裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

15日

水曜日

田中、かっけえ〜!

「日本列島改造論、はんぱねえ〜!」

※ルナティックシアター『コント考現学』

『不思議の国のアリス』見たせいだろう、白黒の記録映画の夢。
明治時代にエチオピアの皇帝に嫁いだ日本女性の記録映画。
朝9時半起床、天候不順とのことだが
朝はまだ陽光キラキラ。
朝鬱は完全に治癒した模様。
人間の神経作用というのはよくわからん。

朝食時に少し母と口論。
50年つきあってきてもカミ合わぬところあり、
人間のつきあいは難しい。

自室で仕事、気圧のせいかなかなか進まず、これも
ちょっとイラつきの原因。
講談社メチエ『江戸の病』読了。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062584379/karasawashyun-22
「医学の発達していない江戸時代、疾病は今からでは想像も
つかないほど人間の暮しに大きい影を落としていたが、
しかし江戸の人々は陽気な諦念と共にその病を受け入れ、
病と共存していた」
というテーマは素晴らしいし、江戸時代に対しての大衆的イメージを
一変させる新しい視点がある。
とはいえ、氏家幹人氏のいつもの、膨大な資料群の博捜が、
逆に江戸の病気雑学本という感じに本書をしてしまい、
肝心のテーマが、その資料の合間合間に触れられる程度に
なってしまったのは残念。主張の方にスペースを多くとり、
資料はその補助に使う体裁の方がよくはなかったか。

“病とつきあう”という考え方に共感したのは、自分が気管支炎に
苦しんでいる時期に読んだためかもしれない。
症状は苦しいことこの上ないのだが、病気になると、
「自分の肉体を客観的に認識することができる」
という体験が可能になる。明け方、呼吸をしていると気管の
奥の方から、げわげわげわげわ、という発泡音が喉の方まで上がって
くる感覚があり、
「おっ、そろそろ来るぞ」
と思って待ちかまえていると、やがて咳の発作がやってくる。
苦しいのだが、頭の中の一部分ではその予想の的中に満足し、
「発作というのもちゃんと手順を踏むんだな」
と、妙に感心する自分がいるのである。

バーバラから電話。夜のルナのコントライブで落ち合ってゲラ手渡す
ことにする。その他いろいろ諸事、連絡。
昼は弁当、カニチャーハン。

仕事不捗、今日は諦めて寝転がる。
5時半、家を出て阿佐谷。
通りの向かいの岡埜栄泉で柏餅を買っておみやげ。
於阿佐谷ロフトA、『コント考現学』。
今日は乾ちゃんが退団で抜け、佐々木輝之がちょっと病気して
休み、さらにいつも客演してくれてる古舘の藤田由美子ちゃんが
愛媛での仕事が入って抜け、で、飛車角にプラスして香車まで
落ちた感じの舞台。果たして大丈夫か、と心配だったが、
お客さんがよく入ってくれたこともあり、みんな大奮闘。
新ネタもあり、親川とT田くんが助演してくれたりで、
いや、ルナの底力を見せたライブになった。
菊ちゃんが殊に頑張っていたのが印象的。

終って、マドや山口A二郎さん、シヴさん、T社Aくん、酔うと
意気投合するTディレクターなどと話す。
バーバラにゲラ、手渡す。某企画、手応えは十二分らし。
麻衣夢とそのお友だちの華代さんという人も来ていたがさすが、
他の一般人とは一線を画して目だっていた。あと、前・ラジオライフ
編集長のA氏にも会う。何といま、国書刊行会にいるとのこと。
山口さんからはちょっと頼まれ事。シヴさんは“伝・河鍋暁斎”の
妖怪画を買ったのだが、今度見て本物かどうか感想を聞かせて欲しい、
と言われる。

シヴさん、親川がちょっと話があるので他の店に行くという。
麻衣夢、華代さんもそっちに行くというので、ハッシーに、
後で電話してよ、と言って、坐・和民へ。
親川といろいろ話していたら、例のヨッパのTディレクターが
やはり酔って、琴ちゃんと一緒にやってきた。
今日は早くについてしまったので、阿佐谷でホルモン焼き屋で
一杯飲んでからライブに来たそうだ。

それから、菊ちゃん岡っちなども来て大所帯となり、
なんだかんだワイワイ話す。麻衣夢が
「すっごく面白い子です」
と紹介してくれた華代ちゃん、話にたがわず面白く、底なしに
酒を飲んでも全く乱れず。菊ちゃんと辛いもの話で盛り上がる。

何と3時過ぎのカンバンまで(ハッシーから連絡を待っていたのだが
無し。どうもマドと焼肉屋で私からの連絡を待っていたらしい)いて、
親川、菊、Tさん、麻衣夢、華代さん残り、騎虎の勢いで、よーし、
じゃあカラオケだ、というノリで、近くのカラオケボックスへ。
親、Tさん、麻衣夢は一曲か二曲唄ったところで沈没したが、
私はもう何か妙に元気で、菊ちゃん華代ちゃんと、
昭和歌謡全集になり、いや歌う々々。
『ゴマスリ行進曲』『熱き心に』『洒落男』『タバコ屋の娘』
などなど。

結局、店を出たのが5時の明け方。
タクシーで帰宅して、明日がつらいぞこれは、と思いつつ寝る。
歳を考えろ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa