裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

4日

月曜日

今そこそこにある危機

 肥満とか、老後とか。朝7時半起き。昨日しゃべり過ぎて寝るときノドが腫れていたので、ユニーをのんでおいた。なんとか大丈夫。しかし、オレもおしゃべりが好きな男である。朝食、ハムサラダとイチジク。サラダに使ったマーシュが新鮮でおいしかった。ニュースショーでネパールの王子の映像。いかにもお坊ちゃんという感じの顔つき。こういう顔の人間は、いったん自分の我を通せないとなるとキレる。

 暑くてジトジトと汗ばむ。昨日あまりテンション上げすぎたせいか、日記書き、K子に弁当(カボチャの鳥そぼろ)作ったあと、本日は昼すぎまでずっとダラダラ。何か胸にものがつっかえているような感じ。何もする気にならず。と学会本用の本などをパラパラ読んで過ごす。岡本光極『自分自身の為の名探偵術』がスゴい。昼は外に出て、キッチンハチローでランチ食うが、揚げ物で口の中をヤケドする。東急ハンズで腕時計を買う。

 帰ってもまだゴロゴロ。二時半に救心内服液飲んで家を出て、中野のフィギュア王編集部へ。なをきと円谷英二について対談。行く途中でオーピン氏に会った。ワールドフォトプレスは何度か来ているが、社屋全体が倉庫のような会社である。会議室のある階に行くのに、別の階に一度エレベーターで行き、そこから階段で降りていかねばならない。対談、もう何度も話したことの繰り返しになるかと心配したが、内容はそうでも、ひさしぶりの兄弟対談で、両者イキがあい、うまい具合にカミあったようになったのではないかと思う。ここらへん、やっぱり他人とのやりとりとはまるで異なる。

 三十分ほど話す。編集のNくんに、なをきとの連載の単行本は出るのか、と訊いたが、社長が単行本をなかなか出させてくれないとのこと。小屋とか、カヌーとかの本でないと出ないらしい。なをきが、どこかでも少し話そうよ、というので、サンモールの喫茶店に入る。カイジュウの話、カイジュウ業界にまつわる人たちの話。彼もまた、純然たるノスタルジーの人間であることを確認する。

 一時間ほど話して、帰宅。少しつかえも晴れたような気がする。電話数本。札幌の情報誌から、連載の件の確認。原稿料はいくらくらいがよろしいでしょうか、と向こうがオソルオソルという感じで訊いてくるので、そちらはだいたいどれくらいを想定していらっしゃいますか、と逆に訊くと、××くらい、と言う。こっちが思っていた額の倍だったので、ちょっと驚いたが、何気ない風を装って“あ、それでよろしいのじゃあないでしょうか”と答えておく。自分から言わないでよかった。アンソニー・クイン死去。『アラビアのロレンス』の、粗暴だが子供っぽい盗賊の親玉役が、最初テレビで見たときの北村和夫の吹き替えが抜群だったこともあって、印象深い。親父が粗暴で無教養なのに、幼い息子が美少年でやたら賢くて、それを参謀にしているという設定は、かなりのSFマンガがパクったのではあるまいか。

 ついに原稿まるで書けず、夜になる。外へ出て、東急本店の方まで歩く。渋谷の夏はまるで海水浴場か、というような、肌の露出度合戦となる。返って暑苦しい。東急でK子と夏用のズボンと帽子を買う。ついでにK子のクツも買ってやる。ボークスのショップの近くにある、イタリアンレストランに行く。8種類もつくオードブル盛り合わせ結構、パスタは省略してホロホロ鳥のインヴォルーブ。グラッパを食後に頼んで暑気払い、自堕落払いとする。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa