最後の将軍』では、賢侯などと
呼ばれていながら所詮は坊っちゃん育ちの書生大名で、何ほどの
歴史的成果もあげられなかったというイメージで描かれているが、
実は幕府内の人事刷新などにかなりの腕を振るっていたという
ことがわかった。彼の不幸は、彼に全幅の信頼を置いていた将軍・
家茂が早世したことにあることがわかる。

昼はパスタを茹でて、ホタテの缶詰めをあけて一緒に炒め、
一味唐辛子とシーズンオールで味付けしたもの。
タマネギはこないだ買ったばかりのものをK子に捨てられて
しまっていた。

原稿書きながら、テポドンニューステレビで。
発射の誤報をいろいろつつかれているが、発射したものをしていない
とする誤報よりも、しなかったものをしたとする誤報の方がはるかに
マシと言うべきではないのか。

意気軒高ではあるが体調いまだしで、休息に眠くなり、3時ころ
またちょっと寝る。あとで、にわか雨を見て(幸い避けられたが)
アア、眠かったのはこれか、と思い当たる。

5時、家を出て下北沢。新宿駅で、“いまこそ憲法第9条を守れ”
と書かれた紙を持って立っている初老の男女のグループがあった。
その主張の是非をここで問うことはしないが、しかし、憲法擁護を
嘔うおばさんたちというのは、髪形から化粧まで、どうしてこう
似通うのか。何か、見ていて異様な感触を受ける。

440で東京中低域ライブ。
下北沢の駅で東さんに会い、店頭で水谷さんに会って、
今日のライブのこと、テポドンのことなど雑談。
「あれは発射が失敗して地上で爆発したって噂もあります」
などとヨタを飛ばしたら、ステージで紹介されてしまって参った。

本日のライブ、メンバーがいろいろ諸事情で揃わず、7人という
少なさ。とはいえ、それ故に、いつもは方向性があっちこっちに
飛ぶのが普通の域ライブにしては、逆にスッキリしたという印象。
まあ、毎回これでは物足りない、と思ってしまうだろうが……。
たまには刺激になっていいのではないか。
東、鈴木、筒井といったメンバーがかなり奮起していたし。

なぜか水谷さんのトークがおネエ言葉だったり、鶴田くんが
タンクトップ姿だったり、柴野さんのヒゲ面を“その道の人たちには
大人気”と言ったりとか、何だか変な雰囲気だったが、あとで
聞いたら、“今日は4月4日でオカマの日(女の子の節句の3月3日、
男の子の節句の5月5日にはさまれているので)なので、ゲイを
テーマにしてみた”とのこと。最初に言わなくちゃわからない。

いつぞや、東さんから坂本頼光くんの話を聞いたが、今日は鈴木さん
からも聞く。去年の10月に頼光くんと、鈴木さん、東さんの
参加している清水靖晃&サキソフォネッツのジョイントライブがあった
らしい。

麻衣夢が遅れてやってきたので席をあけ、また、吉野朔実さんも
花見の席から抜けていらして、ちょっと話す。

水谷さんの歌った歌詞の中に“凶暴な「ゾグ」に襲われて”という
のがあり、ゾグって何だ? と思っていたら、終演後、
“某”域員さんから、なかなか凄い話を聞く。
「こないだ、仕事で行ったある地方の焼鳥屋で、ムチャクチャ安い鶏の足が
あったんですよ。中国とかからの輸入品にしても、こんな安さおかしいんじゃ
ない? って言ったら、近くにいたお客が、声をひそめて
“実はこれは鶏の足じゃない、ゾグの足なんだ”
って言うんですよ。
“ゾグって何です?”
“バイオテクノロジーで作られた新種の生物でね、一匹から、足の肉が十本も
とれるんだよ”
”え?”
“もちろん、まだ市場には出ていないけどね。外食産業にいま、ゾグは
鶏にかわってどんどん使われはじめている。ケンタッキーフライドチキン
がKFCって社名変更したろう? あれは、チキンじゃなくってゾグを
使っているってわかったときに、詐欺で訴えられないように、社名から
チキンって言葉を削ったんだ“
って説明されて、へえ、そうなんだって……唐沢さんは知ってますか、
ゾグの話?」
最初、日遅れのエイプリル・フールかと思ったが、どうもマジらしい。

さて、これをどう、都市伝説ですよ、と説明したらいいか。
「そんな新種の生物、食材に使ったら値段が高くてかえって値上がり
しちゃいますよ。安くしたいならごくフツーのブロイラーを使うのが
一番なんです」
とは説明したが……わかってくれたかな?

「でも、”ゾグ“ってどういう意味ですかね?」
「足(そく)に濁点つけたんじゃないですか」
と言ったら”あっ!“とは言っていたが。

ちなみに、”足のたくさんあるニワトリ”と聞いて、真っ先に思い浮かべた
のはこれ↓(1:50くらいのところ)
http://www.youtube.com/watch?v=Cahks8oV9mQ&feature=related

ちなみに、足を何本に増やそうと、胃袋の大きさなどが同じで
あれば、摂った栄養がそれだけ分割してしか行き渡らない
わけで、矮小になるだけで、大して生産性は向上しないのでは。

ライブ終ったあと、近くの名古屋居酒屋に三人で入って飲んで
いたら、水谷さん、スタッフの本田さんが来て、ちょっとテーブル席が
キツキツになった。さらに鬼頭さんと、ファンの女性二人が加わり、
奥の方へ席を移す。

いろんな話、吉野さん中心にワイワイ。
今日の演奏の話など。
鬼頭さんのシビアな意見と、それを聞く水谷さんの関係を見ている
うちにデジャブが起るが、ああ、NC赤英とハッシーの関係に
パラレルなのだな、と気がついて可笑しくなる。
ファンの女性お二人は、何とロンドンツアーまでついていった
そうである。彼女らに、
「ぜひ、唐沢さんに東京中低域と杉ちゃん&鉄平のコラボを
プロデュースしてもらいたい」
と頼まれる。
結局、ワイワイとなんだかんだで2時近くまで。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa