裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

木曜日

仁義なき戦い・超常作戦

「もうわしらの時代は終いで。目が肥えてきちょって、こうインチキが
こたえるようになってけのう」(広能昌三)

※キャプション書き ヘアカット

朝8時53分起床。
急いで入浴し、9時15分には食卓へ。
バナナとイチゴ、干しプルーンのヨーグルトかけ。
コーンスープ。

自室に戻り、日記つけ、パチスロ原稿のキャプション三本。
DVDラックが届いたので、その組み立て。
年末に一本、ラックを買って収納したのだがしきれず、
もう一本注文したもの。

組み立てながら、テレビで参院外交防衛委員会質疑を聞く。
民主党の藤田幸久という議員が、写真パネルを使って、
「ペンタゴンに旅客機は突入していない」
「WTCの崩壊は爆薬を仕掛けて行われた」
などという、ベンジャミン・フルフォードの本から引き写した
ような陰謀論を唱えていて驚いた。
民主党というところは、UFO質問の山根議員はじめ、
中越沖地震が常温核融合のせいではないかと質問した
風間直樹議員など、なかなかと学会好みの方々が多いところなの
だなあ。と思う。議事録を読んでいると頭がクラクラしてくる。

実際問題、この類いの非科学的な陰謀論(いちいちの反駁に
関しては専門家の検証サイトがいくつもあるので参照して
いただきたい)は、反米派の間でも“ああいうのがあまり話題に
なってはまっとうな反米・反ブッシュ理論すら同等のトンデモ説に
とられかねない”という声が出てきているようだ。
あるいは反ブッシュつぶしにわざとこういう説をバラまいているのか、
とすら思われかねない。
『陰謀論はユダヤの陰謀』という本がそのうち出るぞ。

陰謀論を唱える人々は、陰謀論に対し懐疑的な人間を単純な
思考の持ち主で、公式発表を疑うことを知らない、とよく嘲笑
するが、単純な思考はむしろ陰謀論者の方に多い、というのが
いろいろ双方の人に会ったり本を読んだりしての私の結論である。
大げさに言えばどんなプロジェクトであっても、それが機密を
要する場合には陰謀に類する。仕事上、そのようなプロジェクト
に関わったことのある人であれば、外部に情報を漏らさずに仕事を
進めるということが、いかに大変なことかがわかるはずだ。
機密プロジェクトを進める秘訣は、そもそもその機密事項を
知っている人間の数を最小限にとどめることだ。
数が多くなれば、どんな箝口令を敷いたことであっても、
必ず漏れる。信じられないところから漏れる。
昔、ある企画のトップから“これは絶対に外に
漏らすな、漏らしたらペナルティだ”と厳しく言われたことが
あったが、酒の席でその当のトップ氏がべらべら自慢げに
その企画のことをしゃべりはじめたので仰天したことがある
(当然のことながらその企画はポシャった)。
ましてや、ネット時代においておや。

9・11テロとか、アポロ捏造だとか、そういう陰謀に関わった
人々全て(ちょっとやそっとの数ではあれだけ大掛かりな陰謀は
できない)が命令に忠実に秘密を守って口を閉ざしていられる、
と考えられる人というのは、かなり人間性を信頼している、
善良な心の持ち主なんだろうと思う。
私のように人が悪い男には、そんなこと、とても信じられない
のである。

昼飯はミソのおむすびにシャケ、阿多福豆。
人生最後の飯を選べたら、ミソのおむすびを選ぶのではあるまいか。
ラックを組み立て終わって、少し部屋がまたスッキリした。
『世界一受けたい授業』スタッフとメール打ち合わせ。
それから外出、地下鉄で新宿、山手線で渋谷、東横線で代官山、
という乗り換え行って、カットハウス『エド・エド』。
セットしてもらう。この店のマスコットのチワワの児太郎が、
私をえらく気に入って膝の上に飛び乗ってきて、じっと
動かない。

この店、バンダイと提携して何かイベントをしたことがある
らしく、そのときに貰ったという『20Q』というオモチャを、
カット中のひまつぶしにくれる。
頭の中にものを思い浮かべ(固有名詞はダメ)、それに対し
オモチャが“ソレハショクブツデスカ”“ポケットニハイル
オオキサデスカ”“イロハカラフルデスカ”などと20の質問を
してきて(それで当たらないとさらに5つ質問が加わる)、
はい、いいえ、わからない、ときどきの四つのボタンで
答えていくと、最後にその思い浮かべたものが当たる、という
人工知能玩具である。
http://www.asovision.com/20q/top.html

やってみると、最初の“ハサミ”は25問で、次の“パンダ”は
20問で正解。“バイク”は惜しい、“スクーター”と出た。
原理は単純なのだが、なかなかハマる。
これの元祖はアメリカの『20クエスチョンズ』(日本では『二十の
扉』としてモノマネされて人気番組になった)だろう。
大体、人の考えなどというものは二十くらいのヒントがあれば
読みとれる、ということか。
帰りに、“いっぱい貰ったので”と一個、くれた。

成城石井で買い物して帰るか、と思ったら、店の前に大丸ピーコック
があるのを発見、そっちにする。
最近はサントク以外の大型スーパーで買い物することが無くなったが
以前はこれが私のストレス解消法だった。
さすが代官山のピーコックで、揃えてある品もちょっと(成城石井ほど
ではないが)スカしていて、実に回っていて楽しい。
木の実や黒豆納豆(中野駅前のピーコックが無くなって以来、
入手に不便を感じているのである)など買い込む。
買い込んだところで3000円ほど、安いレクリエーションである。
渋谷に東横線で戻り、そこからバスで新中野へ。
車中、ずっと“20クエスチョンズ”。
忘れていたが、今日はサントクが休みだった。いいタイミングで
買い物をしたわけである。

ナショナルがパナソニックに社名変更というニュース。
ナショナルキッドはどうなる、って言ってる人がマイミクに
いっぱいいるのが笑える。
ちなみに、“あかるーいナショナル、あかるーいナショナル……”の
作詞・作曲は三木鶏郎。ミツワ石鹸の“ワ、ワ、ワー、輪が三つ”
も三木鶏郎、鐘紡毛糸の“カーンカーン、カネボウ”も三木鶏郎、
キリンビールの“うちじゅうみんなキリンキリン”も、いや“牛乳石鹸
よい石鹸”も“ジンジン、仁丹、ジンタカタッタター”も
“クシャミ三回ルル三錠”もみんな三木鶏郎。
優れたCMソングに与えられるのが“三木鶏郎広告音楽賞”なのも
むべなるかな。

書評用読書しばし。
大変に面白い内容で、巻を置くあたわざる一冊があるが、
さて、どういう切り口で書評するか、悩むものあり。
私と性格などが似ている著者の場合、書評でこういうことを言おうと
思っていることがそっくり後書きに書いてあったりする場合も
あって、油断ならないのである。

9時ころ夕食、豆腐とアサリ剥き身の鍋、里芋のコロッケ。
ビールとホッピーで1時くらいまで。『墓場鬼太郎』は
うーん、期待が大き過ぎたか。
『オタク大賞』大賞・個人賞コメントを書いて送る。
驚いたのは、個人賞を差し上げた方からコメントが届いたこと。
いや、驚くことはないのだが、これが実は西手新九郎。
詳細は放映後に。
1時過ぎまでいろいろグダグダ、またベッドで読書続き。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa