19日
火曜日
残間のまんま
残間里江子さんのお宅で『蒼い時』のお話を……。
※NHK−BS打ち合わせ ロフトプラスワン『ドラキュラの夜』見学
たっぷり眠った、もう朝かなと思い枕頭の時計を見るに
まだ2時半。寝たのが1時なので、1時間半しか寝ていない。
熟睡感の不思議。
そんな短い時間にも夢は見る。
関係途絶中の某知り合いと再会、和解の夢。
某知り合いが和解の印に愛用のパソコンを進呈する、と
どこかの廊下で私にそれを差し出す。
見ると、どうもパソコンの形をしていなくて、
「これ、コーヒーのパーコレーターじゃないか?」
と内心思う。
7時半起き。今日はここのマンションの管理会社が
雨漏りを修繕に来る。まあ、今日一日で完全には修理できまいが。
先に入浴すませて、8時朝食。
今日からバナナダイエット。
バナナ一本、バナナとヨーグルトをミキサーにかけたジュース一杯。
それに紅茶と、塩気が欲しいのでトマトスープ一口。
これで昼まで持つか?
部屋に戻って日記つけ、メールやりとりしているうちに
管理会社の人とリフォーム会社の人来る。
何かワキアイアイなのにちょっとムッとする。
いや、当人たちは仕事をはりきってやっているんだが、
仕事場で、作業者たちの笑い声が聞こえると、
「こっちの迷惑を何だと思ってるんだ」
という気分になるのは、これは人情。
12時、母の室で昼食。サーモンのムニエル、冷ややっこ、
スグキ漬物。ムニエルの付け合わせのエリンギが美味い。
ニンニクバタでソテーしてある。
仕事続けていたら1時、電話。某友人から。
身内のアクシデントとのこと。ちょっとショック。
まだどう言葉を投げていいかわからぬ。
混乱の中で伝えるべきことのみ伝えて、関係者に電話。
もうそっちにも通じていた。
いろいろ頭の中が混乱しつつも、スイッチングせねば、と
言い聞かせ、仕事続ける。
冬コミ申込みの件のやりとり、講談社の資料室閲覧日について
やりとり、『トンデモ音楽の世界』印税配分の件とイベント延期
(告知関係の諸事情による)の件などなど。
天井、一応漏った部分にコーティングし、天井ボードを張り替えて
応急処置。ただし、上階の部屋の住人が留守らしく、そちらの
状態を確認できないので、それが確認できた段階で本格的に
処置するとのこと。
4時15分、新中野駅前ベローチェ。と学会新田さん、楽工社Sくん。
24日の青山ブックセンターでのトークライブ(『トンデモ漫画の
世界』重版記念)の構成などを打ち合わせる。
あと、先日のコミケ打ち上げのときに出た語り下ろし単行本の
件などもいろいろ。5時にハッシー来て、新田さんと顔合わせ、
それと例の件などのこと。
5時15分、急いで新宿。
東口交番で、大阪のビデオ会社WHDジャパンのMさんこと
マイミクのTEN−Qさんと落ち合う。
Mさん、携帯を耳につけた小型のワイヤレスレシーバーで
話しているので、それが目に付かない側からは、いきなり
しゃべり出したように見える。
珈琲西武で、NHKのYくんとMさんを引き合わせる。
来年の熱中夜話の企画。
思った以上の好感触。
Yくんから“8日、よろしく”と言われる。
まったく何のことか認識していなかったのでそう言ったら
『熱中夜話』総集編出演日だそうである。
オノからも何にも来ていないというか、連絡あったら
オノから絶対時間とかの細かい打ち合わせあるはず。
「いや、その日は下北の落語会で一席やらねばならず、絶対無理!」
と答える。
「えーっ、製作会社(共同プロダクション)が伝えてないんですか!」
と一瞬パニックになったが、収録が昼間、というのでややホッと。
肝が冷えたよ。
そのあと、Mさんと、ロフトへ。出演者が『青葉』にいるという
連絡があったので、青葉までMさんを案内する。
さいとうさん、石田一さん、菊池秀行さん、女流作家の某さん。
石田さんとは面識なかったのでご挨拶し、名刺代わりに
『Bの墓碑銘(中)』を。もう、あとはいきなり何の注釈もなしの
ホラー映画ばなし。
「『魔人館』での各スター(リー、カッシング、プライス)の照明の
当て方は……」
「『フライトナイト』でロディ・マクドウォールが真似たカッシングの
しぐさが……」
「ジョン・キャラダインがリー司会のトーク番組で“(カーロフが
演じた)フランケンシュタイン役は自分に最初にオファーがあった”と
発言してリーが仰天していたが……」
などなど。うーん、この“注釈なしで話せる”という楽しさは麻薬ですな。
菊池さんがここはおごってくださる。
あとは、ロフトで単に客として菊池さん、石田さんのお話を伺う。
Mさんは、今日、ここで16ミリでハマーの『吸血鬼ドラキュラ』
原語版をお二人のツッコミ付きで見ようという企画。
したがって、いつものロフトとは椅子の向きが90度異る。
Mさんはこのために石田さんとフィルムと映写機を、大阪から
車に積んで運転してきたのだという(写真)。
お客の中に角胴くんがいた。
やはりフィルムで見る発色は格段にいい。
「いまのデジタル化された映像は全てのものを明瞭に映しすぎて、
エ(映像)のバランスを崩している。監督には、画面の何を明瞭に
見せ、何をぼやかすか、という演出上の計算がある。それを
何から何まで明瞭にしてしまうという行為は演出家殺しだ」
という石田氏の意見には全面的に賛成。
とはいえ、やはりマニアは
「ここのシーンで右開きだったドアが、次のシーンでは何故か
左開きになっている」
みたいなダウト探しにやはり夢中になってしまう。
こっそり石田さんが耳打ちしてくれたダウトに大笑い。
いや、その時代には絶対ありえない単語がセリフに入っているんですが。
最初は、原稿のこともあり、また例の件の続報が気になることも
あり、冒頭の数分(唐沢さん、タイトルの映画会社のもともとのロゴ
〜最初の配給は現在のワーナーでなくユニバーサル〜と、DVDでは
退色してしまう、血の色のあざやかさだけは見ておいきなさいと
石田さんに強く言われた)のみで失礼しようと思っていたのだが、
つい、見入ってしまい、休息はさんでとうとうラストまで
見てしまった。石田さんと菊池さん、満足そうに
「ね、見ちゃうでしょう?」
と。いや、満足であった。
Mさんに出口まで送られ、挨拶して帰宅。
新宿ロフトに出演以外で来たのは数年ぶりかも。
帰宅してメールチェック。例のアクシデント、余談は許さないが
最悪の状況はまぬがれたもようでやや、ホッと。
がんばって欲しい。
カッシングつながりでオリビエの『ハムレット』の後半部分のみ
見て、ホッピー飲んで1時就寝。
十数日ぶりに、寝室のベッドで寝る。
やはり、広い!