裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

28日

日曜日

アン・マキャフリャー

 鯱の騎士だぎゃあ。朝、8時15分起き。すっさまじく深い眠りだった。朝食、また黒五パン。おまけにそれにノリのせて黒六にして食う。果物はイヨカン。雪はやんでウソのような好天気。日記アップする前に珍しくダ・カーポ原稿一本、書き上げ。どうってことない原稿だが、文章の質は確保しているし、第一、書いていて楽しいのはよし。とりあえずレベルをクリアするというのは連載仕事の基本である。一回ごとに意義だの新視点だのがあっちゃ読む方もたまったものではない。母から電話。まずまずの機嫌。

 K子に弁当。菜飯と卵焼き。ちと必要あってVAIOのことを調べていたら、ネットで“SONICFLOW楽しいコンテンツ大募集!”というサイトがあり、なんだかよく知らないがVAIO画面で流すCGアートのコンクールのようなことをやっていた。その入選作の中の「Earth Song」という作品の、CG制作者が伊藤剛、音楽の作曲が森卓也。同姓同名は珍しくないが、いきなりこの二つの名が並んで目に飛び込んでくるとビックリするですよ。

 昼は炊きたての御飯なので、生卵をぶっかけて。それと鮭の粕漬け。談生さんのサイト『しこたま』で、卵かけ御飯のあまりのおいしさに、談生家では卵のことを“おたまごさま”と呼んでいる、という記述があった。それを思い出して笑いながら食べる。実はニワトリにこの卵を食べさせると、やはりそのあまりのうまさに病みつきになり、自分の生んだ卵や、同じ鶏小屋の他の卵までつつき壊して食べてしまうようになるので、一度でも卵を食べたニワトリは廃棄処分にするしかないそうだ。人間の肉というのも、ひょっとして?
・グロが嫌いでない人はこちらへ。も少しウマそうに食べてくれていればな。
http://vatican.rotten.com/infantiphagia/taboo2.html

 書庫にこもって資料調べ。いくら探しても出てこないものがある。毎日新聞社『シリーズ20世紀の記録』を読んでいたら、編集長西井一夫氏の文章に、“やくざ映画の主人公の名前に、花田秀次郎とか、菊二郎とかいう“次”“二”のつくものが多いのは、彼らが長男ではなく、長子相続制度のもとでのあぶれものだった次男であることをあらわしている、という指摘があり、ちょっと衝撃を受ける。

 原稿、例によって調子出ず、夕方になってやっと書き出す。書き出すとすすむ。エンターブレインをやって力尽きる。9時、K子と家を出て東新宿『幸永』。満員で、20分ほど待つ。この寒空にこれだけ並ぶ気にさせられるのもここくらいか。着ていたレインコート、胴の部分は裏に冬用の裏地をチャックで取り付けられるようになっていて暖かいが、腕が冷えて弱った。例によってスライステール、極みホルモン、豚骨たたき、豚とろ。ホッピー二本。

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