裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

9日

火曜日

ズゴック極楽閻魔さま怖い

 針の山まで飛んでいけ。朝8時起き。精神状態は復調。やはり酒のせいだったか。朝食、昨夜の茶飯に鍋の汁をかけたオジヤ一パイ。リンゴ数切れ。点滴殺人の准看護士事件、明らかに不条理極まる大量猟奇殺人なのに新聞の論調もテレビの論調も、こういうヤツ、いてもおかしくない、と、最初から理解しちゃってるムード。すでにこの程度のキチガイでは誰もオドロかなくなっているということか。

 やっと仕事復旧で、あちこちから電話。こちらのアタマはまだ正月ボケが尾を引いているらしく、打ち合わせの予定とかを、電話でハイハイと言ったまま忘れていたりというのがかなりある。うーむ。SFマガジンを書き出す。某作家について書いているうち、タダナラナい悪口になってしまったので、そこの辺り全てカット。

 昼はオコワのパックを温めて、カツめし。鍋用にとったダシで菜の花のミソ汁を作る。資料本を買いにパルコブックセンターまで行く。hitomiの写真集、エッチだというウワサなので買ってみたが少しもエッチでない。落胆。髪の毛で胸を隠す、というのは『青い珊瑚礁』でブルック・シールズもやっていたが、アニメならともかく、あれほど不自然なものもない。これだけ世の中が進んでも(笑)、やはりアイドルにとって乳首見せるというのは超えてはいけない一線なんだろうか。

 樋口ヒロユキ氏のほんやら堂掲示板、オタク/ヤンキー論争らしきもの(?)が始まっているが、きっかけになった書き込みした奴がバカすぎ。「暴走族の集団暴走行為は付近の住民に迷惑をかけますね。でもバイクで走る側の気持ちや理屈もわかる。だから、市民用のレース場を解放しましょうとか高校でもバイクの講習会を設けましょうという制度上の問題に目を向けてより良い方に変えていこうという姿勢を保ち続ける形の大人の成り方があるはず」 なんて、新聞の投稿欄にも最近はここまで的はずれな意見は載らないやな。まあ、それはどうでもいいが、賢そうな書き込みをしたいなら、“ロベス・ピエール”という表記はなんとかした方がいい。赤い稲妻あたりにからかわれている。何か、昔なつかしいFMISTYの“アレク・サンダー”を思い出してしまった(エックス・カリバーてのもあったなあ)。

 仕事中に電話。“Yですぅ・・・・・・”と、聞いたことのある声だったが、誰だったか咄嗟に思い出せない。やっと、以前薬局新聞の編集長をやっていたY氏であると思い出す。私と同い年で、私が処女出版の『ようこそ、カラサワ薬局へ』を出版したときに、それを読んで面白がって、コラムの連載を依頼してきてくれた人である。言わば唐沢俊一というモノカキの第一発見者の一人なのだが、数年前、“やってみたいことをやる、これが最後のチャンスの年だと思いまして”と言って編集長にまでなった薬局新聞を退社し、その後企画プロデュースの仕事などをやっていた人である。なんでも、昔の知り合いから頼まれて、講演をお願いしたい、ということらしい。ギャラも格安なんですが、ということだったが、他ならぬYさんの持ってきた話ということで請けることにする。もっとも、予定日が今年の十月。よほど私が、先々のスケジュールまで決っている売れっ子と思っているらしい。

 6時過ぎ、やっとSFM脱稿、メールする。今回も、用意した資料とはまったく別のものを使った原稿に結果的になってしまった。それがまた、面白いところではあるのだが。7時、幡ヶ谷チャイナ・ハウスで、週刊アスキーに接待を受ける。・・・・・・いや、ブツの写真を撮るついでに何かオゴれ、とK子が催促したんだが。去年、長野で買った、スズメバチ酒を持っていく。担当のEさんとカメラマンさん。酒飲みながら話すので、Eさん担当のいしかわじゅんの話題などが出るたびに、Eさんが困ったような顔をする。カメラマンさんがウレシそうに笑うのがまたおかしい。チャイナ、今日はタラの芽とエビの炒めもの、水ギョーザ、子待つなと中華ベーコン、など。

 スズメバチ酒を撮影して、少しその後ですすってみる。味は思ったよりもマロヤカである。しかし、本当にこれが、買ったときに言われたように、“一日スプーン三バイまで。それ以上飲むと立ちっぱなし”だとか、“奥さんには飲ませないこと。殺されるからネエ”とまで言うような効果があるのか? 雪がチラつく中、タクシーで帰宅、10時半。その晩は夫婦で大いに燃える・・・・・・どころか、少々腹が下って、私は整腸剤をのんだ。まあ、民間薬なんてこんなもんさ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa