22日
水曜日
ヘソ入りカレー
思わず思いついたときは笑ったが、受けが作りにくい。
※角川書店原稿
朝8時、クリーニング屋さんが来て起される。
洗濯済みのワイシャツを受け取ろうとして、財布がないことに
気がつく。服のポケットを探ってもない。
酔っぱらって帰って、道で落としたか、現金はそんなになかったが
カード類が、と青くなるが、ふと、昨日は服を換えたのだった
と思い出し、そっちのポケットを探ったらあった。
ホウッ、と息をつく。
9時半、朝食。
昨日の大雨がウソのような青天。
さて、角川書店の仕事にかからねばならぬが、なかなかテンションが
上がらない。材料とか資料とか、ほぼ全部用意されていて、
メモなどもアガっているのに、何故書き出せないか。
むしろ、さて、何を書こうか、というあたりの方が、
いい具合に手探りから入って次第にテンションを上げていき、
最後にまとめられるからいいのかもしれない。
ハナからどーんと書き出さないと、というのがツラいのである。
昼は三食弁当。そぼろ肉と、いり卵と、高菜。甘辛い味のこれを
プラスチックのスプーンで食べて、と母の指示。
何やら幼稚園児になったようで可笑しい。
好田タクトさんの日記で知って驚いたが、ミュージシャンの
ケーシー・ランキン氏が1月2日に死去していたとのこと。
食道癌。62歳。
『探偵物語』の作曲、歌を担当。
われわれの世代には忘れられない印象を残した人。
http://www.youtube.com/watch?v=wryaDKEqoCQ
80年代には『超時空世紀オーガス』などアニメの仕事もいろいろしていた。
http://tinyurl.com/c6hblg
1946年、カンザス生まれでベトナム従軍経験を持つ生粋の
アメリカ人ながら、日本を愛し、日本人の妻を持ち、
71年から死ぬまで日本で暮らしていた。
食道癌の発見のきっかけも、正月に家族で初詣に行って、
立ち寄った馴染みのそば屋でそばを飲み込めなくなったことというから
まったく、日本人より日本人らしい生活をしていた人だった。
ベトナムで死線をくぐった経験から熱心な仏教徒になったというが、
でも神社に初詣に行くあたりがいかにも日本人的である。
しかし、その日本贔屓の”変なガイジン“の曲は70年代のわれわれに、
”本場のロックサウンド“を教えてくれていたのである。
平河町のあたりを、『BAD CITY』をウォークマンで
聞きながら、工藤俊作をきどって歩き回ったりしていたことを
しみじみ思い出す。
合掌。
食べながら書き、書きながら食べて、仕事すすめる。
予定では400字詰め原稿用紙20枚、1時間5枚というスピードで
書けば4時間であがり、手直し入れても6時には上がって、
7時からの下北の演劇祭を観にいけるはず、だったのだが、
ふと気がついたら、もう8時を過ぎ、結局書き上がったのが
9時を回っていた。
サントクにふらふらとした足取りで買い物に。
帰宅したら角川書店Hさんから電話。編集部サイドとしては
「こういうものを書いてもらいたかったという希望通りの原稿」
だそうでよかったが、あとは安彦先生のチェックと校閲。
まだ油断できず。
豚タンを茹でて、茹で上がるまでミョウガとジャコの和えたもので
マッコリサワー。
VHSで英国のコメディ『大惨事世界大戦』(Whoops Apocalipse)。
1986年の映画で、冷戦時代の状況と、フォークランド紛争など
英国植民地紛争をパロディしたブラック・サタイア。
イギリス風の、よくわからんギャグや、やたら下品な下ネタが多くて
参ったが、こういう話は好きなので楽しめた。
アメリカ大統領が急死(ピエロから大統領に成り上がったという
経歴で、レーガンのパロディなのだろう)して、副大統領の
バーバラ・アダムス(ロレッタ・スウィット)が史上初の女性大統領
になる。その混乱に乗じて、南洋の小国、マグアドラに共産主義革命
が勃発、独裁者となったモスケラ将軍(ハーバート・ロム)は
17世紀以来侵略しようとねらっていた隣国・サンタマヤに進攻
を開始する。サンタマヤの宗主国であるイギリスはさっそくこれを
攻撃、モスケラ軍を撤退させる。イギリス国民はこの勝利に
有頂天になるが、首相のモーティマー卿(ピーター・クック)は
それ以降精神に異常を来たしはじめ、不景気の原因が妖精のしわざで
あると主張したり、失業者対策として失業者を1万人集めて崖から
突き落とす、などの政策を実施しはじめる。
ソ連に亡命し、協力を取り付けたモスケラは、英国への報復のため、
英国艦隊に乗船していた王室のウェンディ王女(ダイアナ妃のパロディ)
を変装マニアのテロリスト、ラクロバットに誘拐させる。
すでに通常の思考が出来なくなっているモーティマー卿は、48時間以内
に王女が帰らないときは原爆を使用すると宣言、ソ連はそれを利用して
第三次世界大戦を勃発させようとたくらんでいた。あわてたアメリカは
これを止めようとするが、時間は刻々と迫ってくる……。
イアン・リチャードソン、シェーン・リマー、マーレー・ハミルトン、
クリフトン・ジェームスなど懐かしい顔ぶれも出ていて、
かなり金がかかっているように思えるのだが、果たしてペイしたのだ
ろうか、この映画。もとはテレビの人気シリーズで、『逃亡者』
『スペース1999』のバリー・モース、『謎の円盤UFO』の
エド・ビショップなどが出演していたものを、全くオリジナルの
ストーリィで映画化したものだそうな。