裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

1日

火曜日

シャベクットルマン

「こちらネビュラ71。蒲生譲二、しゃべくっとらんで変身せよ」

朝7時半起き。ゆうべ風邪薬を二種類、合わせてのんで寝た。起きてしばらく、頭がボーッとしている。いい気分のボーッであるが。入浴、汗止めローションをつけても汗はかく。なぜ涼しいのに汗をかくか。9時朝食、青汁、コンドロイチンシロップ、スイカ二切れ、スープ。それにミルクティー。母にオレンジーナ(昨日届いた)を一本進呈。気に入った模様。

日記つけ、原稿書き資料。恵比寿ガーデンプレイスでの猫三味線イベントの概略をざっと企画書としてまとめる。もっとも、正式にはまず向こう側の“こうやりたい”という希望を聞いてからとなるので、心覚えのメモ程度のもの。それにしてもスケールはでかそうでいい。

1時半、タクシーで渋谷。車中でウトウトしてしまう。まだ体の疲れ、完全にはとれてない。2時、時間割にて『こだわり人物伝』打ち合わせ。何度も打ち合わせを重ねているが、今回出来てきた台本、非常にイメージが具体的になってきていて、非常に話しやすくなっている。これは私が単なる一視聴者でも見たくなる。

事務所帰る。今日はオノは休み。原稿、『pront pront』コラム。途中まで書いて、中断して神保町へ、カスミ書房さんへ赴き
某件打ち合わせ。毎度お世話になります。雑談いろいろ。となりのくだん書房さんをのぞくと、よさげなものが飾られている。非常に食指動くが、夏は金がいろいろ出る時期でもあり泣く泣く諦める。

どうもおかしいなあ、と思うのである。毎日これだけ一生懸命働いていて、それなりの見返りもあるのである。最近、レオンの元編集長とか、極楽とんぼの山本とかの収入が新聞などで記事になるたびに
「へえ、あれだけ騒がれていてこの程度?」
と思うのである。ヘタをすると私だって彼ら以上に稼いでるのである。しかしながら、彼らの方がよほど優雅な生活をしているような気がしてならない。なぜ私はあれだけ稼いでこうキュウキュウなのであるか。マンションの20年ローンを4年で返そうなどという無謀なことをしているためだ、と言われればそれまでなのだが。

地下鉄半蔵門線に乗るが、用賀のあたりで人身事故とかで止まる。ソロソロと動き出したが、渋谷止まりになるというので表参道で降りてタクシー使う。

『pront pront』書き上げて編集部とK子にメール。それから電話何本か。いずれも原稿催促。10時、銀座8丁目に出て、K子と待ち合わせ、天國裏の和食処へ行く。このあいだキミと一緒に行った店だとか。黒ビール飲みながら、旅行の話や、新番組の話など。京都、金沢、長野とちょっと大きめの旅行がこの先連続する。稼いでも稼いでもたまらん、という話をしたらやはりわれわれの場合、現在の仕事場の家賃支出がガンだという。渋谷に二つ(今の仕事場の他に、アパート二部屋)、新中野に一つ(K子の仕事用)と都合三つもあるのは確かに贅沢であろう。K子の仕事場と倉庫用アパートを統合して新宿あたりにひとつ持つか、と話す。伊勢丹に歩いて通うというK子の人生の目標、いよいよ実現か。

料理は串揚げ、サンマ刺身、生しらす、豚ロース山葵焼きなど。黒ビール小二本、梅干し入り焼酎三杯。この店、もう少し料理や酒の銘柄に特徴を出した方がいいように思う。上品で味もいいが個性がない。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa