裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

土曜日

Dカップ大関

相撲取りの乳萌え。

※トンデモ本大賞打ち合せ

朝8時半起床。
布団の中でストレッチして、その勢いで
エイヤー、と飛び起きる。
雑用いろいろ。
ゴミ出ししたり、風呂場掃除したり。
9時朝食、母の室で。
コーンスープとイチゴ(甘王)数粒。甘王は実の中まで
真っ赤である。こうなるともう、人工の食い物である。

ニューヨークの八百屋などだと、イチゴも本当に粒で数えたくなる
ような小さい、ヒネたような形の、赤と黄色の部分が半々くらいの
ものが木箱の中に大量に盛られていて、それを小さなシャベルで
すくって紙袋に入れて売っている。
果物としてはこっちの方が正しいあり方なのではないかと
思うのである。いや、甘王、確かに甘くて美味いが、
どこか間違っとるよ、という気になるのである。

メール、昨日出した原稿に対しKくんから
「冒頭が秀逸」
という褒め言葉あり。
こういう、書き手が苦心した部分をちゃんと掬って
指摘してくれるあたり、Kくんの編集能力の高さだろう。
彼が担当変えになるのは非常に残念。
T編集長は“次のもカラサワさん好みの変なのを選びましたので”
と言っていたが(笑)、いや、そりゃ確かに変な編集は好きだし
Kくんは変なヤツであるが、変であればいいってもんじゃない。
T編集長の人選眼を信頼はしているけれども。

一方でYさんとは仕事と関係ないプライベートなメール
やりとり。ラチもないコドモみたいなやりとりだが最近はこれが
一番楽しみであり、かつ自分の方向付けも明確になる。

昨日、リチャード・ウィドマークの24日の訃報を記したが、
そのウィドマークが自己の演技の代表作と認めていた
『ニュールンベルグ裁判』の原作・脚本・脚色者、
アビー・マンが翌25日死去。80歳。
こういう作品をものしてアカデミー賞をとるくらいだから
社会派なのかと思ったら、後にテレビ『刑事コジャック』の
製作総指揮を務めるなど、娯楽派のバリバリでもあった。
それにしても、同じ映画の関係者がこう日を近くして死ぬと、
どうしても“呼ばれたか”という感想になる。

昼は久しぶりに弁当、シャケ、卵焼き、ニンジン(だけ)のキンピラ。
ニンジンのキンピラが以外に美味し。
ニンジンはその色が華やか過ぎるせいで、個性が強い食材なのに
主役を張ることが滅多になく、ワキの彩り役に使われるばかりで
真の実力の発揮の場が与えられていない食材と言える
(ニンジンに例えてだれかさんのことを言っているのだな、
などとカンぐらないように!)。
男体山漬けもそうだが、こういう主役料理でニンジンの力を、
もう少し見直さねばならないのではないか。

原稿書きに本日は夕刻まで費やすつもりだったが雑用多く
サッパリすすまず。
そもそも、ここ数日夜の飲み続きで、資料映像もせっかく
揃えたのに見られていない。

ぐずぐずとパソコンの前でああだこうだとヒネっていて、
家を出るのが遅れる。バスで新宿、乗り継いで渋谷。
書庫で資料を探すが見つからず。というか、いつの間にか
整理で本が入れ替えられていた。
仕方なく、別方面の原稿案を練るにとどまる。

6時、バスで新宿に。西口から歩いて区役所裏まで。
ルノアール会議室にてトンデモ本大賞打ち合せ。
今日はゲストの坂本頼光さんを交えて、そこらへんの説明と
準備打ち合せ。出席者は大会番長しら〜さん、舞台監督I矢くん、
映像機材担当のび太くん。

打ち合せは互いの確認事項の伝達くらいのところで完了。
親睦会に移行しましょうと外へ出る。
いつでもかつでも『上海小吃』でも芸がなかろう、と
『カンちゃん』に行くが、満席でダメ(エレベーター開けたら
いきなりキラー・カーンがいたので頼光さんはオドロイテいた)。
何か映画かテレビの撮影をしている路上を渡って、
近くの沖縄料理屋『古酒工房』に。

ここで遅れてきたFKJさんと合流。
しら〜さんが、ルノアールからこの店までの道順を
電話でむちゃくちゃ正確に、途次の店の名前まで挙げて
指示していたのに驚愕する。方向音痴の私にとっては、
よく出来た道順説明は魔法と区別がつかない。

頼光さん囲んで、ソーキ鍋などつつきつつ、いろいろ雑談。
活弁士として将来的にもやっていくにはどうすればいいのか、
というような根本的なことから、マニアックな古い映画や
共通の知人の話、平山プロデューサー礼賛、古い映画俳優
(高瀬実乗とか)の話題まで。

頼光さん、アツい人で、I矢くんがいろいろ語るのに
「いや、I矢さん、それは違いますよ」
と言うので私、爆笑。
「凄い! I矢くんに“違いますよ”と言った!」
とはしゃぐ。バカだね。

そこを出て、しら〜さんと坂本さんと三人でもう一軒、
ギョーザ屋さんで、床が脂でぬるぬるする店に入り、
皮まで手製のギョーザ食べながら、さらにいろんな話。
とはいえ、もうここらは半ばベロのタワ言である。
頼光さんはタントンに通っているようだが、
「最近、カラサワ先生来てくれなくって」
とか言っているとか。
頼光さんと別れ、しら〜さんとタクシー乗りあいで帰宅。
肌寒いが、桜がそれだけ長持ちしそうでホッと。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa