裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

15日

日曜日

仏陀な、二度も仏陀な!

親父にも出家させられたことがないのに!
                      (アムロ・談)

※『熱中夜話』収録@秋葉原

朝8時50分起床。
日記つけ、サクサクと。
9時朝食。
小メロン一切れ、バナナ半本。

入浴。湿気のせいか、執筆作業が長いとお尻の部分に
アセモが出来る。ムーニーでもするか。
メールチェックいくつか。
一乃谷ご主人は無事との報せ。

早めに昼食の弁当(焼肉)すませ、
今日の衣装あつらえ。
衣装ったって黒づくめのみだが、
なんかどれもクタビレて見える。
そろそろ新調しないといけないか。

1時、家を出てタクシーで中野。
神田まで中央線、乗り換えで秋葉原。
UDXビルの二階ロビーでオノと待ち合わせ。
日曜のアキバにしては人通りがやや少ないのはやはり例の事件の
せいだろうが、UDXビル周囲では、眼帯したアキバアイドル
が撮影会をちゃんとやっていた。もっとも撮影者は二名。

今日共演する腹巻猫さんとも出会って挨拶。
「唐沢さんの選曲(60年代と80年代のヒーローソングを
各ゲスト一曲ずつ選定する)はまた、マニアックですねえ!」
と言われる。
何を選曲したかは放映(7月10日、17日)後に。
http://www.nhk.or.jp/nettyu/index.html

楽屋で田中公平さんと久闊を叙す。
ビビる大木さんにはやっと会えた。
もう、楽屋で田中さん、腹巻猫さんといきなりアニソン特ソンばなし。
もういいトシなんだから、と思ってこういう話題は控えるように
してきたんだが、虎の縞は洗っても落ちぬのたとえ。

Yくんも大張リキリの表情。
Oさんから構成の説明を受け、
田中さんがしみじみと、
「しかしYくんてのは大したもんだ、公共放送でよくここまで
オタクをわかっている構成で作ってくれている」
とつぶやいていた。
私も、こういう番組で余計なお笑い(以前のアメザリのように、
余計でないお笑いの人たちもいるのだが)がいないというのは
久しぶりの経験。やはりYくんの指示が働いているんだろう。
まあ、長い臥竜時代の彼を知っている私にとっては、
やっと雲を得たかという感じで喜ばしい。

今回は二回に分けてトークを行い、最初が60〜70年代、
後半が80〜90年代。やはりわれわれオジサンは前半にアツくなり、
渡辺宙明、菊池俊輔の比較論など、しゃべり倒して、一番データ的に
押さえた発言をしてくれるはずの腹巻猫さんの発言が丸々カット
される場面も。

その反省か田中さんが
「後半はわれわれは黙ってるから」
と楽屋で言い出して、ディレクターたち、
「いえいえいえ、後半もあのノリでお願いを」
と大慌て。なにしろ“熱中夜話”ですから。
とはいえ、司会のビビる氏、まさに芸名のごとくビビって、
ちょっと(かなりかな)引き気味であった。

選曲には入っていなかったが、私のリクエストで渡辺先生の
『快傑! 児雷也』がかかったのが嬉しかった。
田中さんは初めて聞いたそうだが、しかし
「聞いて一秒で宙明サウンドとわかる。誰が演奏しているかまで
わかっちゃった」
と。しかしその一方で、『銀河旋風ブライガー』がない、
などのユルシガタイ不手際も。場内後ろでマイク使って指示出して
いたYくん、何度もカンシャク起こして怒鳴りまくり、後部座席の
客に“イタいオタクがいるな”という目で何度も振り返ってにらまれて
いたとか。

ゲストのささきいさおさん、いまだに声の響きが全盛時とほとんど
変わらぬところに驚き。ヤマトの熱唱、そして『真っ赤なスカーフ』を
生歌でささきさんの真後ろで聞いて、ちょっと涙が出そうになった。
この歌のために私はオタク人生を歩むことになり。わが人生設計は
大きくその形を狂わせられたようなもの。
それがよかったのか悪かったのか、結論はまだ出ていないが
生の声をこの場所で聞いて、“うん、これでよかったのだな”と
ひとつの答えが自分の中で出たような気がしたことであった。

一部終わったところで、楽屋になんと桜井浩子さん来られ、
「相変らずおしゃべりねえ、あなた」
と呆れ(?)られる。
一部だけ見て帰る予定だったが、
「オモシロイから後半も見ていくわ」
とのこと。

河崎監督、例により“ヨッ!”という感じで入ってくる。
彼も(加藤夏希つながりで)後半のコメンテーターで出演するが、
この、全身60年代の男をなぜ前半に出さないか、というのは
だれしもの疑問だろう。まあ、いろいろオトナの事情があることは
わかるが。破裏拳さんもちょこっと楽屋に顔を出していた。

弁当は中華風のと洋風のの二種類。
Yくん夫人のY子さんから、自家製のクリームパンとウグイスパン
の差し入れ。
田中さん腹巻さんと、
「やはり二時間(一回分のマワシ時間)では足りないね」
「あれだよ、ロフトでやろうよ、このメンツでさ」
との話が出る。

二部は一部に比べテンションが落ちると言われないよう、
がんばった結果、やたらしゃべってしまった。
少しでしゃばりすぎ。それでも、私のチョイスした80年代
ソング、加藤夏希ちゃんに大ウケ。

で、夏希ちゃんのリクエストは“あの”曲。
彼女が陶酔した様子で歌を聴いて口ずさんでいる間、
オジサン4人、顔を寄せ合って
「こりゃ結局、アレだろ? ○○が××したんで人気になったんだろ?」
みたいな話でコソコソコソコソ。
その対比の図があまりに面白かったので、スタッフ曰く
「あの絵は絶対使わせていただきます」
と。最前二列のお客はアニ・特ソンオタクたちらしく、もう
遠藤正明さんの歌う『ガオガイガー』で半狂乱的なノリに。

アガリが8時45分ころ。
6時間拘束。楽しかったがかなりクタビレた。
田中さんや腹巻さん、河崎監督に挨拶して解散、
Y子さんとオノと一足先にタクシーで下北沢、マドも合流して
『虎の子』。お疲れさまで乾杯して、ビール、日本酒。
途中からYくんもかけつける。
テンションあげた反動か、最初はしゃべるのも大儀っぽい
感じだったが、途中からハイになる。
人物月旦、今日の番組の話、オタク業界ばなし。
いつもは〆は焼酎でいくのだが、今日はワインに合うつまみ
がいっぱいだったので、赤ワイン二本、4人で(Yくんは
飲めないのでカルピスソーダ)開けた。
キミちゃんも一緒に。
お値段もかなりいったが。

タクシーで帰宅。ハイがまだ持続してて眠れず、
ホッピー飲んでおさめる。
2時、就寝。あっという間に暮れた感じ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa