裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

23日

月曜日

ハマトラダムスの大予言

1977年第7の月 それは港町から猖獗し出す
学舎の女たちは 国中の装いを変えるだろう
襟つきの競技用シャツにかかとの無い靴
多くの娘向け冊子は栄光に包まれるだろう

※名古屋から帰京 和の○寅食事会

朝、8時15分目覚め。
やはりこれは体内時計がこの時間に目覚めさせるのか。
寝床で『理性の限界』読む。
やはり第二章“科学の限界”がベラボーに面白い。

9時半、入浴。10時、チェックアウトすませ、
オノ&マドをロビーで待つ。
「名古屋へ来たのだから名古屋式モーニングを食べねば」
と、あちこちうろつくが、駅周辺はさすがに再開発で
名古屋色が薄まっていて、いかにも名古屋、なモーニングなし。
40分くらい歩き回り、最後は検索して、一日中モーニングを
やっているという、三井ビル別館地下の喫茶『リヨン』に
行く。

期待にたがわず昭和感いっぱいな店で、
モーニングはコーヒーのみの値段で、ゆで卵とトーストとカステラ、
あるいは小倉焼きサンド、ポテトサラダサンド、フルーツサンドなど
がつく。オノは小倉、マドはポテトサラダ、私はゆで卵といろいろの。
満足して出るときおばさんが、
「どこから来たの?」
と訊いてきたので、東京からと答えると、チーズカステラケーキを
おみやげにくれた。この店も7月17日でビル改築に伴い、
移転だそうである。間際にこられてよかった。

ここで二人と別れ、腰をかなりくたびれさせているので、
マッサージでもと思って近くを歩き回るが、東京だと、一丁角ごとに
あるようなマッサージ、整体などの店がほとんどない。
諦めて、駅に接しているマリエットアソシアの16階の喫茶店で
しばらく休み、1時にまた駅で落ち合う。
最初はひつまぶしを昼に、と言っていたが、昨日、南湖さんが
高座で名古屋の食べ物で“台湾ラーメン”というものの話をしていて
「台湾にはないそうですな(笑)。で、これがやたらに辛いんですな。
カウンターに並んでいるお客さんたちがみんな、咳込みながら食べてはる」
と言っていて、気になっていたので、ちょっと食べてみようという
話になり、泊まったホテル周辺でチェックしておいた
『くまどん』という店へ入る。

ところが、カウンターだけの店だが、だれもいない。
呼んでも反応がない。
「出前かな」
「入口をあけっぱなしってわけはないだろう」
などと話していたら、おばちゃんが
「あら、ごめんなさい〜」
と出てきた。

大丈夫かいなと思ったが、自家製ギョーザも麺も、味は大変結構。
七十過ぎと思われるおばちゃん一人で作りながら、
三人の注文にタイムラグなく1ぺんに出てきたのに感心。
オノとマドは台湾ラーメン、私はこれも南湖さんがネタにしていた
“ベトコンラーメン”(南湖さん曰く「何ちゅう名前やと思って
きいたら、“健康にええニンニクがたっぷり入ったるさかいに、
食べるとベストコンディションになる”ちゅうんでベトコンラーメン」)
を。塩味のあっさりスープに、ガーリックチップスがいっぱい。
「これ、食べると二日くらいは体中ニンニク臭いのよ」
と食べてる途中で言われ、やばい、今日は麻衣夢とデートなのに、
とあせるがもう仕方なし。毒食わば皿までと、さらにおろし
ニンニクをオノの勧め(陰謀?)でぶちこむ。

おばちゃん、途中で、
「あら、テレビで雑学やってる人でしょ!」
と私を見て言い、携帯で写真撮らせて、と頼むが、
携帯のカメラ機能の使い方がよくわからない。
マドが教えてあげて、写すが、今度は保存の仕方がわからず、
それも教えてあげると、さらに友だちにメールするやり方が
よくわからない。全てマドがレクチャーしてあげる。
「次はいつテレビ出るの?」
と訊かれる。幸い、7月にはかなりの数の出演があるので
それをオノが教えると、
「みんなに言わなきゃ」
と言い、なんと私のベトコンラーメンの分をオゴリにして
くれた。かたじけない。

食べて、おみやげコーナーで何か買おうと思ったが、
もう時間がなくてロクなもの買えず。
新幹線のホームで、待合室にはいる。
先ほどのおみやげコーナーでも“販売は終了しました”に
なっていた赤福が、ここでも売り切れ。
疲れとさっきのくまどんで飲んだビールの酔いでぼんやり
していたら、追加の赤福が三十個ほど、運ばれてきた。
そしたら、それを見つけた客たちが、携帯などで連絡を
とりながら、わらわらと集まってきて、一人三箱四箱、
なかには七箱も買う人もいて、あっと言う間に最後の一箱となる。

ラスワンというものに弱いのがオタクの本性、つい、
ふらふらと立って買い求めてしまい、売店のおばさんが
「はい、赤福終了〜」
と言うのを聞くと、拍手してしまいそうになった。コミケか。

新幹線、乗って三分でチケットの確認、済ませて速攻で寝る。
そのあと、新横浜くらいまで熟睡。
新横着が4時半くらいで、それから中央線で中野、
中野からバスで新中野。
帰宅してシャワー浴び、メールチェックなど。
外出先から、ミクシィメールはチェックできるがニフメールは
出来ないので、行き違いかなりあった模様。

いろいろと単行本、ツマリにつまって順調に(?)遅延。
とりあえず三才ブックス、編集の都合で8月前半刊行が
9月あたま刊行に順延。K子に怒られるだろうが仕方なし。
7月刊行の幻冬舎もかなりギリギリでピンチ。

6時、家を出て新宿、新宿でちょっと用事。
仕事関係の某知人入院で、その対応の件。
それから急いで歯を磨き(ベトコンラーメンの匂いを消すため)
小田急に乗り、東北沢まで。途中でまるでスコールのような
豪雨になり、驚く。

車中で電話、さっきの某知人関係。
なにしろ病気が病気なので何かあったかと思い、あわてて出て
仕事の善後策対応していたら、
「お面割れてんだから車中で携帯なんて、恥ずかしいことをしちゃ
いけない」
と注意され、恐縮。
ことがことでやむを得なかったとはいえ。

それにしても、名古屋の台湾ラーメンといい、
この小田急車内といい、自分の顔が最近、本当にあちこちに認識
されていることを、180度違う対応で学ばされる。
業界関係の友人から“最近バスや電車利用しているようだけど、
タクシー使った方がいいよ”とこないだ言われたが、
タクシーの運転手さんだって空気じゃない。
新幹線だって、ずっと寝ていたが自分の寝顔までは
注意できないしねえ。
とりあえずは行動に神経使うしかなし。

東北沢で麻衣夢ちゃんと待ち合わせ、和の○寅へ。
お母さんにも麻衣夢ちゃん紹介。
互いに大阪と名古屋からの帰り。
おみやげを交換しあう。
麻衣夢ちゃんからは、お母様からのプレゼントだそうで
渋い扇子をいただく。

ここの店舗としてはたぶん最後の来店になると思うので
ドンペリ(今まで勧められても断ってきた)を抜き、
突き出し、お造り、鮎の塩焼きなど堪能。
途中で、ネットでの知り合いの“おたくな講師”さん一行が
いらっしゃる。私の日記でこの店を知って常連になったそうで。
「へえ、カラサワさん貢献してくれていたんだ」
と大将。ここまで来て気がついたかい! とやりかえし。

麻衣夢ちゃんとは仕事のこと、松ちゃんがこの店の常連なのに
驚いたこと、この店がらみの某所に仕事部屋を一室借りようかな、
ということなど。彼女といると本当に話題がつきない。
二時間くらいいて、お互い旅行疲れで眠いだろうから、
早めにと帰宅。デザートに私の買ってきた赤福と、
麻衣夢の買ってきた山椒餅をみんなで食べて。
雨はもうあがっていた。

※ベトコンラーメン。焼豚も自家製。
※謎の喫茶店。
※近くの映画館でモーニングショーをやっていた。沖縄で作られた人形
アニメーションらしい。ちょっと気になる。
http://jp.youtube.com/watch?v=cngMjMEzkrE

Copyright 2006 Shunichi Karasawa