裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

19日

火曜日

肝っ玉カーさん

こんな大胆な密室トリックを使うとは、さすがディクスン・カーさん、度胸がある。

朝9時起床、最近は気温がおちついてきて寝やすいせいか熟睡、寝坊がち。入浴等して朝食、9時半。ニンジン、ジャガイモ等のスープ。

昼間はミリオン単行本のネタ出し改稿に費やす。使いたいいいネタがあるのだが、やや取り扱いに注意を要するもの。まあ、YくんがK子をコントロールしてくれれば大丈夫だろう。

昼の弁当はおむすび2ヶ(おかかと梅ネギ)。このあいだのと学会例会で本郷さんとK川くんにいただいた米と水(わざわざ“この水で炊いてください”とペットボトルに入れて持ってきてくれた)で炊いたご飯で作ったおむすび。さすがにうまい。米だけで太りそう。

事務所に出る。3時半、ラジオライフ編集部Tくん来。いろいろと話を聞き、こっちもする。いや、こっちがした方が半分以上か。人間、40から先は30代までにやったことのアガリで食っていかねばならない(創作能力が激減する)。30代に自分の納得いくものを形づくっていかないと後がキツいよ、というようなことを。もっともTくんはまだ20代だが。あと、以前からやりたかった企画の形を少し変えて、プレゼンする。さっそく企画書にまとめましょうと言ってくれた。

6時、時間割に行き、岡田さんとオタク清談。今日は岡田さんが気圧の関係で鬱だそうで、主に私が主導でしゃべる。犬丸りんさんの死を火口(ほくち)にして、創作商売の大変さの話。私も岡田さんも、担当のKさんに
「オレたちはトップに立とうと思ってないから。ホントに好きなことだけやっているから、いつ死んでもかまわないから」
と力説するが、どうして私も岡田さんも、まだまだ山っ気はたっぷりである。私らより前の世代が山っ気ありすぎで後の世代がなさすぎなのである。

7時、岡田さん次の予定があるとのことで(しかし忙しい人だ)対談終了。駅までちょっと歩く間に、岡田さんに“ある企画”を打ち明けられる。驚いて大ウケ。私の企画しているイベントで場所提供するよ、と言っておく。

一旦事務所に帰る(帰るオノとエレベですれ違った)が、空いた時間使ってタントンに、とトンボ返り。1時間揉んでもらう。とちゅう、ゆめすけさんから電話、カナダ在住の私のメル友女性が名古屋に里帰りして、私の日記で見たのでと言って『楽』を訊ねてくれたそうである。

9時半、帰宅。10時、母の室でメシ、ナス揚げだし、野菜酒粕和え、イサキ刺身、牛丼。牛丼は自家製で、スネ肉を煮込んだもの。吉野家のようなすきやき丼ではない、本当の牛丼。見ながら『こだわり人物伝』第三回。3回目でやっとウルトラマンが出てきて、ほぼこの1回で語り尽くさねばならないので、いや早口なこと。普段しゃべっているのと違わない。それはいいのだが、私の顔へのライティングはどうか、と思った。テカりすぎ。黒づくめなので目立つのだろうが……。内容は文句なく面白い。自室に戻り、『刑事コロンボ』を英語バージョンで見ながらホッピーさらに。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa