裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

27日

日曜日

楽日娘は素敵な娘

シュワー、シュビドゥワー、と千秋楽になだれこみました。

※『南極(人)』千秋楽

山小屋でみんなと雑魚寝する夢。
克己さんなどと話しながら。山の中なのに食事はとれたてのイカ。
手のひらサイズの小イカのまだ生きたのを丼に山と盛り、
動いているのをショウガ醤油をかけて頭からかじる。

9時起床。小指が多少突っ張る感じなのは、
ゆうべ転んでちょっと突いたのだろう。痛みはなし。
朝食10時。肉炒め、白菜漬物。
例によりドタバタしながら下北沢。11時集合に10分ほど遅れ。
ざっと稽古して、すぐお客入れ。
楽屋でお茶飲んだり、差し入れのチオビタドリンク飲んだり、
カリカリ梅齧ったり。

まず、演技的にはこのマチネが完成形か、と思われた。
麻衣夢、乾きょん、佐藤歩などが来てくれていた。
それに夕幾子ちゃん、由賀ちゃん、藤田由美子ちゃん、あと、
本日通訳役でカメオ出演の別府明華ちゃんなども加え、
女性陣7人に男は私とシヴさんだけというメンツで
昼を食べに出る。ところが日曜の昼下がり、下北沢は混んで
どこもこんな大勢の席がない。
やる気茶屋にやっと座敷を見つけて入り、ランチを。

みんなでワイワイやっているのを見て口の悪いシヴさんが
「こうやって見ると、さすが女優だけあってみんなキレイだね」
と。私も同感。やはりみんな、一般人じゃないな、という感じ。
「店員さんは何と思っているだろう」
「女子大のゼミじゃない? カラサワさんとシヴさんが先生で」
というような話。少ぅし年齢的にはサバ読み過ぎの気が(笑)。

私は脂っこくないものがよかったので刺身定食。
出演陣のみ、先に店を出て劇場へ。
すぐにソワレの客入れ時間なのである。

ソワレはさすがに立錐の余地なき満席。
原作者の京極さんと出版社の人たちも来て下さっている。
冒頭から暴走気味に飛ばす。
何故か『宍道湖鮫』でやたら人のセリフを食ったり、
ラストの『ガスノート』で、一瞬セリフが出なくなった
アクシデントがあったがすぐ取り戻して何事もなかったかの
ように続ける。自分としてはマチネの方の点数が高かった
のだが、ハッシーによるとこのソワレが私のベストアクト、
だと。テンションの高さが演出家の意に適ったらしい。

いつも最終回では“もっとやりたかった”という思いで
いっぱいになるのだが、さすがに今回は
「またやるにしても、今回はこれが限度だな、体力的に」
という感じ。

映像製作のやまぐちさん、音楽担当のグレート義太夫さん、
そして原作者の京極夏彦さんに舞台上に上がっていただき、挨拶。
京極さんの第一声、
「しかし、馬鹿な芝居だねえ!」
これでみんな大喜び。なにせ上演許可の条件が
「原作より馬鹿な内容にすること」
だったわけだから。
その後、何と椎塚有美子のモデルとなった集英社のSさん
も舞台に出ていただき、ダブル椎塚の記念写真となる。
なんと、モデルのSさんも夕幾子ちゃんの舞台衣装とほぼ同じ
グレイの服にロングヘア。やはりイメージというのは合致する
ものだ、とみんな大はしゃぎ。あとは急遽サイン会となり、
長い列が舞台上に続いた。

バラシはじまるが、私は京極さん一行を打ち上げ会場に
案内せねばならず。明日行く440の向いの『ととしぐれ』に
先導する。テーブルについてしばらく雑談。
京極さん、私の演技を見て
「中大岡はもう、カラサワさんの持ち役でしょう」
と。もともと、山田誠二監督の作品に出ていたときから、
私の演技はお気に入りだったようである。
あと、イメージがぴったりだったのは椎塚と、純子演じた
貌井だそうな。バクちゃんは、モデルの編集者は東大出身の
女編集者で、今はえらくなっているそうだが、新入社員時代は
本当に純子の演じたような感じで、Sさんと二人、離れた席の
純子を見て
「いやあ、彼女がものを食べているところをみていると、本当に
昔のH(モデルの人の名前)がものを食べているみたいで何か怖いなあ」
と話していたのが面白かった。
京極夏彦、編集者のドッペルゲンガーに怯えるの図。

やがてハッシーも来て話に加わる。
続編の話、地方公演の話、文士劇の話などなど。
続編と地方公演はやりましょうやりましょうと。
文士劇は果たして如何か?
京極さんたち一行、話が盛り上がって3時過ぎまでいてくれた。

他のテーブルに移動、みんなと挨拶。
移動のとき、股関節がキュウキュウと痛む。
鳥越夕幾子ちゃんは今日晴れてアルコール解禁ということで
緑茶割焼酎をごくごくと。赤垣との名コンビを京極さんに
褒められて、ごきげんで、最後の方はもう、絵に描いたような
ヨッパになっていた。シヴさんがまた、ウレシソウにセクハラ
発言をしては頭を張られていた。

テリーは何かおとなしめ。
そしたら、エリックがベロになって、何かテリーに言い寄り始めた。
シャレかと思うが、執拗にテリーの唇を求めてスリ寄りはじめて
きて、テリー大慌て。じゅんじゅんとあゆみが大喜びで
写メを撮っていた。エリックはその後、誰かに何か言われたか
京極さん帰ったあとぶっ倒れて寝ていたハッシーの脇に寄ろうとし、
ハッシーの蹴りを入れられてぶっ倒れ、店においてあった酒瓶類を
ぶっ倒して割るという騒ぎ。幹事のあゆみが大あやまり。

舞ちゃんとも珍しく長い話し。
私のセリフ回しがよかった、と言ってくれてありがたし。
テリーの食事について気がついた注意事項などを伝えておく。

まあ、乱れもせず、ルナも落ち着いたものだという印象。
何より岡っちがキレなくなった!
一年間、本当によくやってくれたと思う。

5時閉店で店を出る。小雨パラつく中、一本締め。
来年の再開を期しあって、散会。
ハッシーとタクシー相乗り。
握手交わして別れ、帰宅、身も世もなくベッドにもぐりこむ。
体、鉛の如し。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa