9日
水曜日
赤鼻の棚買い
「真っ赤なお鼻の 古本マニアは いつもみんなの笑いもの でもその年の
古書即売会の日 古書店のおじさんはいいました……」
※フィギュア王原稿 アキバ取材
朝7時起床、床の中で台本を読んだり。
こないだのと学会で発表する予定だった本が
どうしても出てこなかったのだが、机の上に置いて、
ひょいとその上に映画のプログラムが置かれていただけで
あったことに気がつく。
この本は志水一夫氏に差し上げる予定のものであった。
氏が生前、まだ見つけられていない、と飲み会でおっしゃって
いたものを偶然古書店で発見したもので、いまだ氏が生きていて
今回の会に出席していたら、そこで差し上げ、あの膨大な蔵書
の中の一冊に加えられたであろうものだった。
志水蔵書については、とりあえず某所への完全移管が決まって
いるが、このあいだ確認したところではまだメドがたっていない
ということであった。年内は無理でも、年明けにもう一度
訪ねて、とりあえず第一次に引き取ってもらうものを確定させよう
と皆神さんとちょっと話しあった。なんなら、ご両親の
生活に差し支える場所に置かれた本だけでも、一時的移動が必要だろう。
生者は死者にわずらわさるべきにあらず(梅原龍三郎)。
ある意味、志水さんに最も強くものが言える(ある理由で)
私と皆神さんに蔵書整理を遺託したのは、志水さんの最後の
決断だったのではないかと思う。
などと考えていたら、某新聞からインタビュー依頼。
志水氏にも縁の深い内容についてのこと。
ちょっと西手新九郎を感じる。
朝食、アボカド半個とコーンスープ。
昼食は母の室でアジの開き半枚とレタスおひたし、キュウリの
漬物でご飯一膳。
某所に籠って原稿書きカリカリパシパシ。
4時ころまでにフィギュア王原稿一本アゲ。
K子にメールする。
8時、家を出て秋葉原へ。
ちょいと理由あって、バリバリのアキバ系アイドルの
クリスマスイベントに。
取材なのであるが、さぞ居心地悪かろう、異物となるで
あろうと思ったら、並んでいたオタ客が
「あ、カラサワ先生ですね、よくトークライブ行きます」
と話しかけてきて、何かすっかり一員として認められて
しまった。せまい会場に人、ぎっしりであったが
ぎっしりの原因の何割かは、彼ら一人々々が持っている
巨大なバッグ類。服装、容姿、行動、全て予想通りというか
取材の必要もなかったくらいのものであった。
アキバアイドルの子たちは、そういうファンの行動思考全て
把握して自由自在にトークで操っているという感じで、
見事であった。
写真は怖くてとれず、帰宅。
創作メモひねくっていたら、来年9月の芝居のクライマックスシーン
がひらめいて、オオッ、と一気呵成に書き上げる。
まあ、ここにもっていくまでが大変なのだが。
キャストも面白いアイデア浮かんで、ほくそ笑む。
サントクで買い物。
夜食、銀ダラ湯豆腐、オクラおろし、ジャコみょうが和え。
晩酌、DVDでリチャード・レスターの『三銃士』見ながら。
肴は鮭トバ。皮をチーッと剥いたあとの脂肪分のところ、
いとど旨し。