裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

木曜日

カナディアン忠臣蔵

歌舞伎座バンクーバー公演。

※廣済堂ゲラチェック半分、『ポケット!』打ち合わせ、文サバ

朝8時45分起床、まずい、どんどん寝坊になる。何とか入浴、昨日の湯の焚きなおし。9時15分、朝食。青豆スープ、オレンジ、ブドー。ブドー、甘いがタネが柔らかく、噛みつぶすとジャリ、と口中にカスが残り不快。

さすがに二日酔い。ただし牛乳酒でなく、その後の日本酒の酔いであると思われる。日記つけ、少しベッドで横に。

昼はキャベツチャーハン。パソコンの前でもそもそと。頭がまとまったことを考えられる状態でない。3時、渋谷へ。またタクシー。時間割で『ポケット!』打ち合わせ。イニャハラさん遅れ、オノも遅れるとのことでI井くんと二人でポソポソ。オノが来て、何故かエロばなしになり、なぜAVで“飛びっ子”はジャンルが確立しておらず他のものの補助でしかないのか、とイキドオル。イキドオルこともないが。

事務所に一旦帰り、廣済堂の雑学本のゲラチェック。バイク便が速く来てしまったので半分しか出来ず。6時半、文サバ。二日酔いの後引きでろくな話もできないが、まあまとめられはした。Kさんという軍事ライターの受講者からつっこんだ質問あり、今日は本当はそういう問題を話したかったのだが、しかしいま現実に進行中のプランあり、たぶん文サバの授業としてこのプランの進行報告は格好のものになるはず。参加者の女性、Oさんにペンネームをつけてあげる。暮のコミケで報告受けたのだが、今度官能作家としてデビューするのだそうで、ペンネームを頼まれたのである。で、考えた名前が“沢泉 貝”。唐沢の沢に、文章が泉のごとく湧くように、というので泉、官能作家らしくて、あまり使われてない漢字で、と思って“貝”。それほど奇矯でなく、かつ一発で覚えられる名前を、とひねった末。

終わったあと、軽く近くの焼き肉屋で新年の飲み会。向かい側でサンズの新年会があって、野田義治氏を近くでまじまじ見ることが出来た。なるほどカリスマぽい雰囲気あるが、こんな焼き肉屋で新年会するというのは意外。お年玉ビンゴなどやってて、若手社員がやたらやかましいノリで話しずらく、やや迷惑。受講生のYさんの財布が見えなくなり、ちょっと心配であった(後から出てきた。やはり教室に落としていた由。現金はともかく、免許証だのカードだのは無くすとややこしいので、まず見つかって安堵)。

そのあと、アスペクトのK田くん、オノ、バーバラで英寿司。K田くんに女性二人が結婚を奨めて大はしゃぎ。そう言えば私の担当編集者には独身者が多い。
「既婚者はすぐ家に帰りたがるから担当編集者は独身にしろと要請している」
という作家さんもいたな。『愛ルケ』がいかに中年男のディズニーランドとして機能しているスゴい作品か、と説き、あれをクサしている青い評論家ども(大森望とか)のバカさ加減を述べる。そんなことだから出版が不況になるのである。

『社会派くん』幡ヶ谷号外は好評サクサクらしく、満足。『乱世編』もすでにほぼ在庫切れ状態らしい。いろいろ話して、帰宅のタクシーに相乗りしたのが2時過ぎ。確かに結婚してしまってはK田くんもここまではつきあえまい。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa