8日
土曜日
ジュード・ロウ一直線
今度の役はは足でピアノを弾いて歌うんだぜ!
肩が、凝ったとか痛いとかでなく“苦しい”という感じになって目が覚めた。ここしばらく肩凝りになってなかったので驚いた。たまって来た感じである。あわてて飛び起きようとしたら足が攣った。筋を伸ばして、しばらく休んで、また起きようとすると攣る。始末に負えなくて困った。全身にガタが来ているようだ。
結局、8時に起きた。夢で信頼している某人物になぜかビンタをはって、何かを白状させようとしていた。どういう精神状態が見せる夢か。天気はそう悪くないが、鬱である。
9時朝食、コーンスープ、クルトン入り。スイカ。『ぶらり途中下車』を見る。阿藤快が旅人。いいなあ、こういううまいものを食べ歩く商売は、などと思うのも鬱の証拠か。渡辺文雄がその苦労をいろいろ語っているのも知ってはいるが。
実際、モノカキ、しかも私のような雑文書きは、自分の好き勝手なモノゴトへの感想を文に綴ってお金がいただける、他の仕事に比べてかなり気楽な稼業なのだ。人様をうらやんではバチが当たる、と鬱の自分に言い聞かせる。日記つける。昨日の日記の補遺だが、帰宅途中、成子坂あたりでちょっと大きめの交通事故があり渋滞した。観光バスらしきバスが止まっていて、どうもその車体の下に血のあとがあったような。
鬱のときはしかし、原稿仕事ははかどるのである。意外だが、動かないでいい仕事だからであろう。『男の部屋』原稿まず5枚。橋沢さんから今日の稽古の問い合わせ、行きますと答えるが、〆切のかねあいでかなりの遅刻になりそう。
原稿3時にアゲ、さらに『ポケット』挨拶文書いて連絡用コミュにアップするが、体力を使い果たし、ベッドで30分ほど眠ってしまう。起きて大急ぎで“社会派くん”ゲラチェック。これが書きたし部分多々。全体(400字詰60枚以上!)の二割は書き足した気が)。完成させて送ったのがもう7時近くになり、しかもまだ一本、テポドン号外原稿が残っている。
ひょっと、鬱の原因ではないか、ということがアタマに浮かんだ。なんだ、そんなことか、と思ってアホらしくなったが、しかしこれは案外大きいことではないか、と思えてきた。それで、そうなった原因みたいなこともいろいろ頭に思い浮かんだ。要は因をなすのはみんなあの連中か、俺の鬱に関してはと思い大いに腹が立つ。
ぎじんさんから、ノリローさん(ダーリン先生の奥様)がブジオの出演回の同録が欲しいと言っていると聞いて、届けに上野に出かける。早めに着いたのでライブの後半のみ聞く。満席の盛況。開田さん夫妻が席を譲ってくれた。これからSF大会に参加のため松島に行くんだそうだ。
待乳庵さん、イネガルさん、ぎじんさんたち会場のマイミクさんたちに挨拶。ダーリン先生の歌をちょっと聴くが、服がアニエスbなのに驚いた。やはりおしゃれが抜群に似合う。そういう人が間抜けメイクで忍者の格好で売れたというのが面白い。奥さんのノリローさんは緑色の服で、ダーリン先生に“ネギ”と言われていた。自分の癌のことや、知人がやはり癌で死んだことをギャグにして、観客席がみんな大笑いするという、この雰囲気が凄い。笑いの底に底光りする人生が感じられるので笑えないことでも笑えるのである。
打ち上げ、待乳庵さんに誘われて参加。さだやんさんも来た。加賀屋、30人来てくれないと足が出ると先生、舞台上で気にして何度も言っていたが、席が足りないのではないかと思えるほどの盛況。今日は初めてのお客さんが多いというのでフラ談次が司会で自己紹介。ノリローさんの挨拶、
「四代目でございます」
にみな爆笑、拍手。結婚相談所をやっているという和服姿のパワフルな女性とか、夫君が荒俣宏の『世界大博物図鑑』の装丁をやっているという女性とか。女性ファンが多いのはダーリン先生の会の特徴だが、いろいろユニークな人がいる。さだやんさんともいろいろ話が出来て楽しかった。酒席での毒舌は芸のバロメーターになるというが、ダーリン、さだやんの二人を前にすると、それをつくづく感じる。お開きまで居残っていて、11時過ぎ帰宅。鬱はかなり改善された模様。行ってよかったと思う。