裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

3日

日曜日

ホリデー安兵衛

 なに、日曜に高田馬場で決闘? 朝7時半起床。ネパール王室関係記事をテレビや新聞であさりながら朝食、イチジクにヨーグルト。チベットに行ったとき、八角街の市場などでしょっちゅう突発的なケンカを見た。中には夫婦ゲンカで刃物まで持ち出してギャイギャイ言っているのもあった。チベットみたいに空気の薄いところでよくカッとなれるものだと思うのだが、低い気圧に慣れていると、低温でお湯が沸騰するように、すぐカッとなるらしい(そのかわりすぐ平常にもどるらしいが)。ネパールも空気の薄い国だから、あの王子も結婚に反対されて、つい、頭の血液がカッと沸騰してしまったのではあるまいか、などと無責任に考える。

 K子に弁当(ジャガイモと牛肉のカレー炒め)作り、原稿。Web現代をやっていたら、週アスの方を先にやれ、と言われて、原稿乗り換えて、12時半に完成。メールして、と学会例会に出かける。会場が道玄坂の、家から歩いて15分のところなのが極めて便利。1時少し前についたので、近くの書店でレストランガイド(二次会会場の予約用)と、昼飯の鉄火巻を買う。

 会場の貸会議室、これまで使っていた東大の教室にくらべれば少し狭いが、まず十分使える。今回は前の例会から時間があいているので、ビジターが多い。以前Web現代で紹介したサイト『宇宙人大図鑑』のKさん、九州会員のHさんの誘いで来た、ライターのとみざわ昭仁さんなどと挨拶。総勢50人ばかり。発表を開始するが、さすがにみんな溜っていたな、と思わせる内容。山田高明さんの、トンデモな内容の中国歴史教科書の紹介から、植木不等式氏の宝塚歌劇団オーパーツミュージカル、眠田直氏のどーしよーもないエロアニメコレクション、奥平広康くんの『と学会メンバー大虐殺小説』など、それぞれの芸風を如実に見せる発表が、内容以上にオモシロイ。最初から最後まで大笑いが響く。私は石原豪人・画の『怪傑ライオン丸』絵本と、英文での回文集『I LOVE ME VOL.I』。このタイトルも回文になっている。平石わかなさんが電波人間タックルのコスプレで登場したのにはオドロいた。

 中休み時間に、事務方をこれまで勤めてくれていた柳瀬くんから芝崎くんに引き継ぎの承認、それから事務関係での確認事項いくつか。例会で例会らしきことをやったのも実にひさしぶり(極初期に運営委員を決めたとき以来じゃないか?)。そこで、“と学会口座に只今現金、幾許ありや?”と確認をとる。まあ、こういう趣味の集まりとしちゃなかなかの黒字ではあるが、巷間、その儲けをめぐってと学会内部で金銭トラブルが起きている(笑)とウワサされるような御大層な金額ではトテモ無し。かわいいもんであります。

 貸会議室の欠点は、予定が日曜などはつまってケツカッチンになっており、時間厳守で追い出されること。そのため、発表が出来ない会員が何人かいた。この件を今後考慮の必要あり。自分の発表が終わったあと、二次会会場確保に電話かけまくるが、なにしろ40名以上が二次会に参加するとあって、なかなかそれだけの席が空いている店がない。やっと道玄坂にほんばし亭の座敷が取れる。

 二次会から、本日東宝のゴジラ映画のエキストラに出演していたH・Sのご両人、談之助師匠、K子なども参加。雑談で大盛り上がり。談之助さんは気楽院さんが持ってきた十年前の子供番組のビデオ(モロにロリコン)を借りていた。ビジターの人に“いや、つくづく気楽な会なんですねえ”と感心(?)される。鶴岡は神戸のラジオ番組のレギュラー枠がとれたというのでイキオイ、当たるべからざるもの。神田古書街を舞台にした美少女アニメなどを見せてもらう。古書センターのエレベーターに、優良客専用の“地下売り場”がある、などという設定にひッくりかえる。神保町ファンの誰もが一度は考える妄想を、よくまあ美少女アニメにした。

 三次会にまで三○人以上が残る。『九州』に電話して、“何人くらい入れますか”と訊いたら、“何人さまでも!”とのことなのでここにGO。電話するとき、K子に“電話番号わかるかな?”と訊くと、“キミは昨日、メモしていた”と言われる。メモ帳を見てみると、確かに書いてある。まるで覚えがない。無意識のうちに二次会に頭を悩ませていたものと見える。ここでも何か狂躁的盛り上がりで、ありとあらゆる話題でワヤワヤと。モツ鍋とチャンポン、焼酎水割り。大いにアドレナリンを放出した。二次会で初代事務局長のKさんに、“しかし、よくここまで大きくなりましたねえ。覚えてますか、カラサワさん、と学会を創設するとき、「大丈夫、こんな変な趣味持っているヤツなんて、日本に二○人いるかいないかだから」と言ってましたよ”と言われる。そうなんだよ、日本にそんなヘンな奴らがこんなにいるとは思ってもいなかったのだよ。11時過ぎ、帰宅。児嶋都が山本晋也の娘ぇ!?

Copyright 2006 Shunichi Karasawa