裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

9日

日曜日

禁断の覚醒

ああ〜見えない怪物が襲ってくる〜(のりピー談)

※演劇祭顔合わせ 書き下ろし用原稿

朝6時に目が覚め、読書(渡辺武男『巣鴨撮影所物語』)など
しながら8時に起床。母に電話して9時に朝食を早めてもらう。

朝食、桃、バナナ、アスパラガススープ。
もう、テレビのニュースショーは酒井法子一色。
まさに“偶像(アイドル)堕つ”という感じなのだろう。
これで視聴率をテレビは稼げるだろう。
最近売れ行きの延びないスポーツ新聞などもこれで一時的では
あれ売れネタが確保されて一安心だろう。
タレントの離婚だのドラッグだの、低俗なことばかり追いかけて……
と識者はバカにするかもしれないが、低俗な大衆の興味が
何かに集中するからこそ、経済は活性化し、人々の意識も高揚する。
そこにタレントの存在価値もある。
デュルケムの犯罪有効論ではないが、酒井法子はそういう意味では
GJなのである。

阿佐谷まで。区民センターでルナティックシアターの
演劇祭2の参加劇団説明会。
阿佐谷商店街は七夕祭りで、巨大な飾り物が天井を埋め尽くす。
学生時代、夏期講座をサボって一日、この七夕祭りを切ない思いで
眺めていたっけ。

ハッシーが10時と思ってみんなを召集したが10時半だった
ことがわかる。私も彼を笑えず、ホラリオン出場者への
依頼にポカミスしていたことに気がついて大慌て。
やがて4劇団の代表者集まる。中で特異なのは演劇ユニット
『HAGEL Pro』で、これは何かというと前回の演劇祭の参加劇団のうち
優勝劇団『MILES』、最優秀演出賞をとった『H・I・A』、
唐沢俊一賞をとった『母性本能プロラクチン』の三劇団が
合体したという強力劇団。ウルトラマンタロウのタイラントか、
ウルトラマンエースのジャンボキングみたいだな。

他の劇団も大変にユニークなところが揃っており、非常に
楽しみになってきた。
1時間ほどで説明は終り、私は地下鉄で帰宅。
むっとする湿気。

午前中に動くのはいいことだと思う。
精神が賦活され、テンションがあがる。
メール連絡いくつか。
明日の歌舞伎鑑賞、何時からのチケットなのかの確認に
快楽亭に何度も電話するがつながらず、少しジレる。

夕方まで原稿仕事。
長崎に原爆が落ちた日に、小泉元首相がプレスリーの像の除幕式
に出る。世論が反米に傾くこの日にバランスをとったわけか。
こういう現実的平衡感覚が民主党にあるかどうかが、政権を安心して
わたせるかどうかの境目だろうな

6時ころ買い物に行く。イチジクの安いのがあったので
ヨーグルトと共に買い込む。母に渡して、朝食にしてもらうつもり。
夜半、ちょっと強い地震あり。母の室に行き、無事を確認。
快楽亭から電話、チケットが手違いで彼のところに
送られてしまったそうで、明日会場で直接手渡しという
ことになる。時間等も確認。もしこの手違いがなければ彼の
ことだから放ったらかしだった可能性がある。
運がよかった!

夜『日本海軍400時間の証言』をNHKで見る。
昭和55年から11年間、海軍の中枢である軍令部のメンバーが
中心となって秘密に集まっていた会合の記録テープの内容を
中心にした番組。伏見宮など皇族の責任問題にまで言及した
ことに驚きを感じ、時代を感じる。
編集にいささかの作為(最後を笑い声で〆るところなど)も鼻につく。
とはいえ、ここで日本人的組織論や空気論を云々しても、
日本人の本質は変わらないし、本質を否定しても仕方ない。
ただ、歴史の証言がこのような形で残り、また一般にも知られる
ようになったことのみは素晴らしい。

スモークサーモンとホタテのサラダを作り、マッコリサワーと
黒ホッピー、それぞれ二杯づつで。
12時、就寝。

*阿佐谷の七夕飾り

Copyright 2006 Shunichi Karasawa