裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

20日

日曜日

へべれけ・へべらー・へべれすと

こないだの酔っぱらい方と言ったらへべれすと(最上級)で……。

※『週刊新潮』電話コメント 事務所整理

朝、ゆうべあまりに帰りが遅かったので、夢でまで
朝帰りするところを見た。
我ながら呆れたのであろう。
目が覚めて驚く。寒い。
寒いくらいで驚いていてはいけないが、暖房をつけっぱなしで
寝たのである。それなのに寒いのである。
どれほどの寒さかわかると思う。

9時半、ドアホンでベッドから飛び起きる。
消火設備の点検だった。留守をしている母の部屋の点検にも
立ちあう。

二日酔いではないが、その後も昼近くまでベッドで
だらだら。書評用読書など読む。
11時半、起きて入浴。
ネットでメールなどチェック。

12時半ころ、電話。
昨日7時ころ電話くれた、週刊新潮Hさん。
今回はアイドル声優の起源について。
「まあ、週刊新潮の読者みたいな方々には無縁の文化ですが」
と言うと笑っていた。
理解しやすいよう、多少根源の日本のアフレコ文化のことから。

その後、朝昼兼用のメシ。
ご飯はパックのものを温め、仙台のファンから送られた牛タン
味噌漬けを焼き、豆腐の味噌汁を作り、あときゅうりのキューちゃん。
牛タン美味いが、やはり麦飯が欲しいところ。

CD『伊福部昭の芸術3 舞踏音楽の世界』を聞く。
いつぞや日記に書いた、舞踊劇『サロメ』。
1946年に貝谷八百子バレエ団創立10周年記念公演のために
作曲されたもの。伊福部らしいエキゾチズムあふれた作品だが、
個性あふれる音楽家の作品というのははっきりいえばどれを聞いても
全部似てきてしまうもので、早い話がトラック3“サロメの召使、
ユダヤ人、ナザレ人など”は『キングコング対ゴジラ』のファロ島の
BGMそっくりだし、もっと驚くのはトラック7“ヘロデはもう
サロメから目を放さない”の主旋律は、『ゴジラ』の
ラストシーンに流れる『平和への祈り』そのままと言っていい。

いや、それを言うならこのCDに入っている、戦時中に陸軍の委嘱で
作曲されたという『兵士の序楽』は100%『自衛隊マーチ』だし
そもそも『ゴジラ』のあのテーマは『ピアノと管弦楽のための協奏風
交響曲』の中の一節のほぼ流用なのだが、これで私が驚いたのは、
『ゴジラ』の中で、芹沢博士の改心のきっかけにも使用されていた、
いわば“人類の良心の象徴”とも言うべき曲が、イントロなどほぼ
そのままで(いま手元にゴジラのサウンドトラックがないので確認
できないが)、“義理の娘に淫蕩な視線を注ぐヘロデ王”の
シーンに使われているということだ。
音楽というのは使う場所と使われ方で、全く異るイメージを
聴き手に与えることが出来るものなのだなあ、と感心、いや驚嘆。

K子から、掃除をするので5時には出ろと命じられているので
4時半、家を出てバスで渋谷。
車中、講談社現代新書『東京裁判』(日暮吉延)を読む。
著者(1969年生まれ)の視線の定まり方の実証的なことに
読み始めてすぐ、感服。
事務所について、ベータのビデオ類を整理する。
それから東急ハンズに行き、ちょっと買い物。
さらにその足でタントンマッサージ。
また奥の方でノッポさんらしき声がしていた。

パルコ前のバス停でバスを待つがかなり待たされる。
乗ってきた小学生女子の一団が全員ホットパンツ姿で、
この寒中に素足をむき出しにする若さと元気さに感嘆すると
同時に、目の遣り場に困る。変に視線をそらすのもわざと臭いし。
『東京裁判』があるのがありがたかった。

サントクで買い物、帰宅してしばし書き下ろし等のメモ作り。
明日は早いから、と思いつつ9時半、夕食。豚バラと油揚、
チンゲンサイの鍋と、辛子明太子のクラッカー乗せ。
DVDで『007/ドクター・ノオ』のオーディオコメンタリー。
その他いろいろザッピング的に見てしまい、つい、就寝が
1時半くらいになる。明日は5時起きなのに。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa