8日
月曜日
獣欲剛を制す
堂本くん、ねらわれてます。朝7時半起き。昨日の酒と酔っ払いぶりの後悔で、気分晴れず。もっとも、これは酒の大酔の後に決ってくる精神状態で、酒を飲むとセロトニンが欠乏して、抑鬱状態になるのだ、と、昔親父がよく言っていた。それにしても、昨晩やらかした失礼の段々が思い起こされて、食事の用意などをしながら時折、ギャッと叫び出したくなる。朝食、何食ったかも覚えておらず。スーフェスなどに足を向ける気にもならず。
K子に週アス用のブツを渡す。第一、第二候補を手に入れ損ねたので第三候補。窓の外の雪、途中から雨に変わったらしく、思ったほどつもっていない。それでも今日の成人式、晴着の女性たちなどは苦労するだろう。成人式の報道は大抵、“こんなバカでも20歳”という映像ばかり流す。そっちの方がオモシロイからであるが、それに洗脳されたオトナたちは、若者ことごとくがバカというイメージに凝り固まって、一切若い世代に希望を託さなくなる。日本は結局、テレビ報道でツブれていくであろう。別段、それが悪いことだとも思わないが。
昼メシは釜あげうどん。でんぷん質はセロトニンの分泌をうながし、気を晴ればれさせる効果があるというので、少しそれに期待する。失恋太りというのはココロの防御本能(ヤケ食いをしてセロトニンを放出させようとする)なのだな。
年賀状の第三陣くらいのが来る。カタログハウスSくんはこの日記で絶賛しているから、というので幸永に行ってみて感激したそうだ。“次の打ち合わせはぜひ、幸永でやりましょう”などと書いてある。近藤ゆたかから、ちばこなみと結婚準備中、という賀状が来たのにはオドロいた。わかるようなわからんような取り合わせである。
Web現代を夕方までかかって書き上げる。鬱状態にしてはオモシロイものに仕上がった、と自分で思う。徳川夢声関係の文献収集家としてはウカツ千万な話だが、資料としてコレクションしていた古雑誌の中に、かなり貴重なインタビュー記事があった。今回、別件で古雑誌を何冊か検索している最中に、偶然発見したのである。とにかく、この連載は編集部内でも好評ということなので喜ばしい。メールして、買い物に出かける。
SFマガジンをちょっと書き出すが、まるでまとまらず放棄。資料類をもう少し渉猟しようと書庫にもぐる。Web現代Iくんから、チェックメール。説明不足の点をつけ加えて返送。7時半ころから夕飯の用意にかかる。豚とハクサイの常夜鍋、グランドホテルで買った時鮭の粕漬け、マグロのサラダ風、ごはんは茶飯。ビデオで、片岡千恵蔵の多羅尾伴内モノ『十三の魔王』。冒頭の競馬場のシーンで、竹脇昌作(無我の親父)のアナウンスがたっぷり聞けるのが儲けものである。他のキャスティングも、高倉健(善意のチンピラの役で、途中で無実の罪で逮捕されて消えてしまう)、志村喬(悪徳興行師だが、途中で殺されてしまう)など、無駄に豪華。ストーリィの方は例によって例のごとし。缶ビール大一本、日本酒コップ二ハイ。酔うというよりキューと眠くなるのはやはり脳内分泌物のせいか。