裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

27日

水曜日

奥多摩お手をどうぞ

 五日市ダンスパーティ。朝7時起き。朝食、新宿京王プラザで買ったパンと鶏の中華風炒め。たまっていた新聞を整理。『怪獣王ゴジラ』のプロデューサー、ポール・シュリーブマン氏死去、92歳。はっきり言って、この名前を知っている人はよほどの怪獣マニアでも滅多にいないと思うが(海外版演出者であるテリー・モースの名前ならともかく)、よく新聞に載ったと思う。ところで『怪獣王ゴジラ』だが、珍妙な日本描写はともかくとして、モンスター・ムービーとしては、むしろ本家日本版よりよく出来ていたのではないか、と思う。日本のスタッフはゴジラをゲテものにしないためにさまざまなテーマ性を作品の中に盛り込んだが、そこらへん、ゲテ映画を作ることに何のコンプレックスも持っていないアメ公どもは、ひたすら化物としてのゴジラの脅威を強調した演出であの映画を再構成し、結果としてスッキリしたエンタテインメント映画になり得ていた。ゴジラは“ここ”に帰るべきでは?

 社民党のテレビCM、民放連が放映を拒否しているとか。小泉首相を暗示させるもので、“本当に怖いことは、最初、人気者の顔をしてやってくる”と、独裁者誕生を用心しろというメッセージ。ほう、だいぶ前のことではあるが、おたかさん人気などと言われてマスコミが騒いでいたとき、社会党はそういうメッセージを発しましたかね。国民を、人気政治家一人が出ただけで軍国主義時代に逆戻りしてしまうバカとしか扱ってない態度こそ問題じゃないかねえ。

 疲れとれず、微熱続き、午前中はぐったりとして過ごす。日記アップしようとしたがニフティのサーバー不調で自分のHPにのみアクセスできない。札幌の情報誌に新連載の原稿のみアゲる。出来はまあ、いいのではないか。昼はパックのごはん温め、塩ウニで食べる。後楽園ジオポリスのトラッシュフェスティバルのゲストとして中野貴雄監督に電話で出演要請。OKをもらう。

 2時、渋谷から井の頭線で西永福。佐々木歯科に行く。予約していた歯科技工士の子が、身内の不幸で帰省しているとのこと。シンクロ率20パくらいの偶然。別の技工士さんが歯石をとってくれるが、彼女は機械を使う。40分くらいかけてそれをやり、ひと休みしてから続いて歯の治療。ずいぶん前にかぶせた右下の金属をはずし、その両脇の歯を治療して、仮歯をかぶせる。これに2時間。ここの歯医者の患者は半分が子供だが、子供相手にもきちんと治療説明をし、会話しながら治療を進めていくところが新しい。また、今の子供は医者相手にも臆せずちゃんと話せるのである。ここらへん、都会の子なるかなと思う。

 疲れが歯医者でちょっと取れた。横になっていられるのと、他人に体をあずけているというリラックス感のせいだろう。歯をガリガリ削られながらウトウト眠れるのに驚いた。治療後、渋谷まで戻り、そこから地下鉄で青山へ出て買い物。パンなどを買い込む。

 その後、仕事がらみの電話何本もあるが、ハイハイとのみ答えて、ほとんど仕事せず。後楽園ジオポリスに提出用の出演予定者プロフィールを書き、メール。8時、参宮橋クリクリにてK子と夕食。自家製パスタがおいしい。佐々木歯科がここのエリさんの紹介だったと初めて知る。ずっと、『虎の子』の方の紹介だと思い込んでいた。エリさんはネット始めて、十年ぶりの友達に再会し、メールをやりとりしていたらバトルになり、絶交してしまったとか。ネットコミュニケーションというのはそもそも人間関係構築には向いてない。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa