裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

5日

土曜日

大幕末5秒前

ラゴン、官軍を襲う!

※と学会例会

朝8時起床、朝食10時半。
ご飯一膳、豚肉の味噌漬け焼き。
ひねキュウリの漬物。

着替えなど出かける準備サクサクと。
ところが例によってサクサクとはいかず、荷物届いたり
メールあったり、いろいろ雑用で時間奪われる。

結局20分ほど遅れで出て、中野。そこから総武線で
水道橋。水道橋某貸し会議室で、と学会例会。
15分ばかり遅刻。この会議場が古く、あちこちの
備品などに昭和の香りふんぷんでちょっと嬉しくなる。
受付窓口の波ガラス、広告入りの鏡(しかも消しゴムの、
というところポイント高し)、研ぎ出しの流し、いずれも
懐しく大喜び。

この時期の例会は出席率が低いのだが、それでも60人近くが
集まって、熱い発表を続けている。
入ったところで、前回の大賞のギャラを経理の眠田さんから
いただく。

私の発表はノストラダムスを何故か“ラダムス”と表記している
『予言に怯えず親しむ』(宇佐美景堂)と、香港の60年代、
70年代のコミックスを紹介した『Hong Kong Comics/Manhua』
の2冊。まずまずの受けであった。

芝居モードに最近、脳を調整してあったのでと学会モードに
スイッチングがどれだけ出来るかと思っていたが、そこは
長年やってきただけあって、すぐに切り替え完了。
神の存在の数理的証明という硬派トンデモから、ヤフオクの
変な出品物ネタまで、幅広すぎるネタの数々を楽しむ。
先日のトンデモ本大賞の記録ビデオをアンチが見て邪推したら、
というOさんの発表が凝っていて大笑い。
また、駿河さんの発表とエロの冒険者さんの発表に関しては
他の仕事の凄い参考になったので、資料貸し出しをお願いする。

例えばと学会には同じテーマを十数年にわたって追求している
メンバーもいる。私はそういう関わり方でなく、あっちこっちと
気を散らしながら、と学会そのものすら自分の主要活動でなく、
ある時は主要、ある時は副次と使い分けて、二重三重四重の
複雑な人生を送っている。いくぶん人格分裂の気味がなきにしも
あらずだが、楽しさは数倍、人より味わえたかな、という感じ。
もちろん、ひとつのことを突き詰めた末の知識力や能力を
得るにはほど遠いが。

雨、かなり降ってくる。
コンビニで傘を買い、二次会はおなじみ秋葉原の万世に。
『呉越同舟』で乾杯。皆神さんやK川さん、S井さんなどと
次回の会場のことなどを話しあう。さらに来年の大会、
さ来年の大会のこと、運営事務局の体制組み換えのことも。
本日、業界に大きなコネクションを持つA氏、K氏の二大有力
会員候補者の発表もあったことであり、今後の活動の変化を
読みながら企画を立てていかないとならない。

楽工社T田くんといろいろ話し、帰りはしら〜さんと
一緒になる。いくつかネガティブな話もしたかもしれないが
雨で気分がもう、鬱寸前に落ち込んでいた。そんな気分のまま
新宿からタクシー乗ったが、そこの運転手さんがいきなり
ムチャクチャに元気な声で
「織田信成がオリンピック決めましたね!」
と話しかけてくる。
「安藤美姫もやったし、あとは浅田真央ですかね!」
と、まるで日本人ならオリンピックに興味持たない人間なんて
いないだろう、という勢い。適当に返事していたが、
東京オリンピックのときに、興味ない人間は凄く疎外された
ろうな、としみじみ思う。21世紀になってさえこれだもの。

帰宅するまでのべつその運転手さんしゃべり続け、しかも
話があっちこっちにジャンプし、
「あ、お客さん、前の車のナンバー! Yナンバーって
珍しくないっスか。あれ、何なんだろう。外務省ナンバーじゃ
ないですよね」
とわめくように言うので、Yナンバーは米軍関係車両だよ、と
教えてやると“へえー!”と大感心して、すぐまたオリンピックの
話に戻る。クタクタになって帰宅し、メールをみたら、
ずっと心にかかっていた件で報告あり、すぐやりとり。
これで日本一の御機嫌にて候、になり、まだ時間が9時台と
早かったこともあって、ホッピーなど飲みつつ、いろいろメモ
を整理して1時過ぎまで。

*中途半端な昭和思い出ポイント

Copyright 2006 Shunichi Karasawa