裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

4日

金曜日

芸術は幕末だ

新しい日本を照らす太陽の塔だぜよ。

※原稿書き

朝9時起床。
朝食調理パンと豆乳。パソコンの調子こないだから悪く、
表日記の書き込みが出来なかった。マドのサジェスチョンで
緊急措置を取って、なんとかログイン出来た。
1日、サイトの更新に費やす。

書き下ろし原稿の締切もそろそろ迫っている。早いところセリフを
覚えないと…。
見に行かなくてはいけない映画、芝居、その他のイベントの予定
なども盛りだくさんすぎ。

昼は母の室でレタス炒めとあなご茶漬け。もらいものであるが、
ほうじ茶とあなご佃煮のセット。このほうじ茶、香りよろしく極めて上質。
キュウリの漬物をこのほうじ茶でパリパリ食べていたら、
もう際限なく食べられる。

オノからメール、日テレからインタビュー出演依頼。ただし今、
事務所に来てもらうことが出来ない状態なので、こちらから
日テレに来週出向くことに。あと、日刊スポーツから電話取材
一件あった。今年のベストセラーの傾向について。

ザグレブと言えばオリエント急行の停車駅のひとつ、という程度の
意識しかなかったが、知人の活弁士、片岡一郎さんが、
このたびクロアチアで行われる『FILM MUTATIONS: THE
FESTIVAL OF INVISIBLE CINEMA』に出演して、小津安二郎
『生れてはみたけれど』を口演することが決定したそうな。
今月13日。お近くの方はぜひ……と言ったって場所がザグレブであるが、
どうも検索をかけてもあまり日本では認知されていないようなので
せめてブログに書いておく。
今年で3年連続、片岡くんは海外での無声映画説明口演を行って
いるそうで、地道にこういう活動を繰り返している人たちによって
文化というものは継承されていく。
http://www.msu.hr/#/en/
↑会場のザグレブ美術館のサイト。

学研の『科学』『学習』廃刊のニュース。『小学六年生』に
続いてまたか、という感じだが、“まだ続いていたのか”という
感想がまず浮かぶのも同じ。情報量がこれだけ多くなった現代、
子供たちにああいう雑誌がマッチするとはとても思えず、
しかし今の子供たちが限りなく気の毒に思えてくる。
思い出をニュースに寄せて語る人の中には、『科学』を買って
もらえなかった貧乏な家の子だった思いでが心無しか多いようで、
当然、私もその一人だった。学校でまとめて購入し、
クラスで配る方式だったので、恵まれた子とそうでない子との
差がはっきりとわかるのが残酷だった。

覗き見た裕福な家の子の『科学』には、当時の新番組
『マグマ大使』の特撮の秘密、というような記事が
載っており、もし私がガキ大将的人格だったら、殴ってでも
奪い取っていたかもしれないほど、その特集記事が読みたかった。

それから数年後、成績が上がったか何かのご褒美で晴れて
私も『科学』をとってもらえるようになったときの嬉しさと
言ったら。有名な付録で最も気に入ったのは、ボーキサイトや
プラスチックチップ、カカオ豆の本物などがセットになった
“工業原料見本セット”で、長いこと私の勉強机の上に
飾られていた。こういう気持ちも今のめぐまれすぎた子供たち
には味わえないだろう。
日本人を幸せにするための一番の早道は、金と情報を制限
することではないかと思う今日このごろである。

夜8時まで原稿書き。
8時、幡ヶ谷に出て、明日のと学会例会のために上京した
エロの冒険者さんを、モンゴル居酒屋『青空』にお連れする。
茹で羊、羊ホルモン、モンゴルパオズ、それと和風だが鹿肉つみれ
ナベなどを賞味。エロさんは馬乳酒を飲んで酸っぱい〜という
顔をしていたが、おかわりしていた。
こっちはモンゴル焼酎を。

馬頭琴の演奏、さらに常連さんで沖縄の三線を弾く人との
合奏など、ムードも満点。
10時半ごろお勘定するが、店の人は私の商売などを知っていた
みたいで、やたら喜んでくれていた。

*馬頭琴と三線のコラボ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa