裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

28日

木曜日

今日も稀哲、明日も稀哲

昨日の夜、入った焼き肉屋のテレビで日ハムのリーグ首位記念番組で森本稀哲(ひちょり)を見てつぶやいたシャレ。ひちょりというのは朝鮮語読みだそうである(本名・李稀哲)。しかし、この番組にコメンテーターで長嶋一茂が出ていたがアナウンサーと並ぶとその体の巨大なことに驚愕。スポーツ選手はやはり違う。ダルビッシュもしかり。森本はそんな中ではまあ、普通人なみの体格だった。

朝8時起床、入浴。母が今日はいるはずだと思っていたらどうも明日までだったらしい。朝食のベル、鳴らず。仕方なくおとついサントクで買ったブドーパンを噛る。

ひさびさの快晴、仕事カジカジと。民主党小沢党首、入院長引く模様。首相指名選挙には出てきたらしいが、また病院に逆戻り。これは安倍サンにも小泉サンなみの運がついて回っているということか。“ライバルが勝手に死んでくれるのが天下人の証し”(例:武田信玄、上杉謙信など強敵が相次いで死んだ織田信長)と小室直樹も言っていた。まあ、まだ小沢サンが死ぬとは限らないが、いまこの時期に長期入院ということになれば政治的には死んだも同じだろう。

安倍サンの親父さんの晋太郎氏がまさに、ガンのうわさが流れて、健在を顕示するために自派の会合に出席して、人前では元気な笑顔を作っていたものの、車に乗り込んだとたんに見せた憔悴しきった表情を写真週刊誌にスッパ抜かれ、一気に政界に
「安倍の余命はあとわずか」
と見切られた、という前例がある。政治家というのも人気商売だし、それは芸人、それからわれわれモノカキも同じこと。一時不安神経症になった伯父が、あちこちの仕事先で自分は心臓に疾患がある、と言い回って、それを打ち消すのにえらい苦労をした(実際は心臓なんて悪くもなんともなかった)ものだが、案の定、その後仕事が激減した。誰も、いつ倒れるかわからない人のところに仕事は持っていかない。人気商売にとり、健康情報はもっとも管理を厳しくしないといけないものなのだ。自分のところの党首の病気を軽く言わず
「狭心症ではないか」
などと口走る鳩山由紀夫はその点、おもしろいキャラである。本当に政治家なんだろうか。

昼は卵かけご飯(ノリ、カツブシ、刻みミョウガ添え)と油揚の味噌汁。朝日ソノラマのソノシートだったら入っているか、と期待した(入っていた記憶があった)鉄人28号の主題歌、冒頭の“みなさん、鉄人28号の時間です!”というナレーションがない。これは今残っているフィルムにも入っていないようで、ほとんど幻の記憶のようになっている。鉄人と言えば主題歌の後に入る“グリコ、グリコ、グ、リ、コ〜”が有名だが、私に言わせれば冒頭のこれもちゃんと言わないと鉄人の主題歌は完璧でないのだ。
http://homepage2.nifty.com/io_secretbase/list_anime_s.html
↑ここにも記載がない。うーむ。

3時出社。コンビニに寄って少年マガジン立ち読み。放映35周年記念漫画『仮面ライダーをつくった男たち(村枝賢一・画)』を読むため。以前、本多猪四郎監督を扱ったときに比べるとキャラの無謀な耽美化は抑えられているようで一安心。

アマゾンからの届き物多々。うーむ、少し買い控えないと。4時、村崎百郎さんと『社会派くんがゆく!』対談。最近どうも毒舌がウスいので、究極の暴論“そろそろ戦争すべきなんじゃないのかね、日本は”を述べる。カタストロフなき社会というのは矛盾と常に抱き合ったまま生きていかねばならぬ、すさまじいストレス社会なのだ。それを一旦ご破算にする機能として、昔は戦争があった。その一手を封じられてしまった社会はやがて煮詰まり、爆発するはず。戦争という強制発狂により、人はその後で正気を取り戻すのである。

終って事務所に戻り、しばらく雑務。7時、出てタクシーでオノと幡ヶ谷。チャイナハウスで『超落語』打ち上げ。フワリさん妊娠なので特別料理を……と注文していたのだがマスター曰く、“六ヶ月だと、そこで生まれちゃうといけないから”と普通の料理になる。
それでも青パパイヤと鹿肉炒めや、エビしんじょとクワイ、香菜たっぷりの油淋鶏など、談笑さんもフワリさんもその味には感服の様子。風邪気味のオノは八珍酒、われわれは蟻酒。雑談いろいろ。固い話一才なしなのは非常に気楽。某人気落語家さんとその愛人の話など。K田くんとタクシー乗り合わせて帰宅。

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